決定版 日本のいちばん長い日 の商品レビュー
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2021年1月21日記述 日本のいちばん長い日 決定版 単行本1995年6月文藝春秋刊 文春文庫2006年7月10日第1刷 半藤一利氏による著作。 これは半藤一利氏が35歳の時(1965年)に書いた作品。 つい先日亡くなったというニュースが流れていた。 既に高齢であることは知っていたのでやむを得ない。 読んでいる途中で著者が亡くなった事を知るというある意味貴重な機会だった。 ご冥福をお祈りしたい。 1930年〈昭和5年〉5月21日 - 2021年〈令和3年〉1月12日(90歳没) Wikipedia上では生年月日、死亡年月日は上のように記載されていた。 まさに人生100年時代かという思いもする。 池上彰氏との対談本も面白かったし、2015年頃だったか終戦70周年のTV番組企画でこの日本のいちばん長い日を題材とした終戦時の裏舞台を紹介したものを見た記憶がある。 その元ネタはこの本だ。 人名索引もあり、非常に力を入れた作りであることはよく分かる。 (野口悠紀雄氏によると索引をうけるのは大変面倒な作業のため、つけていない本が非常に多い。索引があるだけで評価に値するという) 宮城で玉音放送の録音盤が奪われる事が無かったの幸いだ。 ほんの少しの、ボタンの掛け違いが起きていたら、日本の終戦、敗戦はさらに遅くなり事態はもっと悪くなったかもしれない。 国体が、国体が、と多く出てくる。 当時の日本人にとっては大変に重要な問題だったのだろう。 今ではちょっと考えにくい。 ただ1つだけ個人的に感じたのは漢字表記の違和感だ。 簡単な漢字は使わない所が多いように感じた。 でも他の部分で漢字は多い。 この違和感はかつて鎌田慧氏の原発暴走列島(2011)を読んだ時にも感じた。 半藤一利氏が1930年生まれ、鎌田慧氏は1938年生まれ。 何かこの世代特有の漢字選定なんだろうか・・・ 印象に残った点 この本は、その特長として直接に証言者にあたり、実地の踏査を重んじたことにある。 30年前にはまだそれが可能であった。 もちろん当時刊行されていた幾つかの文献に あたったが、それらで定説となっているようなことでも一応は直接関係者の証言をとおして再確認し、疑いの残るものはとらなかった。 そして今回知るかぎりの新事実を足したが、これで完璧になったかどうか、確信はない。 歴史を正しく書くことの難しさは実感している。 まして証言の食い違う当事者の、生存している現代史を書くことにおいてをや、である。 聖断は下ったのである。 いまはそれにしたがうばかりである。 不服のものは自分の屍を越えてゆけ
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第二次世界大戦末期 ポツダム宣言が出されてから昭和天皇の玉音放送がされるまでの裏側の物語 日本人は答えのない事に対応するのが昔から弱いんだなと、逆にやるべき事が具体化すると脇目も振らず的確に実行できるのだなと感じた それはまさに戦後の復興と衰退そのもののように思えた その上で...
第二次世界大戦末期 ポツダム宣言が出されてから昭和天皇の玉音放送がされるまでの裏側の物語 日本人は答えのない事に対応するのが昔から弱いんだなと、逆にやるべき事が具体化すると脇目も振らず的確に実行できるのだなと感じた それはまさに戦後の復興と衰退そのもののように思えた その上で自分や仲間たちの命を捧げてきた戦いをやめろと言われてもやめられない人達の心理が興味深かった 守るべきものは国体である とか 天皇は周りに騙されいるのだ とか 現状確認もせず目的を妄想で固めて突き進む 戦略も何もなく やる事そのものが目的と化して ただあんなになるまでなんで戦争をやめられなかったのか?なぜ原爆が落とされなきゃいけなかったのか? 人間とは不思議な生き物だなと思った
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勉強になった。 登場人物が多く、言葉も難しいから読むのに時間がかかったから、整理しながら読んでいった。 映画も見た、忠実に再現されてた。
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恥ずかしながら終戦の日にこのような出来事があったのを知らなかった。 もしかしたら、聞いたことはあったのかもしれないけれど、記憶として知らなかった。 一日の出来事を時間を追って、様々な人の目線で描いている。 途中、少し間が空いてしまったのがよくなかった。 一息に読むほうが、空気感や...
