レキシントンの幽霊 の商品レビュー
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どの話を読んでも、出てくる人々の孤独について書かれているような気がした。 友人や家族がいないとか、そういった物理的な孤独だけではなく、彼らの"気持ちとしての孤独"も感じる。 元々独りだった人が誰かと出会い、その後また独りになる、そういったかたちが多い。 また、村上春樹作品には女性を主人公とした話は殆どないと思う…そう考えると緑色の獣と氷男は話の内容もそうだが、ちょっと異色ではないか。 いい意味で、村上春樹らしくないと言うか。 沈黙は読んでいて、ちょっと腹が立った。 ああいうタイプって、いるよね。
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「氷男」がすきです。簡単にいえば救われない話といえそうですが、悲観的になりすぎないところが春樹作品はすきだとおもいます。「沈黙」、自分もそうやってやり場のない感情を消化したい。「七番目の男」は夢中で一気に読んでしまいました。
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「孤独」について書かれた物語達だと思った。 良い意味で村上春樹氏らしくない話が多かった。 中でも『緑色の獣』は異色で奇妙な話だったので、少し驚いた。 『7番目の男』が1番好きだ。恐怖は確かにそこにあるが、その恐怖から目を背けることが1番怖いこと。人が抱えているトラウマは案外...
「孤独」について書かれた物語達だと思った。 良い意味で村上春樹氏らしくない話が多かった。 中でも『緑色の獣』は異色で奇妙な話だったので、少し驚いた。 『7番目の男』が1番好きだ。恐怖は確かにそこにあるが、その恐怖から目を背けることが1番怖いこと。人が抱えているトラウマは案外そういうつくりなのかもしれない。
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「めくらやなぎと、眠る女」を読んで、小川洋子はきっと村上春樹の影響を受けているんだなと思った。 「七番目の男」は高校の教科書に載っていたので懐かしかった。 「氷男」が好きだった。
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8編の短編集。誰もが心に染みる作品だった。その中でも、「沈黙」が印象深かった。自分の意見が無くて他人の意見に踊らされて行動する。アンケートなどで「どちらでも言えない」を選択する人。いつも安全側にいて、自分が誰かを無意味に傷つけているなんて思い当たりもしない。自分たちの行動がどんな結果をもたらそうと、何の責任も取ろうとしない人々。村上春樹は、そうした生き方をしている人を怒っている。と僕は感じた。僕だって同じ意見だ。
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再読だけど、ほとんど内容忘れてて新鮮に読めたわ。 さすがに”レキシントンの幽霊”は途中で思い出したけど。 ちょっと”シャイニング”のラストシーンを彷彿とさせる。 きっと昔、存在してた人たちのパーティーが実際、一階で行われていたんだろうね。こわっ。 ”沈黙”のボクシングをもくもくと長年トレーニングしていてたった一度ある男を殴ってしまった過去の話し。このストイックな男性が著者と重なる。この短編が一番ぐっときた。 ”めくらやなぎと、眠る女”の長編バージョンもあるとあったのでそちらも読んでみた。”めくらやなぎと眠る女” 長編を短編にする書き直すことが流行ってた時期があるらしい。(あとがきより) なら、その反対の短編を長編に書き直すのもしてほしい。 村上春樹作品に飢えている私としては。
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不思議な気持ちになる話が沢山。 何も感じる事のできない話もあったけど、最後の一つと、波の話と、トニーが好きでした。 南極は怖かった。あと沈黙?も印象的です。 孤独について考えさせられる話も多かったような気がします。 最後のはめぐりめぐってノルウェイの森にもつながる...
不思議な気持ちになる話が沢山。 何も感じる事のできない話もあったけど、最後の一つと、波の話と、トニーが好きでした。 南極は怖かった。あと沈黙?も印象的です。 孤独について考えさせられる話も多かったような気がします。 最後のはめぐりめぐってノルウェイの森にもつながるみたいなので、読んでみようかな。
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処分する前に読む母の村上本 その⑤ 1996年11月に出版された短編集 それぞれ異なる時期に書かれたものがまとめられている 村上春樹なりに「ひとつの気持ちの流れの反映」が感じられるものらしい 大きく分けて次のふたつの時期 『ダンス・ダンス・ダンス』『TVピープル』の後1990...
処分する前に読む母の村上本 その⑤ 1996年11月に出版された短編集 それぞれ異なる時期に書かれたものがまとめられている 村上春樹なりに「ひとつの気持ちの流れの反映」が感じられるものらしい 大きく分けて次のふたつの時期 『ダンス・ダンス・ダンス』『TVピープル』の後1990~91年 『ねじまき鳥クロニクル』の後1996年 そして1983年に書かれたものを10年後に手直ししたもの (めくらやなぎと、眠る女) 1995年の震災後に神戸と芦屋での朗読会にて読まれる この地域を念頭において書いたものらしい いつもは東京のなんとなく聞いたことのある地名が多いが 今回は地元の風景を思い描きながら少し身近に感じることができるかも と期待したがまったくそのようなことはなかった この作品は当時の短編集の「蛍」と対をなすもの 「ノルウェイの森」にまとまっていく系統のもの (ただしストーリー上の関連はない)だそうです
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短編集でそれぞれ読みやすくて面白かったけど村上春樹の作品は自分的には長編の方が好みかな。 「沈黙」が一番面白かった。こんな奴どこにでもいるよなぁって思った。
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短編集で、しかも非日常な設定の物語ばかりが収録されている。これがもう、どれも抜群に面白い。 村上春樹の小説は苦手なのだが、この本はとても私好みで、どの話もワクワクしたり共感したりと、夢中で読み進めることができた。 個人的には『氷男』がすごく好き。雪男ではなく氷男、という表現も好...
短編集で、しかも非日常な設定の物語ばかりが収録されている。これがもう、どれも抜群に面白い。 村上春樹の小説は苦手なのだが、この本はとても私好みで、どの話もワクワクしたり共感したりと、夢中で読み進めることができた。 個人的には『氷男』がすごく好き。雪男ではなく氷男、という表現も好ましいし、文章がぞくっとするくらい素晴らしいと思う。
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