レキシントンの幽霊 の商品レビュー
ただ「読む」だけではどれも抽象的な話の短編集。 読み終えてからネットで様々な人の考察を読むと、小説の楽しみ方、ハルキストの読解力の高さ、そして自分の想像力の浅さを痛感する。 村上春樹の作品は、登場人物の想像で繰り広げられるファンタジー、のような作品が多い気がする。だから親近感を...
ただ「読む」だけではどれも抽象的な話の短編集。 読み終えてからネットで様々な人の考察を読むと、小説の楽しみ方、ハルキストの読解力の高さ、そして自分の想像力の浅さを痛感する。 村上春樹の作品は、登場人物の想像で繰り広げられるファンタジー、のような作品が多い気がする。だから親近感を抱くことができるし、現実の世界に希望を抱ける。 短編集のような毎日を多角的に、想像力豊かに過ごしてみようと思った。何かが変わるわけでなくとも。
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恐怖はたしかにそこにあります。・・・・・それは様々なかたちをとって現れ、ときとして私たちの存在を圧倒します。しかしなによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲り渡してしまうことになり...
恐怖はたしかにそこにあります。・・・・・それは様々なかたちをとって現れ、ときとして私たちの存在を圧倒します。しかしなによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲り渡してしまうことになります。私の場合にはそれは波でした やけにリアル トニー滝谷が個人的に一番村上春樹感を感じて好きだったな。上の波の話、7番目の男もリアルさとノスタルジーを感じて感情移入した。
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『レキシントンの幽霊』意味深な言葉にやられる、近しい人の死の後こんこんと眠り続け起きると心理がわかった的なところも。『緑色の獣』女のいない男にも通づるテーマかなと。『沈黙』とても引き込まれた、大沢さんの正直さや語りに引き込まれた、ボクシングを気に入った理由のひとつは深みがあるから、深みを理解する行為、深みでは孤独、同級生との睨み合いで深みの存在を理解する、トラウマとともに。『氷男』巧みな比喩、氷的性質を持つものに精通しているが自身は透明、最期は主人公も氷男に侵されていくところがいい。『トニー滝谷』ネズミ三部作のような過程を過ぎて中年で孤独に気づく男の話、滝谷省三郎は沈黙で出てくる要領がいいだけの人間を思い浮かべられる、なんか昔話みたい、結局最後は孤独になりましためでたしめでたし。『七番目の男』独白会のようなものか、最後の文章が印象的で人は誰しも立ち向かう壁のようなものがあるのだと、それは恐怖であったり夢であったりもすると思う、Kくんが波の中でカプセルの中に入ってるように見えたことは非現実的だけどリアルなつまりシュルレアリスティックに感じて印象的だった。『めくらやなぎと、眠る女』記憶と現実について、冒頭の描写が好き、ラストは怖さを感じる、この作品だけ独立した感じがする。
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短編集。 「めくらやなぎと、眠る女」は、アニメ映画化されるものとは別の、こちらは短い版のようです。 村上春樹の作品は、長編よりどちらかというと短編やエッセイばかり読んでいる。 短編は、長編よりも物語は入り組んでおらず、不思議な物語の世界観に没入しやすい。 読後は、なんだかフワ...
短編集。 「めくらやなぎと、眠る女」は、アニメ映画化されるものとは別の、こちらは短い版のようです。 村上春樹の作品は、長編よりどちらかというと短編やエッセイばかり読んでいる。 短編は、長編よりも物語は入り組んでおらず、不思議な物語の世界観に没入しやすい。 読後は、なんだかフワフワしていたり、ソワソワしていたりして、これはもう、特別な感じです。
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久しぶりな村上春樹 明瞭な文体で読みやすい どの短編も良かったけど 「沈黙」が良かった ブックオフにて購入
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7編からなる短編集。 現実世界のようでありつつ、そこから一歩ズレたような、幻想的な雰囲気をはらんでいると感じました。 どの話も決してスッキリしないというか、モヤモヤ感が残るんですが、それでも読後感は良かった。 全体的に暗い雰囲気が漂ってますが、それが意外と、読んでて心地良かった...
