永遠の仔(下) の商品レビュー
やっと読み終えた…とんでもなく長い物語でした。 読めば読むほど悲しい物語で主要な登場人物の3人が過去に受けた傷に囚われていて抜け出せなくなって傷つきながら生きている。そんな姿がとても読んでいて悲しかった。 (真実を明かした事で起こる、いっそうの悲劇や悪でさえ、受け止めてゆこうとす...
やっと読み終えた…とんでもなく長い物語でした。 読めば読むほど悲しい物語で主要な登場人物の3人が過去に受けた傷に囚われていて抜け出せなくなって傷つきながら生きている。そんな姿がとても読んでいて悲しかった。 (真実を明かした事で起こる、いっそうの悲劇や悪でさえ、受け止めてゆこうとする態度こそが、成長と呼ばれるものに結びつくかもしれません。) 作中のこの言葉を受け止めてせめて周りの大事な人には真実を話して生きたいと考えました。
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いやー、時間かかりました。僕は朝風呂で少しづつ読むのだけけれど、後書きで、著者が、決して短くもないこの物語云々のようなくだりもあって、やっぱりそうかと。今回久しぶりに重版で読みましたが、文庫版だと5冊にもなる。で、とても長く、過去と現在を行ったり来たりし、主人公クラスが3人、それ...
いやー、時間かかりました。僕は朝風呂で少しづつ読むのだけけれど、後書きで、著者が、決して短くもないこの物語云々のようなくだりもあって、やっぱりそうかと。今回久しぶりに重版で読みましたが、文庫版だと5冊にもなる。で、とても長く、過去と現在を行ったり来たりし、主人公クラスが3人、それぞれに子供の頃のあだ名まであってと、結構複雑なので時間かけるとこんがらかりそうだが、そんなこともなく読めました。一人一人の設定がちゃんと立っているじゃらなんでしょうね。結構重い話だけれど、嫌ミスにならず、また、ミステリーのどんでんぽいのもあって、なかなかの秀作と思います。同じ作家の別のも読んでみようかな。
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読めば読むほどに重く暗くなり、どこまでも続く救いのなさに読み進めるのが辛いんだけど、心を鷲掴みにされて三人の行く末に目が離せない。真相を知っても、スッキリとは真逆の思い。最後まで悲しかったけど、物凄く心に残る本だった。
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親から虐待を受けて施設で育った3人の子どもたちが大人になって再会する物語。 大人になっても心の傷が癒えない彼らが互いに支え合う姿にいたく感動し、貪るように読みました。 悩み多き時期に読んだので、特にのめり込みました。 虐待受けたわけではないけど、何かしら親からの圧力があって、大...
親から虐待を受けて施設で育った3人の子どもたちが大人になって再会する物語。 大人になっても心の傷が癒えない彼らが互いに支え合う姿にいたく感動し、貪るように読みました。 悩み多き時期に読んだので、特にのめり込みました。 虐待受けたわけではないけど、何かしら親からの圧力があって、大人になり切れず鬱々とした時期があったのですよね。 ドラマ化されて優希役は中谷美紀さんでしたが、自分の脳内では石田ゆり子さんでした。
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親からの虐待を受け、同じ施設に預けられた優希、梁平、生一郎。互いの似た境遇から、固い絆で結ばれることになった彼らは、密かに優希の父親・雄作の殺害を計画。 それから間もなく雄作は山から滑落死してしまう。その後、成長した3人は17年ぶりに再会をはたし、優希は看護師、梁平は刑事、そして...
