1,800円以上の注文で送料無料

レキシントンの幽霊 の商品レビュー

3.8

352件のお客様レビュー

  1. 5つ

    64

  2. 4つ

    138

  3. 3つ

    100

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2025/08/29

いずれも「過去」をめぐる話だった。 過去に囚われた人(沈黙、レキシントンの幽霊)過去とのみ生きると決めた人(氷男)、過去とはなんの関わりも持たないで生きると決めた人(トニー滝谷)などなど。 この頃彼は過去作の改作にこだわっていたというのも面白い。 めくらやなぎと眠る女、蛍はどちら...

いずれも「過去」をめぐる話だった。 過去に囚われた人(沈黙、レキシントンの幽霊)過去とのみ生きると決めた人(氷男)、過去とはなんの関わりも持たないで生きると決めた人(トニー滝谷)などなど。 この頃彼は過去作の改作にこだわっていたというのも面白い。 めくらやなぎと眠る女、蛍はどちらも改作をしていて、ノルウェイの森に繋がっている。 村上春樹にとってノルウェイの森はそんなに思い入れの深い作品だったのだな。

Posted byブクログ

2025/08/10

私は村上春樹氏の小説がとても好きだ。文章が好きなので、斜め読みせず、時間をかけて読みたい。そして、読み終わったら、しばらく余韻に浸って、内容について考えていたい。 この小説で、夏休みの読書感想文が書けるのか?と聞かれたんだけど、私には書けない。というか、夏休みの宿題で、ちゃちゃっ...

私は村上春樹氏の小説がとても好きだ。文章が好きなので、斜め読みせず、時間をかけて読みたい。そして、読み終わったら、しばらく余韻に浸って、内容について考えていたい。 この小説で、夏休みの読書感想文が書けるのか?と聞かれたんだけど、私には書けない。というか、夏休みの宿題で、ちゃちゃっと書ける感想文用の小説ではない、ということは、わかった。もちろん、熟考して書けば、良い感想文は書けると思うけども。

Posted byブクログ

2025/07/14

綺麗な文章で意味は分からないけど良い感じ。村上春樹だなぁって感じ。いい意味でも悪い意味でも。もちろん好きなんだけど。 物語を読むというより、文章のリズムと雰囲気を楽しむ感じ、な気がする。まぁいいのか、これで。

Posted byブクログ

2025/05/26

秀逸な短編が収められた短編集である。緑色の獣などは非常に模範的な短編であり、オチの付け方、過不足ない情景描写に文章表現、隅々まで緻密に作り上げたのだろうか、しきりに感心してしまった。他タイトルも総じて村上春樹らしさが存分に味わえる物語で、彼に傾倒している私にとって至福の時間を与え...

秀逸な短編が収められた短編集である。緑色の獣などは非常に模範的な短編であり、オチの付け方、過不足ない情景描写に文章表現、隅々まで緻密に作り上げたのだろうか、しきりに感心してしまった。他タイトルも総じて村上春樹らしさが存分に味わえる物語で、彼に傾倒している私にとって至福の時間を与えてくれたことは最早言うまでもない。

Posted byブクログ

2025/05/20

読みやすいのに、少し考えさせられる話の詰め合わせ。 短編集は好みでないけど、村上春樹なら読めるなぁ。 特に好きな話はなかったけど。

Posted byブクログ

2025/04/23

秀作揃い 「沈黙」虐めの群衆心理。怖いのは人の言い分を無批判に受入れ信じる人々。 「レキシントンの幽霊」留守番で幽霊パーティー遭遇。建築家の孤独。死を悲しむ者の不在。 緑獣/氷男/トニ/7番/盲柳

Posted byブクログ

2025/04/14

恐怖の中にどこかポップさを 感じさせるストーリー。 言葉のリズムものりやすく、 とても読みやすいので 村上春樹入門としてもオススメ。 個人的には 『氷男』が好み。

Posted byブクログ

2025/02/27

全体的にサラッと読めて、奥が深い。 とくに七番目の男が印象的だった。 話の最後の恐怖について語るところで、 「なによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲れ渡してしまうことになります...

全体的にサラッと読めて、奥が深い。 とくに七番目の男が印象的だった。 話の最後の恐怖について語るところで、 「なによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲れ渡してしまうことになります。」 の一文が印象的だった。

Posted byブクログ

2025/01/18

ちょっと不思議で、様々な形の怖さが描かれた短編集。 短編だから一つ一つの作品はさっくり読めるけど、内容は何を伝えたいのかな?ってじっくり考えなきゃいけない感じでした。(自分としては) 個人的には『七番目の男』。恐怖との向き合い方が考えさせられました。

Posted byブクログ

2025/01/13

孤独や閉塞感、喪失感といった長編でもお馴染みの重いテーマが扱われており、読み応え充分の短編集。 以下、各話の感想や記録 「レキシントンの幽霊」 不思議な事を自然現象のようにサラリと綴る。村上春樹らしい作品。 「緑色の獣」 なんだろう。村上春樹の描く異形のものは何故か怖くない...

孤独や閉塞感、喪失感といった長編でもお馴染みの重いテーマが扱われており、読み応え充分の短編集。 以下、各話の感想や記録 「レキシントンの幽霊」 不思議な事を自然現象のようにサラリと綴る。村上春樹らしい作品。 「緑色の獣」 なんだろう。村上春樹の描く異形のものは何故か怖くない。どこか愛嬌ごあり、そこはかとなく悲しみを漂わせる。それに比べて女性は怖いな。って感想であってますかね? 「トニー滝谷」 同名の映画『トニー滝谷』の原作。映画は市川準監督、イッセー尾形、宮沢りえ主演。観たのは10年以上前だったと思う。 倉庫のような部屋で故人が残した膨大な服に対峙する宮沢りえが印象的だった。 空調の音だけが聞こえる人工的な静寂のなか響く衣擦れの音、ハンガーが触れ合う音、 そしてすすり泣く声。理屈で説明できない感情が映像と音だけで伝わってきた。 なぜ泣くのか?原作も具体的な言及はない。ほぼ状況説明だけの淡々とした語り口だけど、不思議と得心が行く。不思議な魅力的がある作品です。 「七番目の男」 喪失感。短編とは思えないような読み応えのある作品。 「めくらやなぎと、眠る女」 耳の中に巣食う微小な蝿!緑色の獣とは異なりこいつは怖いです。 「沈黙」 ボクシングの話かと思いきや、、、イヤミスのようなストーリー。 「氷男」 氷男自体は怖くないのだけれど、、、この閉塞感は村上春樹の世界ですね。 登場した不思議な生物たち ・緑色の獣 ・氷男 ・めくらやなぎ ・耳の中に巣食う微小な蝿 ・幽霊

Posted byブクログ