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ノルウェイの森(下) の商品レビュー

3.9

183件のお客様レビュー

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2010/08/29

ブックオフに言ったらこの二冊がなんと100円で売っていたのでさっそく買って読んでみましたよ! うーん、と唸らざるを得ない小説でしたね。いろいろな意味で。 はい。では感想。 最近のニュース記事か何かで、村上春樹はノルウェイの森が売れすぎた事をあまり快く思っていないというのを読んだ...

ブックオフに言ったらこの二冊がなんと100円で売っていたのでさっそく買って読んでみましたよ! うーん、と唸らざるを得ない小説でしたね。いろいろな意味で。 はい。では感想。 最近のニュース記事か何かで、村上春樹はノルウェイの森が売れすぎた事をあまり快く思っていないというのを読んだ。彼のラインとは違かったのにーとかなんとか。 私はこれまで、彼のデビュー作と海辺のカフカと1Q84しか読んだことがないけれど、確かにその3作品とは違う色を持っていた。 悪い意味ではなくって他のに比べてエンターテイメント性に欠けていた気がする。 「死」を一本の糸として、たぐり寄せたり絡まったりしながら進んでいくストーリー。 生と死についての考えには共感できる部分がわりとあった。 死は生の延長線上にあって、決してその境目で切れたり、バラバラになったりはしていない。 死の世界は今いるところと全く別の世界のではないのかもしれない。 それでもやっぱり哀しいことだ。 哀しいことには変わりないんだけれど、死という悲劇が、例外なしに平等にやってくることをみんな承知で生きている。 そう考えると、あくせく生きている私たちって実は超すごいんじゃないか?と思うし、 そんなの別にすごくないさとも思う。 もっと突っ込んでレビューしたかったんだけど、おそらくあと3回くらい読まないとこの作品の深みは分からないと思う。 なぜならひとりの女性として、気に入らない部分が沢山あるからだ! これまで読んだ村上作品と同様に、親切な夢遊病のお姉さんか夢遊病じゃないお姉さんが出てきて、「僕」の性欲の処理をしてくれる。 レズビアンが出てくる。 自殺者続出。 しかも主人公はヤリチン。 「露骨な性描写は恣意的なものだ」「いろんな女とやっちゃうのも、人間の淋しさなんだ」と自分に言い聞かせたけど、どうしても「ワタナベ君はなんてチャラ男なんだ!!クズじゃね?」という結論にいたってしまう(笑) 高い壁があって、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私はフェミニスト側に立つわ!笑 物語の中で「セックス」がある形而上学的な対象としてあるにしても、不快感が残った。 主人公のワタナベ君は知的でミステリアスで清潔そうで、魅力的ではあるけれど、傲慢すぎる。身勝手すぎる。 永沢さんが忠告していったように(彼は未来に向けてではなく現在のワタナベ君に向けて言ったのではないかと推測)、自分に同情する人間は下劣。 ワタナベ君は、性に関していかにも興味が無さそうに、仕方ない衝動だと割り切っているようにみせて、結局は自分への同情から他の女の子とやりまくってたのでは?と思う。 愛している人が他の女と遊んだり、セックスしたりするのを許すことは愛なんかじゃない。 いくら感情抜きだったとしても。 そういう風に考えている私が、唯一人間的な人物だと思えたのは最後の方の永沢さんの彼女ハツミさんかなあ。 他の面々が、一般的に浮気に分類される行動や嫉妬しても良い様な状況に関して寛容だったのは、彼らが「歪んでいる」ということを表していたのかもしれないけれど。 ひどい言い方をすれば、優柔不断で性欲に振り回されるモラトリアム男子が、非常に文学的に弁護される小説。 しかしこんな風に批判しても多分また読んでしまうと思う(笑) はっきり言って今まで読んだ春樹作品、翻訳本はみんな多かれ少なかれ癇に障った。 それでも手にとってしまうのはあとがきに書いてあった願い通り、村上春樹の小説は、彼に対する好き嫌いなど凌駕してしまう魅力があるからだろう。とかゆーて。

Posted byブクログ

2010/08/22

大学生のときに読んだものを、30歳手前の今、改めて読んでみた。年代によって、文章から感じるものが違うんだな。素晴らしい作品。なんの障害も無く、妻と愛しあってることを幸せに思う。

Posted byブクログ

2010/06/30

本当にあったこと(又はそれに近い)なのか…と思わせる小説。 生と死、生に対しての死というものを考えさせられる。 映画化されるとのことだが、R指定になる?

Posted byブクログ

2010/12/21

 このところずっと、何もする気になれず、四六時中みぞおちのあたりに悲しさの塊とか重く固い閊えとかがあって息苦しくて大きな深呼吸ばかりしている。そして、もうどうしようもなくなると精神安定剤を飲んで、少し元気な時は村上春樹を読み返している。  十何年振りにノルウェイの森を読み返した...

