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プリンシプルのない日本 の商品レビュー

3.9

124件のお客様レビュー

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白洲氏の考え方

その、迷いのない生き方には筋が通っている。発される言葉は歯切れ良く、気持ちいい。紳士的かつスケールが大きい、「育ちの良い野蛮人」と呼ばれた白州氏の考え方、彼の主張がハッキリと伝わってくる一冊です。

みよ

2024/03/31

43冊目『プリンシプルのない日本』(白州次郎 著、2006年6月、新潮社) GHQから「従順ならざる唯一の日本人」と呼ばれたと伝えられている男、元終戦連絡中央事務局次長の白州次郎が.、1951年から1969年までの間に発表したエッセイをまとめたもの。 「プリンシプル」=原則に基づ...

43冊目『プリンシプルのない日本』(白州次郎 著、2006年6月、新潮社) GHQから「従順ならざる唯一の日本人」と呼ばれたと伝えられている男、元終戦連絡中央事務局次長の白州次郎が.、1951年から1969年までの間に発表したエッセイをまとめたもの。 「プリンシプル」=原則に基づく行動を是とした白州が、暗愚な為政者や乞食根性に染まった日本人の精神性をバッサバッサと叩き切る。 歯に衣着せぬ彼の言葉は、民主主義が機能不全に陥っている現代にこそより強く響く。 〈人を殺して、いいことなんかないよ、ほんとに〉

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2024/03/16

 白洲次郎の随筆集。本書を読むと分かるように、白洲次郎のイメージは、物申す人とか、怒っている人とか、はたまた舌鋒鋭い批判者というように見えてしまうのだけれど、今日出海の「育ちの良い野蛮人」という表現を念頭に置くとなるほどと思える。  「育ちの良い」部分は、異なる意見を受け入れる...

 白洲次郎の随筆集。本書を読むと分かるように、白洲次郎のイメージは、物申す人とか、怒っている人とか、はたまた舌鋒鋭い批判者というように見えてしまうのだけれど、今日出海の「育ちの良い野蛮人」という表現を念頭に置くとなるほどと思える。  「育ちの良い」部分は、異なる意見を受け入れる柔軟さに現れている。新憲法を押し付けの憲法としながらも、「戦争放棄の条項などその圧巻である」と評し、「いいものはいいと率直に受け入れるべきではないだろうか」と書いている。この柔軟さは終戦間もない時代背景を考えれば信じがたいバランス感覚ではないだろうか。  実は白洲がすごいのは、その議論の鋭さよりも、この卓越したバランス感覚であって、その背後には間違いなく「この問題におけるプリンシプルは何か」という考えが、つねにあったに違いない。  白洲いわく、プリンシプルというのは、原則とか、「筋を通す」というようなものである。それは、当たり前のことを当たり前に捉えることであり、また当たり前であると主張することである。何かを妥協するにしても、プリンシプル無き妥協は一時しのぎのごまかしに過ぎないと言う。こうした考えがはっきり書かれている点で、本書の表題作である「プリンシプルのない日本」は他の批評とは違って、明らかに時代を超えたメッセージを放っている。  時代を先取りし過ぎた人間は、たいてい不幸の道を歩んでいる、と言っているけれど、白洲自身も少なからぬ人に嫌われながら、しかもそれらを全く寄せ付けずに生き抜いた人間だったのだろうなと思うと、ただただ脱帽するばかりである。

Posted byブクログ

2024/02/23

スカッとする。日頃から考えていることだから自然に出てくるのだろう。プリンシプル(=原則)というか軸がしっかりしているから状況が変化しても、それに踊らされている人達に対する少し辛口なコメントが自然に出てくる。 本当の妥協は原則がハッキリしているところに出てくるもの、という箇所は印象...

スカッとする。日頃から考えていることだから自然に出てくるのだろう。プリンシプル(=原則)というか軸がしっかりしているから状況が変化しても、それに踊らされている人達に対する少し辛口なコメントが自然に出てくる。 本当の妥協は原則がハッキリしているところに出てくるもの、という箇所は印象が強かった。原則を放ったらかして「まぁまぁ」で丸く収めようとするが、収まってやしない。原理・原則・理念・目的・ゴール とはそもそも何なのか?というところに帰って考えれば自然にこういう考えになるのではないか?という人だ。育ち、環境も影響していると思うが、保身とか名声を傷つけないとか、そんなものよりもこの人が守ろうとしているものは大きい。だから堂々とNOを言えるのだろう。かくありたい。

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2023/08/14

著者、白洲次郎さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 白洲 次郎(しらす じろう、1902年(明治35年)2月17日 - 1985年(昭和60年)11月28日)は、日本の実業家。元貿易庁長官。兵庫県武庫郡精道村(現在の芦屋...