親からの虐待を受け、同じ施設に預けられた優希、梁平、生一郎。互いの似た境遇から、固い絆で結ばれることになった彼らは、密かに優希の父親・雄作の殺害を計画。 それから間もなく雄作は山から滑落死してしまう。その後、成長した3人は17年ぶりに再会をはたし、優希は看護師、梁平は刑事、そして生一郎は笙一郎と改名し弁護士になっていた。 だが運命的な再会を果たしても、彼らはいまだ癒えぬ深い心の傷を抱えていた・・・。 3人の再会と時を同じくして、殺人事件が起こる。優希の母が殺害され、母に優希が頑なに語らない「過去」を問い詰めていた弟の聡志に容疑がかかる。惨劇が続く中、苦悩する3人の魂に救済はあるのか? 性的虐待のトラウマから、恋愛や結婚から自らを遠ざけ修道女のように患者に献身的に尽くし、虐待されたのも家族がおかしくなったのも自分のせいと思い込み責め続けている優希。 虐待されたトラウマから虐待事件には怒りを露にして捜査したり、自分を愛される資格がないと思い込んでいる梁平。 母による虐待のトラウマから女性と親しくなれず、火を怖がるクセが抜けず、自分を愛される資格がないと思い込んでいる笙一郎。 再会をきっかけに、優希が病院で出会った性的虐待をされた婦人や弟の聡志、笙一郎が出会う梁平の恋人、梁平が再会した養父との交流の中で、自らの過去とトラウマに向き合い、「無力で無意味な存在」に思えた魂が「酷い傷を受けながらも死なずに懸命に生きてきた生存者サバイバー」として自分の人生に意味を見いだして再生していく葛藤と再生のドラマ。 優希を救うために梁平と笙一郎が子供の頃犯した「聖なる罪」とは何なのか、優希たちの周りで起きる殺人事件の真相の謎解き。 「傷つき苦しんでも、苦しみや楽しみを分かち合い支え合える人がいたら、辛いことばかりの人生にも意味が見いだせる」 傷つき苦悩する魂の再生を描いた魂を焦がすような傑作ヒューマンサスペンス小説。
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狡い大人たちのせいで人生を台無しにされてしまった子供たちの壮絶な人生を綴った作品。 同世代の子供たちを持つ1人の親として、また1人の子供として、様々な想いを巡らされた。
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綺麗ごとでごまかさない、どれだけ拙くても生きろ …みたいな重たさなんだけども、出版されたときの衝撃度合いは凄かったんだろうなあ…
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上巻に比べると、ずっと読みやすかった。重い結末ではあるけれど、岸川夫人のように自分のつらい経験を他の人に伝えて人を救うという方法も確かにあるなあとか、モウルはこういう道を選ばずにはいられなかっただろうなあとか、頷ける部分が多かった。 子どもの虐待をする人が一番悪いのは明らかだけど...
上巻に比べると、ずっと読みやすかった。重い結末ではあるけれど、岸川夫人のように自分のつらい経験を他の人に伝えて人を救うという方法も確かにあるなあとか、モウルはこういう道を選ばずにはいられなかっただろうなあとか、頷ける部分が多かった。 子どもの虐待をする人が一番悪いのは明らかだけど、それ以上に、それを知っていながらわからないふりをする、噓つきだと子どもを責める、という大人がどんなに子どもの心を殺してしまうのかがよくわかった。自分が頼りにしている大人が、自分の味方になってくれない、助けてくれないということは子どもにとっては絶望的なこと。必死になって子どもを守ろうと、その時にできることを精一杯することが周りにいる大人ができる唯一のことなんだと感じた。 ジラフの養父母が一番愛が深く、一番器が大きいように感じた。ドラマも見てみたいけどちょっとこわい。
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終わりのない負の連鎖。 本当の救いなんてあるのだろうか。 フィクションのようでいて、きっとどこかに現実として存在する問題なんだと思わせられた。 一つの歯車の狂い、ボタンの掛け違いから全てが狂っていくような恐ろしさ。 その中で幼少期の3人の絆はこの作品唯一の温かみのように感じられ、...
終わりのない負の連鎖。 本当の救いなんてあるのだろうか。 フィクションのようでいて、きっとどこかに現実として存在する問題なんだと思わせられた。 一つの歯車の狂い、ボタンの掛け違いから全てが狂っていくような恐ろしさ。 その中で幼少期の3人の絆はこの作品唯一の温かみのように感じられ、 負の感情の中にわずかな光を射してくれ、ただただ暗い作品になるのを防いでくれたように思う。 そうでなければ読破出来なかったかもしれない。 それくらい辛い内容だが、引き込んで読ませるのは作者の腕なのだろう。 自分には想像もできない世界の話の中で、共感できる部分があったとすれば、誰しもが大なり小なり自分を受け入れてくれる人を求めているんだろうなという感覚だった。
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胸が苦しくなる、とても衝撃を受けた本。 読むのが辛い。 救われない時代だけれど少しの希望はあるのだと必死に伝えている気がする。 昨今、目を覆いたくなる事件が多く、救われない人が増えている。 子供には笑っていて欲しい。 子供を守れる世界であって欲しい。
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