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の商品レビュー

4.2

188件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2017/02/17

ノンフィクション作家 鳥飼の語りから始まって、布美子の告白にの流れはすごくドキドキしたし、次へ次へと読み進めたくなる。 これまで誰にも話さなかった重大な秘密とは? 書くのをやめようと思ってしまうほどの重大な秘密とは? ちょっとそれが私の期待より弱かったかな… 現実にあったら確か...

ノンフィクション作家 鳥飼の語りから始まって、布美子の告白にの流れはすごくドキドキしたし、次へ次へと読み進めたくなる。 これまで誰にも話さなかった重大な秘密とは? 書くのをやめようと思ってしまうほどの重大な秘密とは? ちょっとそれが私の期待より弱かったかな… 現実にあったら確かにとんでもない悲劇なんだけど、 初出から20年くらい経過した今では、フィクションとしては少し慣れてしまったネタなのかも。 でもそこに至るまでの日々は、私が生きていない時代だからこそ、 人とか場所の空気とか匂いとか温度とか、そういうのをリアルに想像できて生々しい感じた。

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2016/09/24

「恋」というタイトル通り「愛」に達する前の成熟していないが官能的な部分を主人公をはじめとする登場人物が表現していると感じる作品でした。 片瀬夫妻と共にする時間の中で、彼等の全てに「恋」をした主人公の女性。結末はとても悲劇的でしたが、何があっても片瀬夫妻が大好きと言い切れる主人公が...

「恋」というタイトル通り「愛」に達する前の成熟していないが官能的な部分を主人公をはじめとする登場人物が表現していると感じる作品でした。 片瀬夫妻と共にする時間の中で、彼等の全てに「恋」をした主人公の女性。結末はとても悲劇的でしたが、何があっても片瀬夫妻が大好きと言い切れる主人公が死ぬまで「恋」を忘れなかったことに少し心が痛くなりました。「愛」ではなく「恋」のままだったことにも。 読み終わった時、主人公の心情を通して「恋はするのではなく落ちるもの」ということが本当なんだなと思いました。

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2016/08/24

タイトルが素晴らしい。 これこそ「恋」。 大久保の出現あたりから、ページを捲る手が止まらない。 モラルを無視して性に奔放な生き方をしていた雛子を聖女のように思い、大久保に出会って一途に一人の男を思い精神の繋がりを大事にした雛子を淫売も同然と考える。ゾクゾクした。 終章はせつ...

タイトルが素晴らしい。 これこそ「恋」。 大久保の出現あたりから、ページを捲る手が止まらない。 モラルを無視して性に奔放な生き方をしていた雛子を聖女のように思い、大久保に出会って一途に一人の男を思い精神の繋がりを大事にした雛子を淫売も同然と考える。ゾクゾクした。 終章はせつない。 なんとも言えない気持ちになった。 抜けるのに時間かかりそう。

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2016/08/05

星の数は3つにしてるけど、気持ち的には3.5くらいかな。 布美子、信太郎、雛子3人の狂気的、享楽的な恋が描かれているけれども、この中では一番平凡な布美子目線でストーリーが展開されるため、 一歩道を踏み外せば誰でもこの「ローズサロン」の世界に入り込んでしまう気持ち、とても共感できた...

星の数は3つにしてるけど、気持ち的には3.5くらいかな。 布美子、信太郎、雛子3人の狂気的、享楽的な恋が描かれているけれども、この中では一番平凡な布美子目線でストーリーが展開されるため、 一歩道を踏み外せば誰でもこの「ローズサロン」の世界に入り込んでしまう気持ち、とても共感できた。 ひと昔前の小説だが、久々に情景描写がしっかり書き込まれた小説を読んだ気がした。 物語の気温や匂いや色まで伝わってきた。 2016/08

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2016/02/18

シンプルなタイトルからは想像もできないくらい壮大な世界観だった。 ありきたりな恋の形ではなくてかなり異常なんだけれども、いやらしさを感じさせずきれいに描かれていた。 でもやっぱり衝撃的な内容。

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2016/01/01

はじめての小池本、もっと通俗的な感じかと思いきや内容は極めて純粋なものだった。布美子は本当に片瀬夫妻二人とも愛していたのだ。もっと伸太郎との絡みや鳥飼とのストーリーも読みたかったかな。

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2015/12/18

12年間積読状態だった本。 直木賞受賞作だと忘れていた。 ドキドキしながら一気読みした。 幼い布美子、過激な活動に走った幼い若者たち。 並走するように事件を起こしてしまう。 登場人物の誰にも共感できない。 布美子は稚すぎて愚か。共感はできないが応援してしまった。これから起こす事件...

12年間積読状態だった本。 直木賞受賞作だと忘れていた。 ドキドキしながら一気読みした。 幼い布美子、過激な活動に走った幼い若者たち。 並走するように事件を起こしてしまう。 登場人物の誰にも共感できない。 布美子は稚すぎて愚か。共感はできないが応援してしまった。これから起こす事件がわかっているだけにその愚かさにハラハラする。 終章に救われる思い。 勝也がどういう人間だったのかがはっきりしない点だけがモヤモヤする。

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2015/09/18

先が気になり 夢中になって読んだ。 題名の恋 とは程遠い。 重く深く歪んだ愛の話でした。 私は80年代生まれなので、学生運動や闘争などの時代背景がわからなかったから。当時の大学生の心理状態や環境があまり理解できなかった。 でも、情景描写がとてもうまいと思った。 布美子のアパ...

先が気になり 夢中になって読んだ。 題名の恋 とは程遠い。 重く深く歪んだ愛の話でした。 私は80年代生まれなので、学生運動や闘争などの時代背景がわからなかったから。当時の大学生の心理状態や環境があまり理解できなかった。 でも、情景描写がとてもうまいと思った。 布美子のアパート、軽井沢での描写がすごくイメージできた。 真相を知っても、やはり片瀬夫婦、布美子には共感できない。布美子が強い意志、自分をもっていたら…事件は起こらなかったんだろうな…と思いました。

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2016/05/30

久しぶりに読書に夢中になった。 布美子は精神的に幼すぎた。 彼らの世界をそのまま受け止めるには若すぎて、純粋すぎた。 大久保の言っている事が妙に私の考えと一致してしまった。私みたいなのを順応性があると言えば聞こえはいいが、道を外したらとんでもない方向へつき進んでしまう可能性がある...

久しぶりに読書に夢中になった。 布美子は精神的に幼すぎた。 彼らの世界をそのまま受け止めるには若すぎて、純粋すぎた。 大久保の言っている事が妙に私の考えと一致してしまった。私みたいなのを順応性があると言えば聞こえはいいが、道を外したらとんでもない方向へつき進んでしまう可能性がある。地獄の果てまで付いていく蠍座だから(笑)。だからこそ理性は失わずに真っ当に生きなければ。 片瀬夫婦は布美子のような幼稚な人間を仲間にしなければ真っ当ではなくてもかしこく生きていけたような気がする。 小池真理子さんの作品を読むのは恐らく初めてだけれど情景描写の豊かさに関心した。

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2016/09/23

誰もが落ちる恋には違いない。でもあれは、ほんとうの恋だった。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴った直木賞受賞作。

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