読書について 他二篇 の商品レビュー
ここで感想を書くこ…
ここで感想を書くこと自体が、本当はショーペンハウアーの考えと矛盾することかもしれない。しかしこの本の鋭い指摘は本当に素晴らしい。読んで損はない。
文庫OFF
襟を正さずにはいられ…
襟を正さずにはいられない。思索、著作と文体、読書について、の三篇。「多読は精神から弾力性をことごとく奪い去る」自分の頭でしっかり思索することの重要さ。「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである」情報にふりまわされがちな現代に。「著作と文体」では、文章を書く上で最も重要な指摘...
襟を正さずにはいられない。思索、著作と文体、読書について、の三篇。「多読は精神から弾力性をことごとく奪い去る」自分の頭でしっかり思索することの重要さ。「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである」情報にふりまわされがちな現代に。「著作と文体」では、文章を書く上で最も重要な指摘あり。良き読書人・物書き・思索家を目指すなら、何度も手に取るべき本と思った。
文庫OFF
読書をする上で注意す…
読書をする上で注意すべき事を鋭く指摘し批判した書。若いうちに、今すぐ読むことをオススメする。
文庫OFF
『読書について』と『…
『読書について』と『思索』は、非常にためになります。特に、自分のような『多読』人間には・・・。『思索にとって多読は毒である』と。なぜならば・・・。『多読するなら、古典にしろ』と。なぜならば・・・。興味ある方は、ぜひぜひお読みください。『読書するなら○けて○○読め!!』(P.138...
『読書について』と『思索』は、非常にためになります。特に、自分のような『多読』人間には・・・。『思索にとって多読は毒である』と。なぜならば・・・。『多読するなら、古典にしろ』と。なぜならば・・・。興味ある方は、ぜひぜひお読みください。『読書するなら○けて○○読め!!』(P.138)ショーペンハウエルの秘儀も載ってます。
文庫OFF
本書は、「思索」、「著作と文体」、「読書について」の3つの小篇で構成されており、これらはショーペンハウアーの主著「意志と表象としての世界」の『付録と補遺』に収められている作品である。 読み始めて数ページで、「読書は思索の代用品に過ぎない」、「読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他...
本書は、「思索」、「著作と文体」、「読書について」の3つの小篇で構成されており、これらはショーペンハウアーの主著「意志と表象としての世界」の『付録と補遺』に収められている作品である。 読み始めて数ページで、「読書は思索の代用品に過ぎない」、「読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである」といった痛烈なフレーズが登場するので、読書が日常生活の一部となっている人たち(当然、評者もその一人になるのだけれど)にとってあまり愉快ではない読書体験になるかもしれない。しかし、そうした内容であるにもかかわらず、歴史の風雪に耐えて、鋭く人々の心を捉えてきた本作品には、読書家の蒙を啓く確かな力がある。 特に「思索」では、自分の頭で考えることの重要性が幾度となく強調される。読書という行為は、書籍に落とし込まれた他者の思想をなぞることであり、ただただ本を読むことに専心しても、本人の知性・精神が花開くことはない。自ら脳に汗をかいて考え抜く行為を通して、その人の中に知識・思想体系が形作られるのだから、第一に優先するべきなのは思索することだ。ただし、自分の頭だけでそれを行い続けることには一定の限界があるから、考えるための材料が枯渇した時には読書をすればよい。このような視点で読書を捉えるショーペンハウアーは、決して読書自体を毛嫌いしているわけではなく、その正しいあり方を私たちに教えてくれている。 上記の指摘は読書を対象としているが、現代人にとってはより広い射程を有しているように評者には思われる。情報技術の発達を通して日々大量の情報に晒されるようになった私たちは、意識して時間を作らないと、摂取した情報を消化する暇と余裕がない。スマホを持てば、SNSやニュース、動画サイト、それらに付属する広告などが、持ち主の脳に絶え間なく流れ込み、ものを考える時間が失われる。その結果として、自らの言葉で自分の考えを語ることができず、誰かが言っていたことや通り一遍の一般論を右から左へと受け流すことしかできない人間が出来上がる。こうした情報過多による弊害を懸念したとき、ショーペンハウアーの読書に対する警句にはどこか通底するものが感じられるのではないだろうか。 彼は「読書について」では、人生には限りがあるのだから悪書を読む時間などなく、貴重な時間を費やすに値する良書のみを読むべきであると喝破したが、これは今の時代にあってなお輝きを増す箴言だと感じる。本書はその意味での”良書”に該当する、現代に生きる私たちにとっての必読書であるといえよう。
Posted by
私は、残された人生における限られた時間になるべく多くの本を読もうと思ってそれを実践してきたのだが、どうやらそれは間違いであった。どうもそうではないかと惧れていたのですが、やはり間違いであった。 ショウペンハウエルが言うように、読書とは他人にものを考えてもらうことであり、ほとん...
