包帯クラブ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。 いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける長編小説。 ~*~*~* 「巻けます、効きます。人によります」 傷ついたところに 包帯をまく とてもステキな話だと思った 心的な外傷は、みた目に見えない どれくらい傷ついているのか 本人でしか いや本人ですら分からないかもしれない だから 他者からは理不尽な言葉を投げかけられたり 本人もどうしてよいか分からないものを抱えていたり 大きな心の傷は 話すということすら困難がともなう 話すことで 過去になる」という部分もある だとしたら 目に見える包帯をまくことで 何かが変わるかもしれない これはひとつの傷の癒しではないかと思った *この本に関して「傷を愛せるか」 宮地尚子著にも載っていた
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傷ついた場所へ包帯を巻く。それで現実的にどうなるわけでもないが、傷を認めることに意味がある。 話の題材としては悪くないが、中身は典型的な「今時の若者」像に捉われた小説。「今時の若者ってこんな感じで悩んでるんでしょ? なあなあ共感する? 感動する?」って感じ。自信満々に書くほど鋭い...
傷ついた場所へ包帯を巻く。それで現実的にどうなるわけでもないが、傷を認めることに意味がある。 話の題材としては悪くないが、中身は典型的な「今時の若者」像に捉われた小説。「今時の若者ってこんな感じで悩んでるんでしょ? なあなあ共感する? 感動する?」って感じ。自信満々に書くほど鋭い感性でもない。ストーリー展開もいまいち盛り上がりに欠ける。映画はまだ観ていないが、まあこれくらいのストーリー内容ならどこも削ることなく映画化できたんじゃないの、という感じ。
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長らく探してた作品。 (映画化も相当前ですが) 来月あたり、やっと文庫化・・・ ”傷”ついた場所に包帯を巻いていく。 たまには癒し癒される作品ってのも良いもので。
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分厚くもなく、文字数も多く無いのに、伝えることはぎっしりのこの本。大変感動しました。映画も素晴らし方です。多くの方にお勧めします。人には時間がたっても言えない、癒えない傷があるのですよね。優しく包帯をまいてくれます。
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自分が心の傷を負った、と思う場所に包帯を巻く「包帯クラブ」の少年少女の成長を描いた小説。 『永遠の仔』『家族狩り』など大作の多い天童さんの作品の中では、若い人たちに向け書かれたという事だけありとてもライトな文体で、こういう風にも天童さんは書けるんだなあ、とすこし意外な感じでした。...
自分が心の傷を負った、と思う場所に包帯を巻く「包帯クラブ」の少年少女の成長を描いた小説。 『永遠の仔』『家族狩り』など大作の多い天童さんの作品の中では、若い人たちに向け書かれたという事だけありとてもライトな文体で、こういう風にも天童さんは書けるんだなあ、とすこし意外な感じでした。 包帯を巻くだけで救われるのか、と思ったのですが、包帯を巻くことで、あなたは立派に傷ついているんだよ、というメッセージになるということを読んで少しだけ納得できました。 人それぞれ様々な理由で傷つきます。よく誰かに話せば楽になるよ、なんて言われますがじゃあ実際に話すのか、となるとやはりそれは別問題。人に簡単に背負ってもらえるほど単純な話じゃないかもしれないし、そもそも傷ついた、なんて概念も人それぞれで、自分にとっては大問題でも他人にとっては大したことではないように思えることもある。だからこそこの「包帯クラブ」のその人の背景を聞かず、ただ包帯を巻くという行為を続けることがいいなあ、と感じるようになりました。
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天童さんの作品は、心が元気じゃないと読むのがしんどい・・けど、返却期限が迫っている!ので、恐る恐る読んでみた・・・ら、あっという間に読め てしまってビックリ。 やっぱり”生きにくい”と感じている高校生を主人公にした物語。 ところどころに入る、そんな多感な時期を傷つきながら...
