調理場という戦場 の商品レビュー
東京は三田のフレンチ…
東京は三田のフレンチ「コート・ドール」のオーナーシェフが自らを語った本。刺激的な言葉に満ちた料理人の本のなかでもそうとうに誠実で赤裸裸な本になっています。「夢を現実にして栄光に包まれてはばたいていった仲間もいれば、ちょっとしたつまずきが許されず落伍していった人もいます。/料理を目...
東京は三田のフレンチ「コート・ドール」のオーナーシェフが自らを語った本。刺激的な言葉に満ちた料理人の本のなかでもそうとうに誠実で赤裸裸な本になっています。「夢を現実にして栄光に包まれてはばたいていった仲間もいれば、ちょっとしたつまずきが許されず落伍していった人もいます。/料理を目指す人にとってフランスは花のように美しくあでやかだけど、その裏にはどろどろと恐ろしい落とし穴がたくさんありました。」
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フランス料理店「コート・ドール」を営む斉須政雄さんの仕事論。フランス修行の経験を踏まえた語り。もがき苦しんだ経験が血肉になる。ネトフリで「白と黒のスプーン」を見たあとなので、一流プロをイメージしながら読むことができた。写真を見て優れたお店は調理場がキレイでピカピカ。話があっち行き...
フランス料理店「コート・ドール」を営む斉須政雄さんの仕事論。フランス修行の経験を踏まえた語り。もがき苦しんだ経験が血肉になる。ネトフリで「白と黒のスプーン」を見たあとなので、一流プロをイメージしながら読むことができた。写真を見て優れたお店は調理場がキレイでピカピカ。話があっち行きこっち行きしたり、冗長な記載が多く、途中ダレたので評価は★3。
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本書は佐久間宣行氏が「メンタル回復本」として紹介されていた。20年ほどずっと読んでいて、熱い気持ちを取り戻したい時にいつも読み返すそうだ。どの部分が佐久間氏の胸に響くのか想像しながら楽しく読めた。 以下、本書より抜粋。 「『テリーヌは何度で何分でしょう?』そういう小賢しい基礎知...
本書は佐久間宣行氏が「メンタル回復本」として紹介されていた。20年ほどずっと読んでいて、熱い気持ちを取り戻したい時にいつも読み返すそうだ。どの部分が佐久間氏の胸に響くのか想像しながら楽しく読めた。 以下、本書より抜粋。 「『テリーヌは何度で何分でしょう?』そういう小賢しい基礎知識を掘り回す人を見るとちょっとむっとしてしまいます。そんなことないよ、試してみなければわからないじゃないか。結果が良ければそれが最高のテリーヌの作り方なんだ。最高の旨味を出してあげることが素材に対して1番丁寧で敬意を払うことになる。テリーヌのジューシーのおいしさを、僕なりに出そうと思っているのです。」 「その時々の素晴らしいメートル(恩師)と並走しているときには、案外自分でもできるのではないだろうかと思ってしまうものです。しかし、うまく並走することができているのは、隣にいる恩師が見えない微調整をしてくれているからに他ならないのです。」 「愛しているものがあったら、自由にしてあげなさい。もし帰ってくれば、あなたのもの。帰ってこなければ、はじめからあなたのものではなかったのだ。」
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単身フランスに渡り厳しい修行を経て独立した斉須さんの仕事論。最短距離を求めすぎない。身に余る幸運と感じるときはそれを受け取るタイミングではない。もう少しやりたい、もう少し上手になりたい、そんな気持ちで仕事を続ける。
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調理場という戦場 斉須政雄 下働きを地道にしていた見習い料理人が一流になるため、単身でフランスへと渡り 人種差別、言葉・文化の違いを乗り越え超一流の技術と気兼ねを身につけた斉須政雄の書籍 サービス業に従事する自分には響く言葉が多い 今回は心に残ったフレーズのメモである 手...
調理場という戦場 斉須政雄 下働きを地道にしていた見習い料理人が一流になるため、単身でフランスへと渡り 人種差別、言葉・文化の違いを乗り越え超一流の技術と気兼ねを身につけた斉須政雄の書籍 サービス業に従事する自分には響く言葉が多い 今回は心に残ったフレーズのメモである 手が空いたら偉かろうが下のものだろうが誰でもやれ 自分の常識を通すためには様々な軋轢を打破して、時には争いごとだって経験しないとやりたいことはやれない 技術を使う人がものを作る裾野にあるものをクリアに処理しているかどうか…おおもとにある考え方がきっちりとしているからこそ、仕事もきっちりといく “実力が違えば平等でないということは、当たり前” 1人でできないことを実践するためにチームを組んでいるわけで“まぁいいや” で済ませればチームメイト同士の欠点を教え導くことにはならない。しかもお店の欠点を露呈することになる。評判は落ちるし、淀みが肥大する… 情に流されず、悪いことは悪いといい、いいことはしっかり褒める。 優秀な能力だけで満喫しないで、チームワークで出す結果によって満喫すればいいのではないでしょうか レストランで大切なのは“清潔度“でありお客さんに対しての“家庭的な態度“である 大切なのは簡潔であり、清潔であり、人間性があるということである。 “整理整頓ができているということは仕事がなされるための基本なんだ” 清潔度は毎日しないと保つことができず貯金しておくことができない 目の前にある課題は自分で丁寧に解きほぐすしかない。一つずつ解きほぐせば、必ずうまくいくはずだ。 中途半端に戻っても昔の扱いをされるだけ。戻ったら、もっとつらい。 効率のいい生き方をしていると、擦り切れてしまう様な気がするんです。ですから、ゆっくりと、遠回りでもいいから、一歩ずつ行くことを選びました。 一.至誠に悖るなかりしか 一.言行に恥ずるなかりしか 一.気力に欠くるなかりしか 一.努力に憾みなかりしか 一.不精に亘るなかりしか それぞれの器の大きさに合った技術者になるんですよ
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フレンチシェフ斉須さんの、フランス修行時代から現在に至るまでの体験記のような一冊。料理という生きがい・天職を極めるための戦いの記録。ライバルを蹴落とすわけでもないし、レストランで儲けようというわけでもないが、料理人という立場を築き、守るため、同僚、オーナー、客、時にはオーナーの奥...
フレンチシェフ斉須さんの、フランス修行時代から現在に至るまでの体験記のような一冊。料理という生きがい・天職を極めるための戦いの記録。ライバルを蹴落とすわけでもないし、レストランで儲けようというわけでもないが、料理人という立場を築き、守るため、同僚、オーナー、客、時にはオーナーの奥さんとも戦う。それしか考えていない人の一途な強さが感じられる。プロフェッショナルってこういうことかなあと感じさせられる。
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斉須さんが若手の頃に感じていたような負荷を感じにくい現代になっていると思う。自分でかけれる負荷なんてたかが知れてるし、やっぱり負荷を自分で探しにいかないと成長なんてない時代なんだと思う。
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その時その時の状況や立場によって言ってることが変わってるのがリアル。 経営者ってこういう感じなんだろうなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本のここが好き 「ゴミの除去は、とても大切なことに思えたのです。少しずつだけど、ひとつずつしか進まないけれど、自分でやらなかったら何も変わらない。目の前にある課題は、自分で丁寧に解きほぐすしかない。ひとつずつ解きほぐせば、必ずうまくいくはずだ」
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自分が持っているものよりも高いレベルでやり続けたことで得た力強さや、やり続けることでしか得られないものが確かにあるんだなと感じました。
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