戻り川心中 の商品レビュー
流麗な美文で綴られた匂い立つような男女の情愛のドラマと、本格ミステリのトリックが、何の不自然さもなく融合しているばかりか、事件の真相が新たなるドラマを呼び起こす感動。表題作も良かったですが、個人的には「桐の柩」が好きです。
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桔梗の宿が1番好きだった。どうして桔梗の花を窓から落としたのか、その答えはあまりに単純で、純粋でとても切なくなる。 何か推理小説というより日本文学作品を読んでるみたいだった。文章の仄暗いしっとりさも好き。
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しっとりしっぽり。 連城三紀彦の中でもさらに情緒溢れる感じ。 私が特に好きだったのは女たちの描写。 男性から見ると女とはかくも美しく、気味悪く、理解不能であるのか…と思える。 男たちはばかで愛おしく、女たちは無知でいじらしく。 そんな懐古と情にまみれた短編集でした。
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友達の父親に薦められて初めて知った連城三紀彦。 ミステリーであり、恋愛小説であるというのが非常にわかる。 ミステリー要素と恋愛要素のどちらも兼ね備えているが、本質は文学だと思う。文の美しさを感じた。 どの短編の作品も、すごく情景が思い浮かび、殺人が起こっていても、なぜか静寂な感じ...
友達の父親に薦められて初めて知った連城三紀彦。 ミステリーであり、恋愛小説であるというのが非常にわかる。 ミステリー要素と恋愛要素のどちらも兼ね備えているが、本質は文学だと思う。文の美しさを感じた。 どの短編の作品も、すごく情景が思い浮かび、殺人が起こっていても、なぜか静寂な感じがしていて、なんていうかすごい雰囲気のある本だなと思った。 文学好きな人は好きだと思うけど、ミステリー好きな人は嫌いなんじゃないかと思う。
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切ない女性達との恋や、死と共にミステリーが入っているという変わった?主旨の短編集です。結構重いです。 ちょっと表現がくどいなと感じることもありますが、情景描写が神秘的で好きでした。登場する人物達の中に、明るい人間はいません(苦笑)個人的には桔梗の花が一番好きです。ここに登場する...
切ない女性達との恋や、死と共にミステリーが入っているという変わった?主旨の短編集です。結構重いです。 ちょっと表現がくどいなと感じることもありますが、情景描写が神秘的で好きでした。登場する人物達の中に、明るい人間はいません(苦笑)個人的には桔梗の花が一番好きです。ここに登場する女の子が何とも切なくて可愛いのですが、オチを最後にまとめて言ってしまうのはちょっと冷めてしまいました。。
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どうしたらここまで流麗な文章を書けるものか。 一文一文を論理的に結んでいきながら、 ストーリーを暴いていくさまは、 まさに花の散るごとし、無駄なく美しい。 主人公は花。 その花に見あった話を通じて、 見事に花を散らせてみせましょう。 ここに詰め合わされた5編は、 技巧的であり...
どうしたらここまで流麗な文章を書けるものか。 一文一文を論理的に結んでいきながら、 ストーリーを暴いていくさまは、 まさに花の散るごとし、無駄なく美しい。 主人公は花。 その花に見あった話を通じて、 見事に花を散らせてみせましょう。 ここに詰め合わされた5編は、 技巧的でありながらも 散ったあとの余韻も深い。
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花の香もかぐわしい、美酒五篇に酩酊。表題作の壮絶な仕掛けには舌を巻くより外にない。他の収録作では、「桐の柩」の転倒が素晴らしい。ミステリ的な発想と詩情が融合した傑作。
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2013.8.21図書館貸出 「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5篇。 大正〜昭和初期が舞台の、花にまつわる叙情的なミステリ。 「藤の香」はミステリとして面白かったが、他の4作は動機にやや無理を感じた。 時代背景や文体に支えられているという印象で、個人...
2013.8.21図書館貸出 「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5篇。 大正〜昭和初期が舞台の、花にまつわる叙情的なミステリ。 「藤の香」はミステリとして面白かったが、他の4作は動機にやや無理を感じた。 時代背景や文体に支えられているという印象で、個人的にあまり好みではなかった。
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文学作品のような詩情性とミステリーを見事に融合させた美しい短編集です。 意外な結末に向かって入念に組み立てられた物語には一分の隙もありません。非常によくできていると思います。 おススメはやはり【戻り川心中】。創作と現実が入れ替わるというカタルシスは見事です。
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花のモチーフが印象的で、単なるミステリの小道具に留まらず、花を通して事件の裏に潜む真相や情感が浮かび上がる構成に虜になりました。 花が主人公だと言うのも頷けます。
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