私は、残された人生における限られた時間になるべく多くの本を読もうと思ってそれを実践してきたのだが、どうやらそれは間違いであった。どうもそうではないかと惧れていたのですが、やはり間違いであった。 ショウペンハウエルが言うように、読書とは他人にものを考えてもらうことであり、ほとんど丸一日を読書に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失っていくからだ。読書は必要なのだが、それは自分で思索するためでなくてはならない。多読することが目的になってしまうと読んだものを反芻し、熟慮するまでに至らないことになる。また世の中には悪書が氾濫し、読者の金と時間と注意力を奪いとる。 TVやSNSに浸かっているより読書の方がマシであることは事実であるが、良書でなければ思考停止の程度はあまり変わらない。 「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。」 読書に関して書いた本は数多ありますが、この本を読んでとても良かったと思います。
Posted by
博覧強記の愛書家は、この人はこう言った、あの人はこういう意見だ、それに対して他の人がこう反論した、などと報告する。議論の余地ある問題に権威ある説を引用して、躍起になって性急に決着をつけようとする人々は、自分の理解力や洞察の代わりに、他人のものを動員できるとなると、心底よろこぶ。博...
博覧強記の愛書家は、この人はこう言った、あの人はこういう意見だ、それに対して他の人がこう反論した、などと報告する。議論の余地ある問題に権威ある説を引用して、躍起になって性急に決着をつけようとする人々は、自分の理解力や洞察の代わりに、他人のものを動員できるとなると、心底よろこぶ。博覧強記の愛書家は、なにもかも二番煎じで、複製品をまた複製したかのように、どんよりと色あせている。 ▼読書とは、自分で考える代わりに他のだれかにものを考えてもらうことである。紙上に書かれた思想は、砂上に残った歩行者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道は見えるが、歩行者がその途上で何を見たかを知るには自分の目を用いなければならない。▼熟慮を重ねることによってのみ、読まれたものは真に読者のものになる。食べ物は食べることによってではなく、消化によって我々を養うように。▼大切なのは普通の語で非凡なことを言うことである。▼無知は富と結びついて初めて人間の品位をおとす。アルトゥル・ショーペンハウアーSchopenhauer『読書について』1851
Posted by
匿名について、自分の発言を自分の名前で主張出来ない者が、ただ匿名の方法によるだけであらゆる責任を逃れたり金を稼いだりしている、それによって作品の不当な批評が起こっているとの指摘 匿名という形で言論を守らなければならない事例が一件あるとすれば、上の事例は百件ある 匿名で他人の作品...
匿名について、自分の発言を自分の名前で主張出来ない者が、ただ匿名の方法によるだけであらゆる責任を逃れたり金を稼いだりしている、それによって作品の不当な批評が起こっているとの指摘 匿名という形で言論を守らなければならない事例が一件あるとすれば、上の事例は百件ある 匿名で他人の作品を批判する人たちに向けて言葉を尽くして非難を浴びせてて笑った
Posted by
『思索』『著作と文体』『読書について』の三編からなる本。タイトルの『読書について』と『思索』が各々約20 頁程度。『著作と文体』が約100頁。この『著作と文体』にショーペンハウエルの感情が爆発してると言いますか…出版社や匿名批判への恨みや、ドイツ語が衰退していく事についての危機感...
『思索』『著作と文体』『読書について』の三編からなる本。タイトルの『読書について』と『思索』が各々約20 頁程度。『著作と文体』が約100頁。この『著作と文体』にショーペンハウエルの感情が爆発してると言いますか…出版社や匿名批判への恨みや、ドイツ語が衰退していく事についての危機感など、とても辛辣な言葉で語っており、時折笑ってしまうような部分もありました。それにしても、この本が150年以上前に書かれたとは驚きです。現在の日本の事ともいえるような事も多々ありました。やはり今の日本の教育で必要なのは外国語ではなく、母国語である日本語をしっかりと学び、日本語を守っていくことが大事だなとも感じました。 難しい言葉やカタカナ語、抽象的な言葉を使い、いかにも「自分は優秀~」とアピールはするが、一体何を言ってるのかサッパリわからない著名人の方に、是非この本を読んでもらいたいです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
3編からなる作品。哲学者ショウペンハウエルが真の本とそれ以外の悪書を一貫して対比させて描いている。悪書についてその原因を突き詰め、出回っていることを示している。良書には思索があり端的な言葉で明白に書かれている。悪書に時間と金を取られないよう何度も読者に注意を払っている。 また、ドイツ語という古典に起源を持つ言語の危機にも触れている。表現の厚さが失われているという点は日本語と似ており、曖昧な表現で済ませてしまうことが増えてきた。 著者が持っている危機感とは言語の重要性という意味もあるが、思想についてである。言語は人の思想を表現するものであるため言語が乏しくなることにより思想も乏しくなると考えている。 また、本の理解ついては具体例を考えることができるかが大事でそれができれば自分の中に落とし込めた証左としている。
Posted by