7編からなる短編集。 現実世界のようでありつつ、そこから一歩ズレたような、幻想的な雰囲気をはらんでいると感じました。 どの話も決してスッキリしないというか、モヤモヤ感が残るんですが、それでも読後感は良かった。 全体的に暗い雰囲気が漂ってますが、それが意外と、読んでて心地良かったです。 話は逸れますが、自分はこういう文学作品を読む際も、そのまま実直に読むというか、特に作品におけるメタファーは特に考えずに読む(というか、頭悪いので、そこまで思考が及ばない)ので、他の方の感想を見るとそこんとこ上手く言語化してて凄いと思った。
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村上春樹作品は今まで長編しか読んで来なかったけれども短編も面白い事を発見。長編作品で時々見られるように下ネタが混ぜられることもなく淡々と進む展開に単調と感じるか、面白いと感じるか。自分は後者だった。「レキシントンの幽霊」は幽霊譚としてはさほど怖くもなんともないのだが、アメリカで起きた怪談話というところは変わっている。日本でおきたのなら本当になんてことない話になってしまう。「緑色の獣」は現実には起きえない超現実の話だが緑色のモンスターがかわいそうになる。短いのが良い。「沈黙」は学生時代にクラスに一人はいたであろう頭と要領の良い、いわゆるクラスの人気者とボクシングジムに通う少し暗い男の対立の話。本作品はこの短編集の中では一番好き。「氷男」これもよくわからん話だった。そもそも「氷男」って何?最後まで読んでも謎のまま。「トニー滝谷」トニー滝谷という男の生い立ちと恋愛の事が書かれている。「七番目の男」台風で友人をなくした男がそれがトラウマになる話。「めくらやなぎと、眠る女」耳の悪い、いとこの通院に付き合わされる主人公が昔を回想する話。以上だが全編を通して言えることは変に起承転結的なオチをつけようとせず、ありのままを読者に投げかけるのは好感が持てる。オチがつく話はたしかにわかりやすく意外性という意味で面白いのだが、現実味と文学的深みがない。そういう意味で今月読んだジェフリーディーヴァーの「クリスマス・プレゼント」とは対照的な短編集であった。個人的にはディーヴァ―の「クリスマス・プレゼント」と本作品どちらが良いかと問われれば本作品に軍配が上がる。面白かった。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou19608.html
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あまり得意でない村上春樹の世界観 短編集ならいけるかなと思って久しぶりに手に取りました。 未熟者なもので分からないことも多かったんだけど 「氷男」「七番目の男」「めくらやなぎと眠る女」が印象的だった。 でもやっぱりまだ私には早い世界だと再実感した
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7つの短編からなる村上春樹ワールド、不思議な物語。独特なユーモラスな描写や心の奥底の的確な表現によって、物語に引き込まれていく。 ピアノ調律士であるジェレミーが住んでいるレキシントンのアパートで不思議な出来事。決してホラーではない。後半は深みのある哀愁を感じさせられる。 緑色の...
7つの短編からなる村上春樹ワールド、不思議な物語。独特なユーモラスな描写や心の奥底の的確な表現によって、物語に引き込まれていく。 ピアノ調律士であるジェレミーが住んでいるレキシントンのアパートで不思議な出来事。決してホラーではない。後半は深みのある哀愁を感じさせられる。 緑色の獣は何を伝えたかったのだろう。人の心に潜む獣の形は実は自分自身なのかもしれないと感じてしまう。 沈黙では、本当の怖さは迎合する人の本能のようなものが上手く表現され、疑問を提起している。メッセージ性の強さを感じる。 氷男、なぜ氷男なのだろう。深掘りすると面白い。髪の毛の白さ、物理的な冷たさや歴史上の凍結の話題、時空を超えて過去も未来もない世界。 トニー滝谷、トニー谷は大昔の芸人だが、それとは別だ。おもしろトナカイでもない。孤独とは何だろう。 七番目の男、読み始めはホラーの様相であった。過去の経験から生まれた心の暗闇に向き合い、その苦しみを乗り越えていく。それは自分の心の都合に合わせているかのようだ。 めくらやなぎと、眠る女では文章の美しさが目を惹く。文字から人物や風景が瞼に映し出されるほどに。 それぞれにテーマがあり、現代社会への問題提起をしているように感じた。読み手の想いや考え方次第でさまざまな色を着色できる作品だ。
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面白かった。メッセージ性が強いものがいくつか。よくわからんものもいくつか。トニー滝谷が映画化されてなかなか高評価を受けてることに驚いた。映像化にはいいのかな
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