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包帯クラブ の商品レビュー

3.5

236件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    71

  3. 3つ

    87

  4. 2つ

    20

  5. 1つ

    8

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2019/06/18

心に傷を負った少年少女が、仲間とともに傷つけられた場所に包帯を巻くことで、傷を癒す「包帯クラブ」の物語です。 主人公で、ワラというあだ名の高校生・笑美子が、病院でディノと名乗る少年に出会うところから物語がはじまります。病院の屋上のベンチに包帯を巻いて、「これでええ、血が止まった...

心に傷を負った少年少女が、仲間とともに傷つけられた場所に包帯を巻くことで、傷を癒す「包帯クラブ」の物語です。 主人公で、ワラというあだ名の高校生・笑美子が、病院でディノと名乗る少年に出会うところから物語がはじまります。病院の屋上のベンチに包帯を巻いて、「これでええ、血が止まった」というディノのことばによって、ワラはとつぜん風景が変わったように感じます。 ワラは親友のタンシオこと丹沢志緒美や、彼女の知り合いのギノこと柳元紳一らと「包帯クラブ」をつくり、ディノと名乗った少年・井出野辰耶や、進路の違いが原因で仲たがいしてしまった中学時代の親友のリスキとテンポに、「包帯クラブ」の輪を広げていこうとします。 テンポが行方不明になるクライマックスに、ディノが過去に負った心の傷が明らかになる場面がクロス・オーバーするようなストーリー構成をねらったのだと思われますが、どちらもやや盛りあがりが中途半端だと感じてしまいました。十代のころのまだみずみずしかった感性には、本作の内容に揺さぶられるところあったのかもしれないという気がするのですが、もう若くはないということなのでしょうか。

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2018/12/23

ワラたちが始めたのは、心の傷が生まれたところに包帯を巻く「包帯クラブ」。傷を傷として認め、そこに誰かが包帯=癒しを与えてくれることで、救われる人もいる。後年、どうやらそれは世界規模の活動に発展しているらしい。

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2018/10/31

重い。ひたすら重い。今の日本社会全体に漂う閉塞感を小説世界に再現している。どこに行っても逃げ場の無い感じ。読んでいてつらくなる人も多いのではなかろうか。文中のメールで未来の彼らについて語っている部分が唯一の救いと思える。それでも一番破天荒な登場人物は結局海外で活躍している訳だが・...

重い。ひたすら重い。今の日本社会全体に漂う閉塞感を小説世界に再現している。どこに行っても逃げ場の無い感じ。読んでいてつらくなる人も多いのではなかろうか。文中のメールで未来の彼らについて語っている部分が唯一の救いと思える。それでも一番破天荒な登場人物は結局海外で活躍している訳だが・・・

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2018/10/13

高二の笑美子が仲間内で各地の方言を使い合う一体感に始まり、傷付いたことを目に見える形にして手当てをする、傷付いた場所である街中に実際に巻く包帯が、新しい癒しとして想像しただけで染み入る。繊細で力強い。戦争被害に遭う子の気持ちを一億分の一でも感じ取ろうと爆竹を自身に使うディノの自傷...

高二の笑美子が仲間内で各地の方言を使い合う一体感に始まり、傷付いたことを目に見える形にして手当てをする、傷付いた場所である街中に実際に巻く包帯が、新しい癒しとして想像しただけで染み入る。繊細で力強い。戦争被害に遭う子の気持ちを一億分の一でも感じ取ろうと爆竹を自身に使うディノの自傷が激しすぎてつらい。

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2018/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

誰でも、生きている中で「傷ついた」経験を持っていると思います。はたから見れば大したことが無いものであったとしても、本人にとってはとても大きな影響を与えていることもありますし、「他人を思いやっている自分」という立場を自覚したことで自身のおごりに気づいたということもあるかもしれません。 主人公の「ワラ」は女子高生。中学までの友人とは進学する高校がちがったことで少しずつ疎遠になり、両親は離婚し、彼氏とも別れ、「生きている意味」を見失っていました。 ひょんなきっかけから出会った「ディノ」と呼ばれる青年との会話から、「自分が傷ついた場所に包帯を巻いて治療する」とう行動をとることになります。 次第にメンバーも増え、他人の「傷」と自分の「傷」を認め合いながら成長してゆく物語です。 世の中には思い通りにいくことは少ないし、子どものうちではなおさら周囲の力に(善意であれ悪意であれ)振り回されることも多いです。その中で、自分を見つめながら生活することを通して次第に周囲にも目を向けていけるようになる「ワラ」の成長は、これからの生活で悩み、傷つくであろう中学生・高校生を勇気づけることができるのではないかと思います。

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2018/04/02

高校生の男女が、心の傷に包帯を巻くことを考え、悩んでいたりする人たちの傷を受けた場所に行き、包帯を巻いていく。 仲間とのやり取りを見ていて、学生時代の人間関係や人との繋がりの大切さをあらためて感じた気がする。 2018.4.2

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2017/05/03

前々から読みたいなと思っていた本。最初の感想は「中2病か」。 女子高生の主人公、他人が傷付いた場所に包帯を巻くことでその人の傷を少しでも癒そうと「包帯クラブ」を立ち上げる。新しい友人、中学からの友人。成長と共に変化していく人間関係を描く。 子供らにも読んで欲しいと思う。主人公...

前々から読みたいなと思っていた本。最初の感想は「中2病か」。 女子高生の主人公、他人が傷付いた場所に包帯を巻くことでその人の傷を少しでも癒そうと「包帯クラブ」を立ち上げる。新しい友人、中学からの友人。成長と共に変化していく人間関係を描く。 子供らにも読んで欲しいと思う。主人公の熱い思いに共感。なんかこういった「想い」はいくつになっても大切にしたいと思うし、一時的に社会からはじき出されても、この思いがあれば、長い人生楽しく暖かく生きていけると思う。

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2016/11/21

傷ついた心に寄り添ってまかれる包帯。 てっきり探偵ものかと思っていたのに 心が知らず知らずに温かくなるそんな優しいお話でした。 2時間かかららずに一気読み。 みんなのその後のアウトラインが微妙にぼかされていたり妙に現実味を帯びていたりと 加減がよかったりも。 読後感も爽やかでした...

傷ついた心に寄り添ってまかれる包帯。 てっきり探偵ものかと思っていたのに 心が知らず知らずに温かくなるそんな優しいお話でした。 2時間かかららずに一気読み。 みんなのその後のアウトラインが微妙にぼかされていたり妙に現実味を帯びていたりと 加減がよかったりも。 読後感も爽やかでした。 永遠の仔 の作者さんだったとは。やはり心に斬り込んで来る様が鋭い。

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2016/07/02

色々な意味で完璧な作品ではない。しかし、若者の苦しみ、哀しさ、焦り、自我の危うさが「眼」で見るように感じられた。掬い取られていた。外と心がつながっている感じが。

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2015/04/12

久々の天童荒太作品。 青春の一ページやねぇと思う作品。 目に見えない心の傷を持っていない人はいないし、その傷を表に出さないひとがほとんどだしね。 ラストにクスリと笑える天童作品は珍しい(笑)

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