ぼっけえ、きょうてえ の商品レビュー
眠れぬ夜に
夜半の遊郭。寝付かれぬ客のため、ぽつりぽつりと女郎が語る身の上話。やわらかな岡山弁で語られるのは、血の匂いに満ちた物語……。第6回「日本ホラー小説大賞」受賞作。眠れない夜にピッタリの一冊。
abtm
初めての感覚、その怖さを描いたのか…と驚きもあった本。生々しさ、人の厭らしさなど、悪い感情の描写がすごかった。忘れられない1冊。
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短編4話とも怪奇現象とヒトコワの塩梅が素晴らしい。 強く感じたのは、幽霊や妖といった存在の根底にあるのは やはり生きた人間の闇なんだなという事。 一番印象的だったのは『あまぞわい』。 他編に負けず劣らず暗い話なんだけど、 これは唯一のメリーバッドエンドかもしれん… と泣いてた。
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読みながら、背筋がヒヤッとするような本。 劇的な怖い感じは無いが、一枚板の向こうでナニカあったみたいな。 お化けが出て怖かったとかじゃない。 暗闇が怖いみたいな、原始的な恐れを感じました。
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面白かった し きょうてい 話だった しかも、岡山の世界の話だし 少し前の貧しかった日本の話しだった
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表紙が怖すぎて身構えて読んだ。そしたら中身はストーリーの残酷さに反してポップな文体で書かれてるので怖さは感じず。すさまじかった。最高。
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楠音の表紙に惹かれて読んでみました 行燈の明るさが届かない暗がりを覗き込むようなヒタヒタとした怖さが伝わる4話でした 岡山弁での語り言葉でお話は進みますが、違和感なく読めました 聴いた事のない岡山弁は何だか癖になり、ずっと聴いていたくなりました
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幽霊が出てギャー❗️残酷な描写にヒー❗️という恐ろしさではない。(語彙力…。) この短編集の恐ろしさは、かつて本当にあった話なのではないか、あるいは起こり得た話だと思わせる点にあると思う。 結局一番恐ろしいのは霊や血や奇想天外なお話ではなく人間なのだな、と。 人間の陰鬱な闇を、ま...
幽霊が出てギャー❗️残酷な描写にヒー❗️という恐ろしさではない。(語彙力…。) この短編集の恐ろしさは、かつて本当にあった話なのではないか、あるいは起こり得た話だと思わせる点にあると思う。 結局一番恐ろしいのは霊や血や奇想天外なお話ではなく人間なのだな、と。 人間の陰鬱な闇を、まるで見てきたかの様に表現できる作者の文才が凄い。
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自分が今欲していた恐怖とかドロドロとは違ったので、あまり入ってこなかったので星2なのですが、おもしろかったです。ただ、そういう手法なのか、同じ内容を何度も読んでるような、話が進んでるような進んでないような感じはありました。
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1999年の日本ホラー小説大賞 岡山県の怖い話し ◆ ぼっけえ:とても きょうてえ:怖い 恐てえ 女郎宿での娼婦の寝物語 隔年で凶作になる地域では間引きが日常 親は産婆と言っても子潰し婆やら子刺し婆と呼ばれる間引き専門 自分も産み落とされて川に流され二日生きてたから育て...
1999年の日本ホラー小説大賞 岡山県の怖い話し ◆ ぼっけえ:とても きょうてえ:怖い 恐てえ 女郎宿での娼婦の寝物語 隔年で凶作になる地域では間引きが日常 親は産婆と言っても子潰し婆やら子刺し婆と呼ばれる間引き専門 自分も産み落とされて川に流され二日生きてたから育てられ間引きの手伝いをして育ったという 農家には食うこととすることしかない 女どもでさえ水子を供養するより夜になれば懲りもせず床でいそしむ 山には餓死者、川には水子が腐ってる 津山は昭和の初めに大量殺人が現実に起こり全国的に耳目を集めた事でも有名で、横溝正史がこの事件を元に 八つ墓村 を書いたと云われている 実際の事件は、土地の風習になっていた夜這いが犯人に大量殺人を犯させる土壌になっていたそうだ そのくらいこの土地の夜這いという風習は強く根づいていたようだ ◆ 密告箱 にもこの夜這いが土地の風習だった事が下敷として描かれている コレラガ流行り村人達が死んでゆく その家の周りには消毒用の白い粉が撒かれる 村の助役がコレラで死ぬ際に、コレラが家族にいても隠そうとする村民のことを考え、無記名のコレラ患者密告箱を役場に設置を提言した ここから村の役人の男が通うようになってしまった妖しい女との物語が始まる ◆ あまぞわい 瀬戸内海に残る怖い話し そわい:宗谷 海潮が引くと現れる砂浜や岩場 あま: 海女 もしくは 尼 、2つの話があると言う 左足が発育しない障害者の網元の息子と、漁師に身請けされて嫁になった女の現場を漁師が見つけた 漁師は二人を殴りつけ首を絞める 女の息はあったが不具者の男の息は無い あまぞわいに船で遺体を捨てに行った ある日浜で網を上げていると腐乱した片足が未発達の遺体が揚がる ◆ 依って件の如し 竈の横には恐てえものが居る 野良仕事をしながら幼い兄と妹が暮らす 牛より過酷な農作業だ 結界の張られた田圃がある ツキノワというそうだ 古来よりツキノワには牛も女も入ってはいけない その泥の中で喉を掻き切って死んでいたのが兄妹の母親だった 牛の化け物は くだん というそうだ 兄は日清戦争に出兵する ツキノワのくだんに 自分は死なない 戦争は勝つと 何もかも教えてもらったそうだ 万歳三唱の中、牛の咆哮が聞こえる 妹は農家に奉公だ 牛小屋で 戦争には勝ったが兄は帰ってこない 母家の家族三人が喉を掻き切られて惨殺される ツキノワでは藁人形を犯人に見立てて大人たちが順番に棒で突き刺して呪う 山の中の村の話しは過酷な日々の物語だ 妹の父親は兄だったとか 眩暈がするほどの厳しさと煌めく祭りの日 幻影が入り乱れる 民俗学的にも興味深い土地柄を持った地域ではないかとも思っているものの、私はこの地域に一度も行ったことはない 岡山市には何度も行っている 鵜城にも何度か行った でもその位だ 津山に良い印象を持ったのは山田洋次監督のフーテンの寅さんシリーズだ 嫁入りの車が細い道を進む 花嫁の車は後戻りを縁起悪いとするので、対向車がバックすることになっているそうだ こうした土地に根ざした暮らしは今も脈々と受け継がれたものがあるはずだと、物の怪ばかりでなく、見知らぬ土地に憧れを抱いている
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