not simple の商品レビュー

オノ・ナツメ(著者)

2011/08/20

画風はこんなに可愛いのにオノ・ナツメの漫画はカメラやカットが非常に映画的で、そのギャップの波がじわじわと揺さぶりかけてくる。
シンプルで個性的なタッチだけれど感情表現は驚くほど多彩で、人間を描いているという様がありありと伝わってくるところが好き。

オノ・ナツメ初心者には短編集から勧めたくなるけれど、先ず手にとってみてほしいのはこの『not simple』。

2011/07/27

一言で言うなら「不幸な男の不幸な人生を描いた」マンガ。映画で言うなら「嫌われ松子の一生」みたいな感じです。ただ、これは松子(主人公)の一人称でちゃんと少年からずっとその人生を進みます、語り部は居ません。
「嫌われ〜」もそうなのですが、この作品の好きなところは、主人公の人生を、作者のさじ加減で幸せだったか不幸だったか断言していないところです。
正直、読んでて辛くなる部分も在ります。
でも、主人公がそれをどう感じるか・・・登場人物の喜怒哀楽とそれを見る読者の喜怒哀楽をクールに切り離してくれている、大胆な作品になっていると思います。

絵は非常に個性的なので、好き嫌いははっきりしているかもしれません。
個人的には色気のある素敵な絵だと思います。＊別なペンネームで現役のBL(ゲイマンガ)作家さんです。

2011/07/02

最初から最後まで救われない・・・。
なんで、なんで・・・？
あんなに純粋でいい子なのに・・・。

最後まで読んだらまた最初から読み直したくなる。
そうするとまた違うように読める気がする。

2011/06/27

普段は少女マンガしか読まないので初めは絵のタッチに戸惑いました。読み進めるうちにそれは慣れましたが、ストーリーにあまり感情移入できず、ラストにもそこまで感動せず・・・。ブクログでもアマゾンでも評価が高いので自分冷たい人間なのかと焦りました。いつか別のタイミングで読めば、また違った捉え方、感じ方ができるのかなぁ？

2011/06/07

衝撃、衝撃、衝撃

まさにタイトル　not simple

私は生きている中で、なんとなくレールが見える時があります

そのレールが煩わしい時もあるけれど、
なんだか見方が変わった気がする

単純じゃない
上手く言葉にならないです

とても印象深い本でした

2011/02/26

読後感、良くない。毒があって、ページを繰る指から染みてくる感じ。
この絵でなければ、ただ辛いだけの一冊になってたと思う。

2011/02/24

主人公ふたりに感情移入できて、とても複雑な気持ちになる。
何があっても自分と自分の目標や希望を捨てないイアンがせつない。彼をずっと見ているジムの生き方やイアンに対する接し方も、色々考えさせられる。
読後感が何とも言えない。

2011/02/02

重い（ ; ; ）オノさんのほのぼのしてる話がすきなので、何度も読んじゃう感じにはならないと思う。
でも、凄く響く言葉とかがたくさんあったし、最後まで救いがない私の好きなパターンではあった。
色んな要素が入り組んでた。

イアンはただずーっと信じて、愛されたいとだけおもって歩き続けてるのに、誰も彼を見てあげない。
ずっと子どものまま、無垢のままのイアンが本当痛々しかった。

なんか嫌われ松子みたいだなと思った。

2010/12/30

涙が堪えられない作品。ループせざるを得ない。／「でも、本当に感じたいのは、もっと近くにいる人たちからのぬくもりなのに。」

2010/12/14

楽しい気分になりたい人にはおすすめしません。

キャラクターも背景もごく単純な線のみで描かれていて、とても可愛らしいのにストーリーは重く、暗い。

「家族だから、そばにいたい」

誰もが当たり前に持っている幸せをひたすらに求め、各地を歩き続ける青年イアンと、それを静かに見守る男ジム。
彼らを翻弄する痛々しくも切ない運命が、イアンの心を大きく揺るがしてゆく。

ひたむきなイアンの「ぬくもり」を訴える台詞に鳥肌。
落ち着いた場所でゆっくりと読むことをお奨めします。

当たり前に、すぐそこにある現実が尊く感じられることでしょう。