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プリンシプルのない日本 の商品レビュー

3.9

123件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2017/04/15

単に雑誌への政治評論といった類ではない。言ったことに重みがあるのは、筋が通っているから。生きることに汲々とすることなく颯爽と人生を駆け抜けた人物。2017.4.15

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2017/03/18

◆きっかけ 茂木健一郎『脳をやる気にさせるたった1つの習慣』で「白州次郎は日本の歴史においてこれからもずっと言及される「カノン」的人物でしょう。なぜ白州次郎が「カノン」になりえたのかといえば、戦後の日本が自信を失っている中でGHQと対等に渡り合って、今日の平和で反映する日本の土台...

◆きっかけ 茂木健一郎『脳をやる気にさせるたった1つの習慣』で「白州次郎は日本の歴史においてこれからもずっと言及される「カノン」的人物でしょう。なぜ白州次郎が「カノン」になりえたのかといえば、戦後の日本が自信を失っている中でGHQと対等に渡り合って、今日の平和で反映する日本の土台をつくり、なおかつ彼の仕事が記録として書き残されていたからです。」と取り上げていて、白州氏について知りたいと思って。2017/3/18

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2017/02/11

憲法改正、沖縄の基地問題、日米貿易問題、国会での圧倒的多数の自民党に対する野党のあり方。。。 60年前に彼が書いたことは、現在の諸問題に対する発言かと思うほどだった。我が国の問題は何も進展してないということか。2017.2.10

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2016/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「個人関係に於いても、国際関係に於いても永続きする友情は、双方が腹を打ち開けて話すことである。そこに何等の遠慮もあってはならないと私は信じる。」 「弱い奴が強い奴に抑え付けられるのは世の常で致し方なしとあきらめもするが、言うことだけは正しいことを堂々と言って欲しい。」 「何でもかんでも一つのことを固執しろというのではない。妥協もいいだろうし、また必要なことも往々ある。しかしプリンシプルのない妥協は妥協ではなくて、一時しのぎのごまかしに過ぎないのだと考える。」 そこをよく考えないといけない。我々日本人が何故にそれを行動に繋げられて、諸外国で出来ないのか?その根本が理解出来なければ、10年後、そして100年後には、日本とて諸外国と大差ない、三島由紀夫が予言した東洋の経済的には発展したけれども、どこの国ともわからん無色透明な国に成り果てるだけである。本質を知り、それを学ぶことをせねば、そのような事柄も、まもなく失われてしまう。木がなぜ実をつけるのかを知らねば、ただ実りをもたらしてくれる木を眺めて、もぎとるだけもぎとるばかりならば、やがて枯れてしまうだろう。プリンシプルという根をどのように栄養をやり、しっかりとするかを考えねばならない。 本書で白洲次郎が語ったプリンシプルとは、そう言ったものである。日本人が日本人であるための根幹となる心、精神。白洲は他人の言葉を引用することをせず、自分の言葉で語って来た。その白洲が小林秀雄の言葉を引用して、そのような考え方は朱子学より学んで来たと記している。そしていまの世の中、四書五経を学ぶ人は殆どいない。しかし四書五経にはそういった日本人を日本人たらしめる日本人のプリンシプルを育てるための道、真理と言うものが書かれてある。そしてより細かいことを言えば、それは大陸の儒教でもなく、半島の儒教でもなく、日本的儒教である。現代日本にも、その残り滓が残っている。昨今話題となる、日本人の素晴らしさとは失われつつある、祖先の積善の残り滓による死に際の輝きなのである。消える直前、ひとしきりまばゆく輝いておちる線香花火のようなものだ。今の日本はそういったプリンシプルを失いつつある民族であって、決して喜ばしいことではない。 Principle = 原理、原則、道義、本質 安保に対する革新派に対する議論も素晴らしい。今と通ずるところ多し。スイスのたとえ。軍事費における国民の税金の負担。ヒステリー女の喧嘩と面白い言い回し。昔も今も本質は変わらないとつくづく思う。プリンシプルの欠如がもたらす着地点の曖昧さ。 従順ならざる唯一の日本人

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2016/01/11

白洲次郎が1951年から1969年にかけて『文藝春秋』等に発表した原稿をまとめ、2001年に発表されたものである。 戦後暫くは忘れられていた白洲次郎が各種メディアに取り上げられるようになったのは、没後10年ほど経った1990年中頃で、1997年には青柳恵介による『風の男 白洲次郎...

