つむじ風食堂の夜 の商品レビュー
懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、古本屋の「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋主人、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に集う人々が織りなす、懐かし...
懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、古本屋の「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋主人、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に集う人々が織りなす、懐かしくも清々しい物語。クラフト・エヴィング商會の物語作家による長編小説。 不思議な話であることは確か。 悪くないけど、そんなに入り込めなかった。 映像化したら素敵な作品になる感じ。
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フランス風、と言い張る頑固な親父がやってる小さな食堂を中心に、つむじ風とともにやって来る少し不思議な物語。 行間さえも愛おしい。
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ゆるやかな時の流れに人のぬくもりが交差する小説です。 あったはずの重要な自問をいつの間にか失くし頭はいつもここではないどこかに散歩してしまいがちな中年が、ときには息を切らして走り、ときに心をざわつかせる姿がかえっておだやかな背景を際立たせます。 腹八分みたいな読後感で、おかわりし...
ゆるやかな時の流れに人のぬくもりが交差する小説です。 あったはずの重要な自問をいつの間にか失くし頭はいつもここではないどこかに散歩してしまいがちな中年が、ときには息を切らして走り、ときに心をざわつかせる姿がかえっておだやかな背景を際立たせます。 腹八分みたいな読後感で、おかわりしたい気分になりました。
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装丁に惹かれて、中身の雰囲気にも惹かれて衝動買いした本です。 映画化されることを知り、もう一度読み返してみたいと思ってます。
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初めての吉田篤弘でした。ひっそりした町に住む、どこか浮世離れした人々。何が起こるわけでもないのですが、彼らの間に流れている空気がとても懐かしいような気持ちのいいもので、あぁ、いいなぁ、と思いながら読むことができました。語り手は、「雨降らしの先生」と町の人から呼ばれるあまり売れては...
初めての吉田篤弘でした。ひっそりした町に住む、どこか浮世離れした人々。何が起こるわけでもないのですが、彼らの間に流れている空気がとても懐かしいような気持ちのいいもので、あぁ、いいなぁ、と思いながら読むことができました。語り手は、「雨降らしの先生」と町の人から呼ばれるあまり売れてはいない物書き。雨が好きで人工降雨の可能性を考えている、なんて最初言ってたから科学者かと思ったら、文系的に考えている、ということが後からわかり、それがまた、うふふ・・となんかいいんですよね。古本屋のデニーロの親方、本好きの果物屋の青年、袖口だけで手品をする今は亡き主人公の父親など、大きな存在感はないけど、どこか気になる登場人物たちの醸し出す物語がとてもいいです。主人公が銭湯からの帰り道、古本屋さんと果物屋の青年が、今夜開店だよ、と道で鍋に油揚げを煮付けながらお酒を酌み交わしている場面が特に好きでした。風呂の帰りに屋台で一杯できねぇ町なんて、ろくでもねぇじゃねぇか、という古本屋さんに、うん、そうだよね、なんて思ったり。夜遅くまで果物屋を開けていて、店に座って本を読んでいる青年も、町が暗くなると寂しいだろうから、と、灯りを提供している気持ちなのがわかっていたし、そんな心持ちの人たちが好きだなぁ、と思います。主人公も含めて、登場人物たちは、自分の思っていることをどこか飲み込んでいて全部は外に出していない気がするんだけど、こんなファンタジーじみた物語の中で、そこが逆にリアリティを感じさせる気がするのも面白かった・・・。これから少し吉田篤弘、追いかけてみようと思います。
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「あなたはまだこの面白い小説を知らない」という衝撃的な帯に惹かれて購入。調べてみたら映画化するみたいですね。 不思議な雰囲気の小説でした。なんかほっこり。あー、近所付き合いしたいなー。 【目次】 つむじ風食堂の夜 食堂 エスプレーソ 月舟アパートメント 星と唐辛...
「あなたはまだこの面白い小説を知らない」という衝撃的な帯に惹かれて購入。調べてみたら映画化するみたいですね。 不思議な雰囲気の小説でした。なんかほっこり。あー、近所付き合いしたいなー。 【目次】 つむじ風食堂の夜 食堂 エスプレーソ 月舟アパートメント 星と唐辛子 手品 帽子と来客 奇跡 つむじ風 月舟町余話 ― あとがきにかえて
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不覚にも泣いてしまった。泣ける話ではないのにもかかわらず だ。心が疲れてるときに、ものすごく効くわ。月船町にある名前のない食堂、人呼んで「つむじ風食堂」そこに集まってくる4人の大人たちの、どうってことない(どうってことないにもかかわらず、とっても)ステキな物語たち。4人の大人が交...
不覚にも泣いてしまった。泣ける話ではないのにもかかわらず だ。心が疲れてるときに、ものすごく効くわ。月船町にある名前のない食堂、人呼んで「つむじ風食堂」そこに集まってくる4人の大人たちの、どうってことない(どうってことないにもかかわらず、とっても)ステキな物語たち。4人の大人が交わす何気ない会話がこれまたいいのだ。「電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まあ、あわてるなと。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるから」あぁ、沁みる…
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誰も知らない町、月舟町。だが誰にもなつかしく感じさせるなにかがある。そこに出てくるのはちょっと風変わりな人々。古書店の「デ・ニーロの親方」、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に常連さんが集まるとき、つむじ風が物語を巻き起こす。 感動するという話でもな...
誰も知らない町、月舟町。だが誰にもなつかしく感じさせるなにかがある。そこに出てくるのはちょっと風変わりな人々。古書店の「デ・ニーロの親方」、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に常連さんが集まるとき、つむじ風が物語を巻き起こす。 感動するという話でもないし、驚くような話でもないふつうの話。しかしそこに、なにか暖かいという、なつかしいという気がするような。すこしだけ心がホッとするような連作長編。
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坦々とした日々に、事件もなにも、起こらないけれど。 イルクーツクに行きたい果物屋なんて、素敵かもね。 激、小説に疲れてしまったら、ごろごろしながら読みたくなる。 おれんじ色の夕日みたいな、においがするよ。
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月舟町に住む「先生」とその周りの人々の出来事のお話。 ちょっと懐かしくて優しい物語。 心をほんわかと温かくしてくれます。
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