ボトルネック の商品レビュー
「誘われるように」別の世界につれていかれた主人公。 その世界では、違う点がひとつある・・それは自身の存在だ。 性別も性格も違う自分が存在する世界は、別の自分が及ぼした影響によって周辺の環境も微妙に違ってきている。 その「違い」の原因に主人公が気づいたとき・・読者も愕然とするだろ...
「誘われるように」別の世界につれていかれた主人公。 その世界では、違う点がひとつある・・それは自身の存在だ。 性別も性格も違う自分が存在する世界は、別の自分が及ぼした影響によって周辺の環境も微妙に違ってきている。 その「違い」の原因に主人公が気づいたとき・・読者も愕然とするだろう。
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もし自分が生まれていなかったら、それをテーマに話しが進みます。 この本のおもしろいところは、ストーリーのラストが明確に書かれておらず、その後の主人公の未来を自分で想像できるところです。 読んだ人同士で意見の交換も出来るともっといいかも。 【熊本学園大学:P.N.和菓子】
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読み終わった後に本の題名の意味がわかる。 最近ダメな人間が主人公の小説が増えてきたようだ。 元の世界に戻ったリョウはどのように生きていくのだろうか? これは呪い・罰なのだろうか? 私は生まれ変わるチャンスだと思いたい。 永遠にちっぽけな自分でも、好む好まざる関係なく 周りに影響を与えていくのだから。
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最後の解釈がゆだねられている。 結局、彼はどっちをとったのか。というね。 作者の小説で一番苦しくなる話。 インシテミルより読後感は悪いよ! ただ、ここまで容赦なく切り裂いて抉ってくる、この物語がすごい。
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家庭が崩壊し、恋人を事故で失った主人公が、「自分の産まれなかった世界」に飛ばされるお話。 とにかく憂鬱な内容で、ひたすら主人公の価値が否定されていく展開には気が滅入ります。タイトルの意味合いもかなり残酷です。 「こちら側の世界」と「そちら側の世界」の違いの原因が一つずつ証明されて...
家庭が崩壊し、恋人を事故で失った主人公が、「自分の産まれなかった世界」に飛ばされるお話。 とにかく憂鬱な内容で、ひたすら主人公の価値が否定されていく展開には気が滅入ります。タイトルの意味合いもかなり残酷です。 「こちら側の世界」と「そちら側の世界」の違いの原因が一つずつ証明されていくのは、平行世界なんだから色々違って当たり前だし、深く考える必要もない、と思っていたので面白かったです。想像力って大事ですね。
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米澤さんの8作目にあたる作品で、これまでのミステリ路線とは一風変わったSFタッチのミステリ。学生時代から温めてきたアイデアを満を持して作品化したというのだけれど、個人的には今一つ。全体にトーンが暗いのは、主人公のキャラクタ設定のせいかもしれないが、冬の北陸という舞台の設定ゆえでは...
米澤さんの8作目にあたる作品で、これまでのミステリ路線とは一風変わったSFタッチのミステリ。学生時代から温めてきたアイデアを満を持して作品化したというのだけれど、個人的には今一つ。全体にトーンが暗いのは、主人公のキャラクタ設定のせいかもしれないが、冬の北陸という舞台の設定ゆえではないだろうか。こじつけ気味と思えるタイトルも、それがキー・ファクターだと言われればそうかと思える内容。とはいえ、米澤さんらしいキレのある作品とは言いかねる出来。ただ、この文庫版の解説(村上貴史さん)は懇切丁寧。これまでの米澤作品をすべて網羅し、作品の刊行順に添えられた解説は実に分かりやすいので読む価値あり。
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恋人の諏訪ノゾミを弔うために東尋坊を訪れた嵯峨野リョウは, 自分の代わりに姉サキが生まれていた別の世界に飛ばされる。 そこでは諏訪ノゾミは生きていた。 設定が不自然なので,最初はあきれたが, 読み進むうちに気にならなくなる。 でも結末はすっきりしない。
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★2.5って感じですかね。 時空スリップ物になるんでしょうか? 自分が生まれなかった世界です。 読みやすかったけど特に可もなく不可もなくかな。 ラストのすっきり感がなかったのでちょっとやるせない感じ。
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う~ん。何と言っていいのだろう。読み終えた後モヤモヤする。言いたいことがわかるような、わからないような・・。
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なんと書けばいいのだろうか。普段はレビューを書かないが、これだけは何かを書きたい気がする。 何が面白いのか? 面白い部分は何もないといってもいい小説。残酷で、陰鬱だが、ストーリーの進みは清々しいまでに一括しており、回り道が無い。これは作者が、何を書きたくてどのようにラストまで持っていくのか、熟考しつくしたからだろう。つまり、文章に迷いが無いのだ。それ故に無機質で、だからこそ引っかかることなくスラスラ読める。 他の作品とは違い、徹底的にキャラクターを甘えさせない姿勢。目の前にあるのは現実という壁か、崖かの二択のみ。 最高の後味の悪さと同時に、只管に人生、とりわけ「生きる意味」に関して考えさせられる。 この作品に「エンタテイメント性の面白さ」を求めてはいけないだろう。寧ろジョブナイルに近く、限りなく私小説に等しい。 人生の在り方に悩む10代と、これからの人生に悩む20代の初めに、ぜひとも読んでほしい作品。
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