天童さんの作品は、心が元気じゃないと読むのがしんどい・・けど、返却期限が迫っている!ので、恐る恐る読んでみた・・・ら、あっという間に読め てしまってビックリ。 やっぱり”生きにくい”と感じている高校生を主人公にした物語。 ところどころに入る、そんな多感な時期を傷つきながら生き抜いた、成人したであろう高校生たちの報告に、救われたのかも。 今までの人生をいたく能天気に生きてきた私には、未知の世界で繰り広げられるストーリー展開だったけれど、もしかしたら「包帯を巻いて欲しい傷」も、気付かないフリをして生きてきたのかも。大抵の人はそうして生きているのかな。
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思春期の小説。 色んなものを失うたびに感じる軽い痛み。原因のわからない閉塞感。大人になることに対する恐怖感。何もできないけれど、知ることが大事なんだと信じる気持ち。 そんな思春期の自分の感情を、一つ一つ思い出しながら読み進めた。 同時に、思春期の頃から変わったことなんて、本当は...
思春期の小説。 色んなものを失うたびに感じる軽い痛み。原因のわからない閉塞感。大人になることに対する恐怖感。何もできないけれど、知ることが大事なんだと信じる気持ち。 そんな思春期の自分の感情を、一つ一つ思い出しながら読み進めた。 同時に、思春期の頃から変わったことなんて、本当は殆どないんだと気づいた。少なくとも私は、傷ついた分だけ強くはなったけれど、やっぱり今も同じ不安や希望を抱えて生きている。 それが、本書の「近況」で表現されることなんだろう。みんな強くなって、不安を抱えたまま笑えるようになっている。 正直、私には、本書自体がすごく良い小説だとは感じられなかった。あだ名も方言も違和感があって、話の腰を折る。 ただ、自分の思春期を思い出す媒介としては非常に有効な一冊だった。 心の奥から喜怒哀楽が引っ張りだされて、息苦しくて懐かしくて悲しくなります。
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自分が過去に負った傷や悲しみを認めてあげようっていうお話。 自分の中で本当は辛かったけど目をつぶってやり過ごしてきて蓄積してきたことを消化していかなきゃいけないんだなって思った。 この本の何が響くかって、不確定な加害者意識にとらわれる準主人公の存在だ。加害妄想に何度も何度もと...
自分が過去に負った傷や悲しみを認めてあげようっていうお話。 自分の中で本当は辛かったけど目をつぶってやり過ごしてきて蓄積してきたことを消化していかなきゃいけないんだなって思った。 この本の何が響くかって、不確定な加害者意識にとらわれる準主人公の存在だ。加害妄想に何度も何度もとらわれてしまうぼくはその気持がとってもとってもわかるのだ。全部自分のせいにして、自分が背負って、その代わりに自分を苦しめてしまいたい気持ち。 ある意味で、自意識過剰なのかもしれない。身勝手な気持ちなのかもしれない。客観的に彼をみることで、そんなことも思わされた。
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気に入った。 他人の痛みに共感しようとする姿勢は、とても心地よく、温かく感じる。 他人の傷、その痛みを完全に理解はできないし、それが何になる?という問いは必ずあるのだけれど、まずは寄り添うことから全てが始まる、そんな気がする。
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昨年秋に 石原さとみ主演の映画になった作品です。 関東の外れに住む高校生たちが、自分たちが心に傷を負った”場所”に包帯を巻くことで、自分たちの大切なものを守ろうとした・・・ という書き出しで始まる。 実際には 苦い思い出に包帯を巻くことで、その思い出から逃げ出そうとしている、現代...
昨年秋に 石原さとみ主演の映画になった作品です。 関東の外れに住む高校生たちが、自分たちが心に傷を負った”場所”に包帯を巻くことで、自分たちの大切なものを守ろうとした・・・ という書き出しで始まる。 実際には 苦い思い出に包帯を巻くことで、その思い出から逃げ出そうとしている、現代社会のか弱い若者の心情を書き綴っているようで、なんとなく流して読んでしまった。 ただ、ディノと名乗る少年の、 給食のヤカンに泥水を入れて、きれいな水すら得ることのできない子供たちを体験したり 生ゴミをポケットに入れて登校して、ゴミの中で生きる子供たちのことを感じたり 爆竹を体に巻きつけて毎日 爆弾の降る紛争の街に暮らす子供たちを疑似体験したり という不可解な行動で、他人の痛みを知りたい、ただ知りたいという行為だということに対しては、社会(世界)の問題をそんな風に自分のこととして感じることができるんだという奇妙な感慨にとらわれた。
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