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永遠の仔(下)
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 幻冬舎/ |
| 発売年月日 | 1999/03/10 |
| JAN | 9784877282868 |

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商品レビュー
4.3
120件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今の時代の、特に若者に向けてのエンタメは、主人公や他の登場人物に共感できるか否かが作品の評価に直結する傾向にある、という旨の記事を読んだことがある。概ね正しいのではないかと思う。 そこで今作の主人公3人。私にとっては、自ら不幸の底に落ちていこうとするような彼らの行動原理に共感できない面が多々あった。それは今作が20世紀の作品だからではなく、私が中年男性だからでもない。彼らは児童虐待の被害者であり、私は違うからだ。もうそこには埋めようのないような断絶がある。 それでも、ページをめくりながら、現実には存在しない彼らの幸せを祈らずにはいられなかった。そして、現実に彼らのような境遇を生きてきた方々の存在を想わずにはいられなかった。 私が読んだ限りでも作者の作品には『包帯クラブ』や『悼む人』など、心に傷を負った人物が数多く登場する。今作の最後、主人公のひとりが心の中で別の主人公に語りかけるシーン。本編のラストを飾る2行の鉤括弧の中身こそが、作者の作家人生を通して最も伝えたいメッセージだと受け取った。作者の作品の中に生きる全ての登場人物へ。そして現実の世界を傷つきながら生きる私たち全ての人間へ。 2026年2月13日現在、私が住む岩手県の新聞、岩手日報で今作の続編、『神話の仔』が連載されている。連載開始以来切り抜いてストックしておいた分をようやく読み始められる。また彼らに会えること、生きてくれていたことに感謝しながら、彼らの幸せを祈り続けながら毎日新聞に目を通すことになりそうだ。
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このミス1位ということで大量に平積してありましたが、実際には発売されてからかなり経つのです。この本もハードカバー2冊ということで買い控えていたのですが、とうとうがまんできなくなった次第。いやあ、がまんせずに正解でしたよ。ほんとう。 動物園とあだなされる少年のための精神科病棟、退院...
このミス1位ということで大量に平積してありましたが、実際には発売されてからかなり経つのです。この本もハードカバー2冊ということで買い控えていたのですが、とうとうがまんできなくなった次第。いやあ、がまんせずに正解でしたよ。ほんとう。 動物園とあだなされる少年のための精神科病棟、退院記念に登ることになった霊峰の頂上で起きた事件、17年を経てひとりの少女の成長を見守るふたりの少年。ちょっとこう並べてみるだけでも、いかに大仕掛けかがわかりますね。 物語は三人の男女の17年前と今を並行させて描くわけですが、すなわち1979と1997を並行させているのです。ちょっと用い方はちがうけれどオーウェルみたいです。三人が、自分たちが経験したことのほんとうの姿に行きつくまでにかかった年月として、それは長すぎたのでしょうか?この場合、歳月は彼らを癒すのに役だったとはとても言えません。すべてがしょく罪の日々ということなのでしょうか?もし、そうであれば、この場合の罪とは、いったい誰の誰に対するものなのでしょうか? 人はいつもいつもベストの選択をできるわけではありません。むしろそうでない選択を強いられることのほうが多いでしょう。とりわけ、人と人との関りにおいて、それは顕著な現象であるかもしれません。あのときいったいどうするべきだったのか?時として、人はいつまでもそれを思い悩むのかもしれません。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わかるよ、なんて簡単に言うべきではないんだけど、でも、わかるよと彼らに言いたくなってしまった。 自分の影が彼らに重なるところがあって、だから彼らには少しでも救われてほしかった。 どんな形でもいい、安っぽい作り物みたいなものでいいから、彼らがどうか救われますようにと祈りながら読んだ。 でも、人間がそんな簡単に救われることはないということも、読まずとも分かっていた。 現在軸での殺人事件、そして幼少期の”事故”の真相が明らかになるという点ではミステリーと呼ぶべきでしょうが、犯人なんて誰でもいい(※よくない)と思えるくらい、優希、笙一郎、梁平に感情移入してしまいました。 多かれ少なかれ、誰しも心の中に彼らと似たものを持っているのではないかと思います。 今から25年以上前の作品とのことですが、度々登場する公衆電話以外には古さを感じることはありませんでした。 むしろ、今「毒親」「インナーチャイルド」のような言葉で取り上げられるものの本質が、こんなに前からきちんと描かれていたことに驚いています。 また個人的には、愛媛の田舎に住んでいたことがあったので、キラキラ光る海や、荘厳な山々の描写に懐かしさも覚えました。私が住んでいた頃、台風が近づくと地元の方々はみな「石鎚山が守ってくれる」と言っていました。優希たちが救いを求めるのも、わかるような気がします。 3人がクスの木のそばで過ごした嵐の夜に、時間が止まってしまえばよかったのに…なんて、ありえないんですが。 しばらくはこの物語を思い出しては落ち込んでしまいそうです。 だけど出会えて良かった一冊です。
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