恥ずかしながら終戦の日にこのような出来事があったのを知らなかった。 もしかしたら、聞いたことはあったのかもしれないけれど、記憶として知らなかった。 一日の出来事を時間を追って、様々な人の目線で描いている。 途中、少し間が空いてしまったのがよくなかった。 一息に読むほうが、空気感や緊迫感を感じることができてより一層読みごたえがあったと思う。 戦争の終結は皆が喜んだと思っていたし、実際に私自身がそうであれば喜ぶに違いないと思っていたが、終戦の報に触れた将校たちのなんともやるせなく、切ない気持ちが初めて分かった。 玉音放送で君が代が流れるシーンには様々な感情が湧くと同時に、胸が締め付けられる思いがした。 タイトルの通り、本当にとても長い一日だった。
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戦争を知らない世代の私にとって、8月15日が終戦の日であることは何の疑いもなく、当然のことと受け止めていた。 だが、本作を読むと玉音放送に至るまでの道のりは決して簡単でなく、むしろ幾つかの偶然が重なって終戦を迎えることができたとわかる。 一度戦争へと突き進むと、終わりを迎えること...
戦争を知らない世代の私にとって、8月15日が終戦の日であることは何の疑いもなく、当然のことと受け止めていた。 だが、本作を読むと玉音放送に至るまでの道のりは決して簡単でなく、むしろ幾つかの偶然が重なって終戦を迎えることができたとわかる。 一度戦争へと突き進むと、終わりを迎えることがとてつもなく困難になるのだと考えさせられた。 こうした史実はこの本を読まなければ、まず知ることはなかっただろう。日本人として、他の人にも読んで欲しいと思える数少ない傑作。著者に感謝したい。
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感無量。 大学に入ったばかりの甥っ子が「一番好きな本」だと言う。 読んだフリをしてきた、伯母は慌てて読み出す。 通勤時間の細切れで、一章ずつを遅々として読み進める。 途中、挫折を案じたが、読了できたのは、史実の重みと 半藤一利氏の筆の力に他ならない。 半藤氏のご冥福をお祈り申...
感無量。 大学に入ったばかりの甥っ子が「一番好きな本」だと言う。 読んだフリをしてきた、伯母は慌てて読み出す。 通勤時間の細切れで、一章ずつを遅々として読み進める。 途中、挫折を案じたが、読了できたのは、史実の重みと 半藤一利氏の筆の力に他ならない。 半藤氏のご冥福をお祈り申し上げます。 もっと、もっと、新しいご本をかいていただきたかった・・・
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読み終わってないが、あと数日決心が早ければ原爆の投下を免れられたはずだったのか否かというところに関心が向いた。原爆を体験してもなお戦おうとする意思が折れない軍部がどうしても理解できない。歴史的事実として散々習ってきた以上当時の軍人精神というものに多少理解はあるつもりだったが、現代...
読み終わってないが、あと数日決心が早ければ原爆の投下を免れられたはずだったのか否かというところに関心が向いた。原爆を体験してもなお戦おうとする意思が折れない軍部がどうしても理解できない。歴史的事実として散々習ってきた以上当時の軍人精神というものに多少理解はあるつもりだったが、現代的な感覚なのかもしれない。 天皇はむしろ戦いをやめようと早くから思っていたように描かれている。言うに言えなかったのだろうなと思わせる描かれ方をしている。しかし、事実の真偽は恐らく永遠に不明だ。全てが愚かであったのは間違いない。後世を生きている日本人として、この物語から何を理解すればいいのかがまだ皆目わからない。とりあえず終わりまで、責任持って読もうと思う。
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あの終戦の日1日にこんな事件があったなんて知らなかった。「国体護持」がどれほど大切なことであったか。当時の日本人の気持ちが少しわかった気がした。
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夏なので読んだ。毎年読んでる。 ポツダム宣言を受諾し、玉音放送までの1日。 今年は読んでいて、読み応えのあるWikipediaみたいな文章だなって思った。 私は、阿南陸軍大臣は死なないで欲しいってすごい思うんだけど、この人の自刃以外の陸軍をおさめる方法が思いつかない。
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