白洲次郎が1951年から1969年にかけて『文藝春秋』等に発表した原稿をまとめ、2001年に発表されたものである。 戦後暫くは忘れられていた白洲次郎が各種メディアに取り上げられるようになったのは、没後10年ほど経った1990年中頃で、1997年には青柳恵介による『風の男 白洲次郎』が発刊されている。 白洲氏ほど毀誉褒貶に包まれた人物も少なかろうと思われるほど評価の分かれる人物であるが、本書の冒頭で、幼な友達の今日出海が「どうして彼が自分の理屈にあんなに自信を持つのか判らぬほど、自分の感覚とその合理性に自信を持っている」、「彼は誤解を解くような努力は一切しないし、また誤解されるような人物だ」と語っているように、周りになんと思われようと、自分のプリンシプルに基づいて、真っ直ぐに行動した人間なのだろう。 「個人関係に於いても、国際関係に於いても永続きする友情は、双方が腹を打ち開けて話すことである。そこに何等の遠慮もあってはならないと私は信じる。」 「弱い奴が強い奴に抑え付けられるのは世の常で致し方なしとあきらめもするが、言うことだけは正しいことを堂々と言って欲しい。」 「何でもかんでも一つのことを固執しろというのではない。妥協もいいだろうし、また必要なことも往々ある。しかしプリンシプルのない妥協は妥協ではなくて、一時しのぎのごまかしに過ぎないのだと考える。」等 プリンシプルに生きた男の思いが、時を越えて伝わってくる。 (2007年4月了)

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2015/12/02

なんというか、この時代にかけちがったボタンが、今も解消されてないことに愕然とする。そして、白洲次郎の指摘した問題、つまり「プリンシプル」のなさについても、今だに状況は変わらない。目先のごまかしじゃなく、つじつま合わせじゃなく、本質、そもそも論から考える、ということが大事なはずなん...

なんというか、この時代にかけちがったボタンが、今も解消されてないことに愕然とする。そして、白洲次郎の指摘した問題、つまり「プリンシプル」のなさについても、今だに状況は変わらない。目先のごまかしじゃなく、つじつま合わせじゃなく、本質、そもそも論から考える、ということが大事なはずなんだけど、どうしてそうならないのか。。。 実は長いことかけて読んだのであんまり内容を覚えてないんだけど、大体どのページを開いても、はっとすることが書いてある。もう少し時代背景について知識があれば、面白いはず。もっと、問題の根深さが自分なりに理解できるはずなんだけど。

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2015/08/06

60年前に書かれたものとは思えないほど、今の日本にも当てはまる事が多いです。 白洲次郎が慧眼なのか、日本人が変わらな過ぎたのか…。

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2015/02/04

戦後,吉田茂と共に日本を支えた白洲次郎。彼の人柄・考えが分かる数少ない資料。 戦後の様々な政治的な出来事を交えながら,彼は当時の日本に足りないものをバンバン指摘していく。それは今現在の日本にも通用するものであり,彼の物事の本質を見抜く力には驚かされた。 本人曰く「私が発言する度に...

戦後,吉田茂と共に日本を支えた白洲次郎。彼の人柄・考えが分かる数少ない資料。 戦後の様々な政治的な出来事を交えながら,彼は当時の日本に足りないものをバンバン指摘していく。それは今現在の日本にも通用するものであり,彼の物事の本質を見抜く力には驚かされた。 本人曰く「私が発言する度にいろんな方からお叱りをうける」そうだが,それも気にせず,自分の考えを素直で率直に発言できるその勇気を,自分も身につけたいと思う。

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2014/10/16

プリンシプルがある、ということは、つまりことがわかっている、ということ。物事の本質をとらえているということ。戦争、占領期を経て、「戦後」日本の渦中において、日本の復興、新憲法や民主主義、議会政治といったものの本質を見つめ、大切にしていた人だということが文章からよくわかる。視野が広...

プリンシプルがある、ということは、つまりことがわかっている、ということ。物事の本質をとらえているということ。戦争、占領期を経て、「戦後」日本の渦中において、日本の復興、新憲法や民主主義、議会政治といったものの本質を見つめ、大切にしていた人だということが文章からよくわかる。視野が広く、未来のことも見据えていた(今真実を隠蔽したら、後の時代になって何も分からなくなる、という趣旨の言及・警鐘も多い)。直裁な物言いが厳しくも優しくもあり、また随所に挟まれる比喩さえも簡潔でわかりやすい。粋ですなあ。

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2014/09/29

何時でも本当のことを言うべし。結局は抑えつけられることが判っていても事実を率直に言うだけのことは言う勇気はあるべしである。言うことだけは言った上で抑えつけられても何をか言わんやである。「育ちの良い野蛮人」「従順ならざる唯一の日本人」の言葉は清々しい。 終戦後、当時の日本製鐵広畑製...

何時でも本当のことを言うべし。結局は抑えつけられることが判っていても事実を率直に言うだけのことは言う勇気はあるべしである。言うことだけは言った上で抑えつけられても何をか言わんやである。「育ちの良い野蛮人」「従順ならざる唯一の日本人」の言葉は清々しい。 終戦後、当時の日本製鐵広畑製鉄所をイギリスの企業に売ろうとして永野重雄と殴り合いの喧嘩をしたというエピソードから、あまりイメージは良くなかったが、それは訂正する必要がありそうだ。この人にはこの人なりの考え方というものがあっただけの話だ。

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