夜の蝉 の商品レビュー
1巻は作り込まれた登場人物の青春ミステリという形式が面白味だった 今回も同様の高い水準を維持しているが 今度はその作っているところがはなについた ミステリはつくるものだから良いが それを青春ものにそのまま拡張すると無理がある そこを強引にしかし絶妙技巧で接続するのが本作なので こ...
1巻は作り込まれた登場人物の青春ミステリという形式が面白味だった 今回も同様の高い水準を維持しているが 今度はその作っているところがはなについた ミステリはつくるものだから良いが それを青春ものにそのまま拡張すると無理がある そこを強引にしかし絶妙技巧で接続するのが本作なので これ以上どうしようもないか
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シリーズ2作目も面白かったです。 人間の複雑さを感じました。 主人公が小さく、恋愛についても考え始めるのが、時間の流れを感じさせます。 お姉さんも華やかな人、と思っていましたが複雑な人でした。 正ちゃんお幸せに。続きも楽しみです。
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北村薫の『私と円紫さんシリーズ』一作目の『空飛ぶ馬』をこの1月に再読したのをきっかけに、同シリーズ二作目の『夜の蝉』も手に取ることとなった。所収作品では、それぞれ駿河台(朧夜の底)、軽井沢(六月の花嫁)、新潟県弥彦(夜の&蝉)が主な舞台となり、主人公《私》の大学2年生の3...
北村薫の『私と円紫さんシリーズ』一作目の『空飛ぶ馬』をこの1月に再読したのをきっかけに、同シリーズ二作目の『夜の蝉』も手に取ることとなった。所収作品では、それぞれ駿河台(朧夜の底)、軽井沢(六月の花嫁)、新潟県弥彦(夜の&蝉)が主な舞台となり、主人公《私》の大学2年生の3月から3年生の8月頃までが描かれる。とりわけ表題作『夜の蝉』は秀逸であり、旅先で5歳差の姉妹が心情を露わにし、それぞれ姉であり妹であることを自覚し、互いの関係の絶対性を受け入れてゆく過程は感動的ですらある。推理小説としてのトリックと落語の落ちを絶妙に融合させる北村氏の技法が本作で益々冴えわたる(1990年刊行)。 人間が生きて行くってことは、いろんな立場を生きて行くってことだろう。拘わりとか、そういったことを理屈でなく感じる瞬間て必ず来るものだと思うよ。
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前作よりもミステリ、主人公の成長物語としての側面が深まり、面白く読むことができた。とりわけ表題作の姉と妹との関係や官能的表現は蠱惑的でさえあった。
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大学生の「私」にとってクラスメイトであり、親友でもある「正子」と「江美ちゃん」、そして美人で器用な「姉」の3人の人柄がさまざまな出来事とともに語られる。 正子がアルバイトをする本屋で、本の上下が逆になっていることを見つけた「私」は、落語家円紫さんに相談する。その際円紫さんから、正子が誕生日や星座を教えない理由を知らされる。 江美ちゃんに誘われてお嬢様の別荘の冬支度に出かけた「私」は、チェスのクイーンが消えた理由を探る。円紫さんから、江美ちゃんとクイーンの関係を教えてもらう。 姉と妹の関係は複雑である。あるとき姉は妹の存在をライバルから守護し愛する者へと認めた。妹はそんな姉の微妙な変化に気づかなかった。なぜなら姉はいつでも敬い慕う相手だったから。
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ほっこりしてはいるものの、今回は少しイヤミス。『夜の蝉』では、主人公のお姉さん自体、あまり好感度の高いキャラではないけれど、それを取り巻く職場の同僚達がそれぞれに人間の嫌な部分を少しずつちらつかせている。 『朧夜の底』では親友のしょうちゃん、『6月の花嫁』では同じく江美ちゃんが...
ほっこりしてはいるものの、今回は少しイヤミス。『夜の蝉』では、主人公のお姉さん自体、あまり好感度の高いキャラではないけれど、それを取り巻く職場の同僚達がそれぞれに人間の嫌な部分を少しずつちらつかせている。 『朧夜の底』では親友のしょうちゃん、『6月の花嫁』では同じく江美ちゃんがストーリーに深く関わっている。さばさばしたしょうちゃんもいいけれど、ぽっちゃり太めでおっとりしていて、お姫様のような江美ちゃんのキャラはなんともいいなぁと感じた。
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再読。3編の短編集。江美ちゃんの結婚には当時もとても驚いた気がする。うっすらと覚えていた。でも早い結婚も江美ちゃんらしい。今回のは円紫さんの推理というよりも、それ以外の話の方が重要というか。もはや推理小説と呼んでいいのか、という感じ。もう20年以上も前なので、時代は感じるけど、早々みんな恋愛が近くにあるわけじゃないよな。表題作のお姉さんの話も面白かった。姉妹というのはまた男兄弟と違うのかも。
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女の子の20歳って特別な気がする。少女と女性の狭間で漂う儚さがあると思う。あくまでも個人的な感想。 3者3様の恋物語。蝉の声が特にお気に入り。お姉様の神秘的な美しさ。ぜひお目にかかりたい。姉妹の心の距離感を詰めていく真夜中のやりとり。どきっとしちゃった。双方に負い目、嫉妬、劣等...
女の子の20歳って特別な気がする。少女と女性の狭間で漂う儚さがあると思う。あくまでも個人的な感想。 3者3様の恋物語。蝉の声が特にお気に入り。お姉様の神秘的な美しさ。ぜひお目にかかりたい。姉妹の心の距離感を詰めていく真夜中のやりとり。どきっとしちゃった。双方に負い目、嫉妬、劣等感があるものだし、似ている部分に苛立つ気持ちも含めて血が繋がった姉妹なんだろうな。 円紫師匠は今回裏方ですね。謎解きに活躍はするけど、ストーリーには絡み少ないね。
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女子大生と落語家円紫師匠コンビ第2弾。円紫師匠は安楽椅子探偵ですね。最終章の姉の恋人の二股相手の女性は性格悪すぎでしょ。そんな男は別れて正解。女子大生と姉の心の微妙な距離が解消されてよかった。
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ずいぶん前に読んだシリーズ。久しぶりに読みました。 古典や落語の話が出てくるのが楽しくて、あっという間に読み終えてしまいました。次の第3作も楽しみです。
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