著者、白洲次郎さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 白洲 次郎(しらす じろう、1902年(明治35年)2月17日 - 1985年(昭和60年)11月28日)は、日本の実業家。元貿易庁長官。兵庫県武庫郡精道村(現在の芦屋市)出身。 連合国軍占領下の日本で吉田茂の側近として活躍し、終戦連絡中央事務局や経済安定本部の次長を経て、商工省の外局として新設された貿易庁の長官を務めた。吉田政権崩壊後は、実業家として東北電力の会長を務めるなど多くの企業役員を歴任した。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 「風の男」、そして「占領を背負った男」―戦後史の重要な場面の数々に立ち会いながら、まとまった著作は遺さなかった白洲次郎が、生前、散発的に発表した文章がこの一冊に。「他力本願の乞食根性を捨てよ」「イエス・マンを反省せよ」「八方美人が多すぎる」など、日本人の本質をズバリと突く痛快な叱責は、現代人の耳をも心地良く打つ。その人物像をストレートに伝える、唯一の直言集。 ---引用終了

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2023/01/25

政治に関わる人全員に読んでほしい。 戦後すぐの政治を批判している文章なのに、皮肉なことにそのまま現代の政治批判として読める。 一番興味深かったのは、日本国憲法がアメリカの草案の翻訳であるという話。 一晩で翻訳されたらしい。 また、2点翻訳の不備も指摘している。

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2022/12/11

戦後の政府高官、白洲次郎の随筆集。 文藝春秋を中心に断片的に発表されてた白洲文章をまとめたものだった。 新憲法制定過程におけるGHQとのやりとりとか、日本政府内部の人間模様とか、もはや史料レベルのことが多々書いてあった。 もうすでにこの頃から国会は機能してなかったんやなと。最近書...

戦後の政府高官、白洲次郎の随筆集。 文藝春秋を中心に断片的に発表されてた白洲文章をまとめたものだった。 新憲法制定過程におけるGHQとのやりとりとか、日本政府内部の人間模様とか、もはや史料レベルのことが多々書いてあった。 もうすでにこの頃から国会は機能してなかったんやなと。最近書かれた文章って言ってもいいくらい、議会の内実が似てた気がする。 結局今の政府連中もこの頃の人らの子供や孫にあたる人が多いわけで、血縁こそあれど戦後政治家の気概を持ち合わせた人はまだいるのかなぁ、と。 風の男、も読んでみようと思う。

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2022/09/29

言葉使いが少し難しいが、含みの無いストレートな物言いが心地よい。 政治に関する話の内容で、今も昔も大差なく、政治家も政治家を選挙で勝たせた有権者も根本的には変わってないと認識した。 知らないことを知ろうとし、分からないことを理解しようと努めて、得た知識をベースに自分の意見を述べ...

言葉使いが少し難しいが、含みの無いストレートな物言いが心地よい。 政治に関する話の内容で、今も昔も大差なく、政治家も政治家を選挙で勝たせた有権者も根本的には変わってないと認識した。 知らないことを知ろうとし、分からないことを理解しようと努めて、得た知識をベースに自分の意見を述べる。 簡単に出来る事ではないが、原理を分かった上であれば それが本来の対話なんだろう。

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2022/07/25

ここがヘンだよ日本人。白洲次郎の思想が垣間見える作品。書かれている主張は理想論に近いけれども確かにそうだよなあと思わせる。おそらくこの要因は例え話の旨さにもあるのかとおもう、単純に話が面白い。小林秀雄に「素人はおそろしい」とこき下ろされるようなところも面白く、それをしっかり受け入...

ここがヘンだよ日本人。白洲次郎の思想が垣間見える作品。書かれている主張は理想論に近いけれども確かにそうだよなあと思わせる。おそらくこの要因は例え話の旨さにもあるのかとおもう、単純に話が面白い。小林秀雄に「素人はおそろしい」とこき下ろされるようなところも面白く、それをしっかり受け入れる(そもそも本人も実感してたようだが)あたり、ただの頑固者ではないようだ。 プリンシプル、原則ともいうべき概念が日本人にはないとのこと。確かにそうだと思う。西洋人にはあるが、ではそれが何か?と聞かれるとなかなか自分では説明が難しい。昔の日本の武士にはプリンシプルがあったようで、これは行動原理的なものだろうと解釈した。要するに武士時代は面子をめちゃくちゃ重んじていたから、武士の名に恥じぬような言動が必要であった。ちょっとでも逸脱したら切腹ですもんな、なかなか厳しい。これは現代で言うと価値観とか信念といった、自分自身の設定基準につながると思う。無宗教で平和ボケした日本だと確かに難しいところだ。

Posted byブクログ

2022/04/30

図書館にて。 政治理念の異なる人の意見に接し、勉強してみようと借りた一冊。 結局読まず期限となる。 心身ともに元気なときじゃないと楽に読めない本は手に取れないと痛感。 とはいえ勉強不足は自覚するところ、絶対に再読したい。

Posted byブクログ