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声の網 の商品レビュー

4.1

100件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2015/07/30

星新一の中~長編。長編といえど、章ごとに完結するショートストーリーのアンソロジーになっているので、短篇集という読みも出来そう。 突然かかってくる謎の電話から起こる事件、誰も知らない秘密をネタに脅され、市民が萎縮していく社会は、コンピューターのネットワークに操られて…。 電話の...

星新一の中~長編。長編といえど、章ごとに完結するショートストーリーのアンソロジーになっているので、短篇集という読みも出来そう。 突然かかってくる謎の電話から起こる事件、誰も知らない秘密をネタに脅され、市民が萎縮していく社会は、コンピューターのネットワークに操られて…。 電話の向こうの誰かに秘密を握られており、それによって恐怖をもたらされるという意味で、ジャンルとしてはSFというよりもホラーになろうかと思う。 ホラーといえど星新一なので、ドロドロと湿った感じではなく、あくまでもドライ。そこが救いのない怖さを増強しているといえる。そして、いかにして解決するかを期待して読み進めていくが…。 1970年に、今では当たり前に使われている、電話とコンピューターネットワークを「声の網」という言葉で現していることは非常に興味深い。現在の人工知能に対する懸念なども、そのまま含まれている。 難しい話ではないので、中学生くらいの読書感想文の題材として、一度読んでみてはいかがかな?

Posted byブクログ

2015/02/12

学生の頃一度読んだがあまりしっくりと来ない印象があった。しかし今読むとけっこう頷ける事の多い現代に近いものが描かれていて驚く。パソコンとインターネット社会の風刺でもあるし、それを何でも電話でこなそうとするあたりも40年以上も前から伝えられた現代の皮肉にも思えてくる。無を支配してい...

学生の頃一度読んだがあまりしっくりと来ない印象があった。しかし今読むとけっこう頷ける事の多い現代に近いものが描かれていて驚く。パソコンとインターネット社会の風刺でもあるし、それを何でも電話でこなそうとするあたりも40年以上も前から伝えられた現代の皮肉にも思えてくる。無を支配しているとも、無に支配されているともいえるかぁ・・・・・。12編にまとめる辺りもきれいですね。星さん長編もたいへん素晴らしかったです。

Posted byブクログ

2015/01/05

現代でも通用する内容かつ、これが1970年代に書かれた作品と知り、もう一度読むと、驚かされること間違いなし。読みやすく、短編集となっているので、ゆっくり読めるので待ち時間などにおすすめ。

Posted byブクログ

2014/09/29

ショートショート集と思いきや、短編集! 「誰にも話すな」なんて言わずに自己顕示しなければいいだけじゃないか、なんて思ってしまったけど、そうなってしまったらしまったで残念。

Posted byブクログ

2014/07/09

この作品に登場する「情報銀行」のようなものが、イメージまたはモチーフなPDS(Personal Data Store)についての論文で紹介されていたため興味を持ち読んだ。 まだ電話が普及くらいの時代に書かれたものなのに、現代の大企業の情報収集問題に通ずることが言及されているよう...

この作品に登場する「情報銀行」のようなものが、イメージまたはモチーフなPDS(Personal Data Store)についての論文で紹介されていたため興味を持ち読んだ。 まだ電話が普及くらいの時代に書かれたものなのに、現代の大企業の情報収集問題に通ずることが言及されているようで、非常に面白かった。 アイデアは先見性が物凄いのに、手法が電話というアナログなところがまた面白い。

Posted byブクログ

2014/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

コンピュータが逆に人間を管理・支配するというテーマはよくありますが、このお話の場合、そのおかげで人間が平穏に、ほどほどの幸せを感じながら暮らせているのがなんか怖いというか… その怖さってのは皆がみんな平等で均一化してしまったら、個が存在する意味が無くなるっていうところなんだろうなぁ。

Posted byブクログ

2014/03/28

今の時代なら、この手のネタがいくらでも浮かぶだろうと思う。 でも、1970年代に…って、素直に凄い。 そして、怖いんだけど怖くないという、不思議な感覚になりました。 最後、こういう落とし方なのか!と驚いたし。 今までショートショートしか読んでなかったけど、こういうのも、悪くないで...

今の時代なら、この手のネタがいくらでも浮かぶだろうと思う。 でも、1970年代に…って、素直に凄い。 そして、怖いんだけど怖くないという、不思議な感覚になりました。 最後、こういう落とし方なのか!と驚いたし。 今までショートショートしか読んでなかったけど、こういうのも、悪くないですね。

Posted byブクログ

2014/03/18

1970年代の作とは思えない、というところは大方の皆さんのレビューに同意。確かにスゴイとは思う。 この作品初めて読んだのが中学生くらいで、その時は怖いと思ったけど、数十年後に読み返してる今は…物語としては面白いけど、ちょっとした秘密でコントロール出来るほどチキンな人間あんまりいな...

1970年代の作とは思えない、というところは大方の皆さんのレビューに同意。確かにスゴイとは思う。 この作品初めて読んだのが中学生くらいで、その時は怖いと思ったけど、数十年後に読み返してる今は…物語としては面白いけど、ちょっとした秘密でコントロール出来るほどチキンな人間あんまりいないと思うから、先ず現実的でなく、恐怖は感じなくなりました。 法を犯すようなレベルの秘密であれば脅しの材料にもなるでしょうが、普通の人なら誰でも通る若気の至りレベルなら、バレても決して恥ではないし(だってそれが人間だから)、よっぽどのチキンか、社会的地位のかなり高い人意外通用すると思えない。 東日本大震災の時の地域の消防団の皆さんの働きぶり見ても明らか。自己保身に走った人いたのかな?(´・_・`) もし自分だったら、バラしたければご自由に、卑怯な脅しには乗りません、と答え、自分の信じる道を行く。 そもそも人の噂に興味ないので、「ある一日」の様な現象に左右されることもないし。 (自分なら本読みながら、収まるの待つ) アジアに旅すると分かるけど、これほど雑多な人類社会がこんぴーたごときに平均化されるなんて、先ずあり得ないから大丈夫。 今入院中で、星さん作品まとめて読み返してるけど、どうも自己保身乙!的な人ばかり出て来てやや食傷気味。 ヒューマニズムでも何でもない事が分かりかけて来た。

Posted byブクログ

2014/02/02

最近デジタル認知症になりかけてる感があるからとても怖かった。コンピューターに依存しすぎると知らない間にこうなっちゃうかも。

Posted byブクログ

2013/12/22

ほぼ初の星新一小説。 彼のお父さんの伝記なんかは結構読んでるんだけど。 30年以上前に書かれた作品だ、ということを頭において 読むとほんと怖い。これからはそういう「この作品は いつ書かれた」って意識しながら読まないと面白くない 作品増えるだろうな。松本清張の時刻表トリックなん...

ほぼ初の星新一小説。 彼のお父さんの伝記なんかは結構読んでるんだけど。 30年以上前に書かれた作品だ、ということを頭において 読むとほんと怖い。これからはそういう「この作品は いつ書かれた」って意識しながら読まないと面白くない 作品増えるだろうな。松本清張の時刻表トリックなんかも 今じゃぴんとこないとこもあるし。

Posted byブクログ