プリンシプルのない日本 の商品レビュー
白洲次郎さんが自ら残した文章の数々。分量は少ないですが、彼の人となりを類推するには最適の一冊と申せませう。 プリンシプルとは原理原則とかいふ意味ですかな。自分がとるべき姿勢や行動、考へ方に筋が通つてゐるといふか。 戦後間もない時期に「文藝春秋」誌に寄稿した文章が中心であります。 ...
白洲次郎さんが自ら残した文章の数々。分量は少ないですが、彼の人となりを類推するには最適の一冊と申せませう。 プリンシプルとは原理原則とかいふ意味ですかな。自分がとるべき姿勢や行動、考へ方に筋が通つてゐるといふか。 戦後間もない時期に「文藝春秋」誌に寄稿した文章が中心であります。 これだけは言つてをきたい、とばかりにずけずけ直言してゐます。小気味好いですな。 断片的ながら、白洲さんが中央政界といかなる関はり合ひがあつたかが窺はれます。彼は吉田茂元首相が好きだつたのですねえ。 新憲法で天皇が「象徴」といふ日本語になつたいきさつも書いてあります。(シンボルつて何だ?...辞書には象徴と書いてある)...本当にこんな適当なやりとりで決つたのですかね。まあ本人が書いてゐるからさうなのでせうが。 直言の内容は時代に阿ることなく、言ひたい放題なのですが、まるで現在の日本に対して述べてゐるかのやうです。それだけ普遍性を持つてゐるのでせう。或は日本の抱へる問題は昔も今も変らないといふか。 理想化され過ぎたきらひがある面も否めないその人物像。ゆゑに白洲氏に対して否定的な見方も存在します。 しかしそのせいで本質を見誤るとよろしくない。現代の我我にも覚悟を求めてゐるのではないでせうか。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-84.html
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大半が50年以上前に書かれたものとはとても思えない。それだけこの国が変わってないのか、筆者の洞察力が凄いのか。どちらの要因もある気がするが、憲法や二院制、政治家の資質に関する問題提起などは、そのまま現代でも通用する。政治を志す人は必ず一読すべき本。
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「育ちのいい野蛮人」白洲次郎のエッセイ集。 終戦後5~10年に書かれた現地現物主義によるもので、正直良く分からない箇所が多いのだが、新憲法、政治家、日本人のあり方、経済などについてズバリ言いきっているのはわかる。 「親譲りの傍若無人」(p38-39)では桁外れに“大きい”(次郎以...
「育ちのいい野蛮人」白洲次郎のエッセイ集。 終戦後5~10年に書かれた現地現物主義によるもので、正直良く分からない箇所が多いのだが、新憲法、政治家、日本人のあり方、経済などについてズバリ言いきっているのはわかる。 「親譲りの傍若無人」(p38-39)では桁外れに“大きい”(次郎以上?)オヤジさんが紹介されている。 武士道を身に着けたプリンシプルのあった人。しかも、「天下の美男子」。 素直に憧れる。
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白洲次郎の肉声ということもあり時代も時代なので 言葉遣いや単語がとても読み難い。 しかし、半世紀以上前に日本について政治家について言及している内容が、今の日本と政治にもそのままあてはまっているという事。白洲次郎の凄さとともに変わらぬこの国の行方に不安を感じた一冊。
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時代により環境が変わっても日本人や日本政治に言える事は変わっていないようだ。成長しない日本人なのかな。今の時代に書かれたと言われても通じる事が多々あった様に思います。
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サンフランシスコ講和条約締結後、1950年から16年にかけて白洲次郎が寄稿したモノが1冊にまとめられた本。 著作を何らかの形で公にする人は、一般的に自分の功績を世間に喧伝することが多い(日経新聞の『私の履歴書』にしたってそう)と思うおが、この本を読んでも、白洲次郎が自分のなして...
サンフランシスコ講和条約締結後、1950年から16年にかけて白洲次郎が寄稿したモノが1冊にまとめられた本。 著作を何らかの形で公にする人は、一般的に自分の功績を世間に喧伝することが多い(日経新聞の『私の履歴書』にしたってそう)と思うおが、この本を読んでも、白洲次郎が自分のなしてきたことを吹聴するのをよしとしない人であることがはっきりわかる。 特に日本国憲法がいかにしてGHQから押し付けられたものかというくだり、51年のサンフランシスコ講和条約の吉田首相のスピーチが日本語で行われたくだりなどは、もちろん言えないこともあるのだろうが、あえて隠しているふうでもあり興味深い。 本書にまとめられた文章を白洲次郎が寄稿した50年以上前と、日本を取り巻く世界の情勢や経済状況など、大きく異なる現在においても、「何も変わっていないではないか…」と落胆するほど、変わらぬ課題について鋭い言葉が投げかけられており、日本を背負う政治家、財界人含むリーダーたる者、そして「主権在民」の国の国民である我々は一読の価値ありだと思う。
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吉田茂首相の側近であった白洲次郎が文藝春秋に寄せた言葉集。 読み手によっては不快に感じる箇所もあろうが、 読んでいて実に気持ちの良い内容であった。 書かれた内容は60年近く経った今でも十分に通じる内容。 白洲次郎の先見の明というよりも、 書かれた1950年代から、日本が全く進歩...
吉田茂首相の側近であった白洲次郎が文藝春秋に寄せた言葉集。 読み手によっては不快に感じる箇所もあろうが、 読んでいて実に気持ちの良い内容であった。 書かれた内容は60年近く経った今でも十分に通じる内容。 白洲次郎の先見の明というよりも、 書かれた1950年代から、日本が全く進歩していないことを感じる。 著者の言う通り、プリンシパル(原則)が日本にはないのかもしれない。 本来の目的を見失うことなく、全て本音であり正論。 この本音・正論を国民にぶつけて動いてくれるよな政治家が、 今の日本にも欲しいと切に願う。
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そのまま現代でも当てはまる話が多いのが笑えない。 東北電力会長としての発言には納得させられる話が多いと感じました。
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戦後日本の政界の空気に触れつつ、その問題点を指弾しながら日本独自のプリンシプル(原則)を打ち立て、民主的に物事を進めるべきだと主張する白州の直言の数々。 50〜60年代の社会で取り上げられた数々の「時事問題」や言論も俯瞰できる。ただし、言論の上で多大な影響力があったわけではない...
戦後日本の政界の空気に触れつつ、その問題点を指弾しながら日本独自のプリンシプル(原則)を打ち立て、民主的に物事を進めるべきだと主張する白州の直言の数々。 50〜60年代の社会で取り上げられた数々の「時事問題」や言論も俯瞰できる。ただし、言論の上で多大な影響力があったわけではない。この本から学ぶべきは、物事の構造を捉える大局的観点と、「プリンシプル」の重要性である。 機会主義的に進んでいく今日の日本にも、そのまま通用する批判の数々は今読んでも痛快である。
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1950~60年ころに白洲次郎が文春等に投稿した文章をまとめた本。 「当時の」マスコミ、政治家、官僚、オワコン企業等に対する辛辣な意見が書かれているのだが、どれもこれも今の日本でもそのまま該当する指摘で愕然とする。 つまり日本は変われないということか。 50年後のマスコミも政治家...
1950~60年ころに白洲次郎が文春等に投稿した文章をまとめた本。 「当時の」マスコミ、政治家、官僚、オワコン企業等に対する辛辣な意見が書かれているのだが、どれもこれも今の日本でもそのまま該当する指摘で愕然とする。 つまり日本は変われないということか。 50年後のマスコミも政治家も官僚も今と同じ問題を抱え続けるのではないかと暗澹たる気分になる一冊。
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