包帯クラブ の商品レビュー
戦わないかたちで自分…
戦わないかたちで自分たちの大切なものを守ることにした少年少女たちの物語。ああ、そういう心の傷の癒し方もあるんだなあと思いました。若い人だけでなく、いろんな世代の人にも読んで欲しい感動作です。
文庫OFF
人間の心が傷を受けた…
人間の心が傷を受けた場所に、包帯を巻いて、少しでもその人の心の痛みを和らげたら・・・そんな、思いでスタートした高校生達の包帯クラブ。物語の展開は、そんクラブの成り立ちを登場人物達が、振り返るといった趣向で、人間は、毎日、少しずつ世の中や他人の事を考えたり、感じたりする事こそが、将...
人間の心が傷を受けた場所に、包帯を巻いて、少しでもその人の心の痛みを和らげたら・・・そんな、思いでスタートした高校生達の包帯クラブ。物語の展開は、そんクラブの成り立ちを登場人物達が、振り返るといった趣向で、人間は、毎日、少しずつ世の中や他人の事を考えたり、感じたりする事こそが、将来、大きな財産になるのだと、切なく、そして明るく青少年達に教えてくれる。
文庫OFF
天童荒太の久し振りの…
天童荒太の久し振りの小説。ちくま新書という形で出版されたのが理解できるような内容でした。
文庫OFF
自分ではそうと気づい…
自分ではそうと気づいていなくても、人はたくさん傷ついている。包帯を巻けばすっっと気分が楽になる。楽になる、ということはもしかしたらその部分が傷ついていたのかもしれない。あちこちに包帯を巻く。包帯が風になびく。真っ白だった包帯は、時がたち汚れボロボロになる。 特別起承転結があるわけ...
自分ではそうと気づいていなくても、人はたくさん傷ついている。包帯を巻けばすっっと気分が楽になる。楽になる、ということはもしかしたらその部分が傷ついていたのかもしれない。あちこちに包帯を巻く。包帯が風になびく。真っ白だった包帯は、時がたち汚れボロボロになる。 特別起承転結があるわけではなく、わりと淡々と進む物語だけれど、やはり天童作品なだけあって、人の心に何か残る部分があるように感じました。
文庫OFF
いい話、ではあると思…
いい話、ではあると思う。けれど(前に読んだ本がもっと重くてずっしりくる作品だったせいもあると思うが)リアルに迫ってくるものがなく、心の中に質量のようなものが残らなかった。リアリティを求めずに、一種の道徳的な教材のような感覚で読むにはいいかも知れない。
文庫OFF
オススメ
登場人物たちの年齢をとっくに越えてしまった身には、彼らの行為や言葉は繊細すぎて痛々しい。でも、癒えない・見えない傷を受けた場所に包帯を巻くその気持ちはわかる。かつて傷ついた人と、今、傷ついている人に。
TKS
"思春期"特有の複雑な感情をまっすぐに描かれていてよかった。ちょっとまっすぐすぎるかなぁと思ったけど。主人公は高校生たちだけど、多分中学生とかにもぴったりくるんじゃないかな
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Look at meを先によんでから、これ読んだ。Look at meはこれなくても十分おもしろい。
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『大勢の人がつらい想いをしていることを、ニュースや何かでずっと見聞きしてきた。でも、わたしには何もできないんだから、深く考えないようにしてきた。 知ることだけでもよかった、のかもしれない……知っておくということだけでも。』 この文中の言葉が、今ウクライナ侵攻の問題で心を痛める中...
『大勢の人がつらい想いをしていることを、ニュースや何かでずっと見聞きしてきた。でも、わたしには何もできないんだから、深く考えないようにしてきた。 知ることだけでもよかった、のかもしれない……知っておくということだけでも。』 この文中の言葉が、今ウクライナ侵攻の問題で心を痛める中、何もできずにモヤモヤする自分の心情とリンクした。 今また多くの人に読んでもらう意味があるのではないかと思う。
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「死は、ばかやないで。神聖なる休息、怯懦な逃避、霊の転生、そしてエロス」(P.11) ----- 「悼む人」「家族狩り」「永遠の仔」が個人的に印象に残っている天童荒太さん。「包帯クラブ」は、タイトルだけ聞いたことがあった。たまたま図書館のジュニアコーナーに置いてあって、これっ...
「死は、ばかやないで。神聖なる休息、怯懦な逃避、霊の転生、そしてエロス」(P.11) ----- 「悼む人」「家族狩り」「永遠の仔」が個人的に印象に残っている天童荒太さん。「包帯クラブ」は、タイトルだけ聞いたことがあった。たまたま図書館のジュニアコーナーに置いてあって、これって大人も借りていいのかなーなんて思いながらしれっとカウンターに持って行ったら当然普通に借りられて安心したっていう前置き。 文体が、確かにジュニア向けな感じ。若い子たちが日常的に使うような、肩肘張らない言葉をそのまま使って物語が進んでいく。 内容も実に高校生らしい。男女五人の高校生が「包帯クラブ」というクラブを作り、過去に自分のことを傷付けた場所や、傷付けた出来事にまつわる事物に、実際に包帯を巻きに行く。ただ包帯を巻くだけなので、何がどうなるわけではないけれども、それでも気持ちが少し楽になったような気がした。そこで、自分たち以外の人の傷も癒せればと考えた彼らはHPを立ち上げ、連絡をしてきた見ず知らずの人の「傷」にも包帯を巻きに行くことにする。 活動を続けていく中でいくつかのちょっとした問題が起き、一時休戦に追い込まれてしまうものの、「包帯クラブ」の理念を共有した彼らは絆を深め、大人になっても交流を続けている。 読み終わったとき、特にこれと言って深く突き刺さる衝撃は残らないのだけど、自分も子どもだったとき、何かにハマると友達と一緒にそれを「クラブ化」してみたり、抽象的な「傷」に実際の包帯を巻く、みたいな、ちょっと次元のズレたとんちんかんなことしたり、確かにしてたなぁなんて思い出した。
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