戻り川心中 の商品レビュー
久世輝彦さんがエッセイのなかで、『恋文』の連城三紀彦はだめだけど、『戻り川心中』のころの彼は実にいい、というようなことを書いていたのを読みました。あの久世さんがいうのなら間違いないと買いました。 これが本当に、ものすごくいい作品でした。不朽の名作という表現はけっして大げさで...
久世輝彦さんがエッセイのなかで、『恋文』の連城三紀彦はだめだけど、『戻り川心中』のころの彼は実にいい、というようなことを書いていたのを読みました。あの久世さんがいうのなら間違いないと買いました。 これが本当に、ものすごくいい作品でした。不朽の名作という表現はけっして大げさではなく、ただただ見事としか言いようがありません。時代ものでもあり、恋愛ものでも、ミステリーでもありで他に類をみない傑作中の傑作です。文章の美しさに酔いしれます。
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解説にあった流麗な文章という言葉がぴったりだった。 美しく色彩鮮やかな描写で情景を柔らかく浮かび上がらせる。 けどハッキリした色調ではなく霞がかったようなぼんやり薄暗い印象。 殺人事件が絡むからかな…? ミステリーとしても面白い。 描写が凝っている分、ページをどんどん捲るという感じではないけれど、物語に引き込まれた。 美しかった。こういうミステリーもいいな。
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一昔前の設定の話しばかりなので、個人的に大好きです。 最後に、ああ、なるほどな・・・。と関心というか納得させられてしまいます。 さらっとしていて読みやすいし、短編物ばかりなので 一話はすぐに読めちゃうため、本が得意でない人にもおススメ。
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個人的に短編は好まないのだが、本作品は非常に良かった。それぞれの短編に連続性はないが、花が共通する。情景描写が常に暗い時代設定の中で非常に鮮やかな色がそれぞれの作品の中核を成し、読みすすめる内にどんどん惹きこまれうっとりする。それぞれの作品の読後感も良い。恋愛と推理トリックがある...
個人的に短編は好まないのだが、本作品は非常に良かった。それぞれの短編に連続性はないが、花が共通する。情景描写が常に暗い時代設定の中で非常に鮮やかな色がそれぞれの作品の中核を成し、読みすすめる内にどんどん惹きこまれうっとりする。それぞれの作品の読後感も良い。恋愛と推理トリックがある為、カテゴリとしてエンタメとしたが、文学性も多少あり。さくっと読めるのでお薦め。
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※このレビューにはネタバレを含みます
流麗な文章で純文学の雰囲気を醸し出しています。 各編人々の切ない愛を描いており情緒にあふれていますが、ラストに明かされる真相は驚きで、巧妙なミステリーだとも思います。 やはり表題作でもある「戻り川心中」の逆転する展開はおもしろいです。 「桐の棺」が一番好きでした。トリックにも驚きましたが、切なく悲しい叙情的なストーリーが素晴らしいです
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明治から昭和初期を舞台にした、恋愛推理小説集。 「藤の香」「桔梗の宿」「桐の棺」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編収録。 表題作は日本推理作家協会賞受賞作品。 とにかく有名な短編集で、気になっていた作品。ようやく読みました。 そして様々なベストに挙げられている理由がよくわかりま...
明治から昭和初期を舞台にした、恋愛推理小説集。 「藤の香」「桔梗の宿」「桐の棺」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編収録。 表題作は日本推理作家協会賞受賞作品。 とにかく有名な短編集で、気になっていた作品。ようやく読みました。 そして様々なベストに挙げられている理由がよくわかりました。 綴られている日本語の美しさにまず感動しました。 それが時代設定とぴったりマッチしていて、なんともいえない叙情性を醸し出しているのです。 泡坂さんの『蔭桔梗』を少し思い出しました。 そしてどの作品も切なく、またラストで見事な意外性をみせてくれました。 これがとても自然なんです。妙に技巧、技巧していないのに、ガラリと世界が反転するのです。 とにかく凄かった。
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流麗な文体で描かれる、最高品質のミステリー小説。 ハラハラドキドキはないけれど、心地よい余韻に浸れる短編五作が収録されています。 まあお勧めですね。
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抒情的な文章に引き込まれてしまうけど、各編のトリックがすごい。 やはり「桔梗の宿」は切ない。自覚のない語り手がなおさら。 他者をも巻き込む、偽りの自意識。 それに生命まで賭してしまう某作の絶望感にも圧倒される。
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ミステリと呼ぶにはあまりに叙情的。 「実はこういうことでした~」というラスト謎解きのくだりが、少しわざとらしい感じをもったが、それを含めても充分魅力的。 賞をとるだけのことはあるなァ。と、ぽかんとあほのように思いました。
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8/13 将ちゃんに借りた。すごく将ちゃんぽい(笑)そして男の人っぽい暗さに満ちあふれていて。。。なんつーかおもしろかった。自分じゃ選ばないような本を借りるというのは幸せだわ。
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