 このところずっと、何もする気になれず、四六時中みぞおちのあたりに悲しさの塊とか重く固い閊えとかがあって息苦しくて大きな深呼吸ばかりしている。そして、もうどうしようもなくなると精神安定剤を飲んで、少し元気な時は村上春樹を読み返している。  十何年振りにノルウェイの森を読み返した。  刊行されたのは1987年。  最初に読んだ時、私は大切なものも失っていなかったし、とにかくまだ幼かった。毎日死ぬことしか考えていなかったからこの小説に憧れていた。    最後に読んだのはたしか大学生の頃で、その時でさえやっぱり私はまだ幼くて、壊れかけてはいたけれどそれはある種の若さゆえのもので、この小説はまだ憧れの範疇にあった。  でも今の私は本当に欠けて損なわれてしまったし、社会でうまくやっていけないこともはっきりと分かってしまったし、この小説は憧れでもなんでもなくなってしまった。  どの登場人物にも共感できなかったし、どれも嘘くさくて作り物に感じた。それにあまりにエロティックな内容が多くて驚いた。  もちろん22年経った今でも古く感じないし、一文一文がじわしわと心を侵蝕してみぞおちにある塊は増々大きくなって悲しくなったし、年をとったおかげで分かること(たとえば自分の一部であったキズキ君を失って死ぬ以外に道がなくなってしまった直子の気持ちとか、その直子を失って別の生きている人を愛して生き続ける主人公の気持ちとか)もあったけど、全体的に何となく生においても死においても軽い感じがした。  今の村上春樹氏が同じような恋愛小説を書いたら、登場人物たちはもっと強く真摯に生を踏ん張っただろうし、もっと切実で意味のある死を選ぶはず。  そして非現実的なことやファンタジーな世界を織り交ぜることで、より深い複雑な感情と重みのある生と死を生み出すだろうと思う。  思っていたより何も感じなかったけど、やっぱり村上春樹氏は誰でも感じたり考えたりすることを的確な言葉で分かりやすく文章にするのが本当にうまいと思った。

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2010/05/26

2010/05/20読了 ハマるというよりは著書の中に出てくる井戸の中へ沈み込んでいくような感覚。人々の心情が丁寧に描かれていて、ワタナベ君が大人になったと悟るところが心に残った。年を重ねてからもう一度読み直したい。

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2010/05/25

想像していた村上春樹よりも、すごくリアリズムな小説だった。 また時間を置いてから読み返してみたいな。

Posted byブクログ

2010/05/22

上下巻の全2巻。この本がまだベストセラーになる前に本屋でふと見かけてどうしても気になって購入しました。当時は村上春樹氏の名前さえ知りませんでした。ほとんど「吸い寄せられるように」買ったと言っても大袈裟ではありません。最初に読んだ時からこの本の世界にどっぷりはまってしまって一気に読...

上下巻の全2巻。この本がまだベストセラーになる前に本屋でふと見かけてどうしても気になって購入しました。当時は村上春樹氏の名前さえ知りませんでした。ほとんど「吸い寄せられるように」買ったと言っても大袈裟ではありません。最初に読んだ時からこの本の世界にどっぷりはまってしまって一気に読了したことを覚えています。それ以来、何度となく読み返していますがいまだに自分の中で完全に消化できていません。最近はあまりフィクションを読むことがなく、読む本のほとんどがノンフィクションなのですが、今でもふとした時に拾い読みをします。本当に奥の深い一冊です。

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2010/05/07

村上春樹に触れてみたい方にまずはこの本!生と死を交差させた恋愛描写には彼独特の世界観が広がります。世に出て20年余り経つ作品ですが、今読んでも新鮮さを感じるのでは。今冬映画化予定。村上春樹の多彩な比喩表現を存分に味わってみてください。

Posted byブクログ

2012/05/17

読まず嫌いが功を奏して、 というか、 主人公たちと同じはたちに、 しかもまさに四月に読めて ほんとにほんとによかった。 四月の孤独な夜に。 恋愛ものでもすらすら読めたのは みんな少し弱くて似てるから、あたしも。 淡々としてても飽き飽きしないのは 口を揃えてみんなが言う文体が美し...

読まず嫌いが功を奏して、 というか、 主人公たちと同じはたちに、 しかもまさに四月に読めて ほんとにほんとによかった。 四月の孤独な夜に。 恋愛ものでもすらすら読めたのは みんな少し弱くて似てるから、あたしも。 淡々としてても飽き飽きしないのは 口を揃えてみんなが言う文体が美しいから。 俺はもう二十歳になったんだよ。 そして俺は生きつづけるための 代償をきちっと払わなきゃならないんだよ。 ずしっときた。 あたしに払うことができるんだろうか。 こんな重すぎる代償を。 何ともいえない本でした。 言葉にすると価値が失われそうな位。 緑を大切にしてってとにかく思う。 緑に救われたように、あたしもいつか 救われる日がくるのかな。 信じられない、そんなの。 いつまで、誰のためにあたしは 代償を払いつづけるのだろう。

Posted byブクログ

2010/04/25

早稲田大学を「勉強しなくても入れる私立大学」って言い切る主人公… 正直ストーリーはなんとも言えない、ただ陰鬱な場面で確実にこっちの気分も鬱にしてくる文章力は流石

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