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つむじ風食堂の夜 の商品レビュー

3.8

459件のお客様レビュー

  1. 5つ

    102

  2. 4つ

    155

  3. 3つ

    134

  4. 2つ

    21

  5. 1つ

    3

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2010/01/01

ほんのりと漂う切なさと、じんわり沁みる優しさが心を暖めてくれる作品です。 ノスタルジックな雰囲気も気に入りました。 さらに私が気に入ったのは、新書のようなデザインの表紙。夜のイメージの黒と、生成りがかったページと文字の配置。つまりブックデザインなんですが…シンプルながら世界観...

ほんのりと漂う切なさと、じんわり沁みる優しさが心を暖めてくれる作品です。 ノスタルジックな雰囲気も気に入りました。 さらに私が気に入ったのは、新書のようなデザインの表紙。夜のイメージの黒と、生成りがかったページと文字の配置。つまりブックデザインなんですが…シンプルながら世界観をよくあらわしてると思います。

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2009/12/31

 短編連作。  つむじ風食堂で夕食を食べたくなったり、手元にオレンジを置いて本を読んでみたくなったり、是非是非エスプレーソを飲みたくなったり。  現実にありそうで、でも、きっとない、そんな月舟アパートとか、名前のない食堂とか、そこでポルト酒を傾けている帽子屋さんとか。  映画も良...

 短編連作。  つむじ風食堂で夕食を食べたくなったり、手元にオレンジを置いて本を読んでみたくなったり、是非是非エスプレーソを飲みたくなったり。  現実にありそうで、でも、きっとない、そんな月舟アパートとか、名前のない食堂とか、そこでポルト酒を傾けている帽子屋さんとか。  映画も良かった。

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2009/12/25

ストーリーらしいストーリーはないのだが、言葉の選択と配置の巧みさで、ついつい読み進めてしまう大人向けのメルヘン。 「雨降り先生」と呼ばれる主人公、万歩計を「二重空間移動装置」と名付けて売ろうとする帽子屋、背の高い売れない女優、読書好きでイルクーツクに行きたいフルーツ屋の店主……...

ストーリーらしいストーリーはないのだが、言葉の選択と配置の巧みさで、ついつい読み進めてしまう大人向けのメルヘン。 「雨降り先生」と呼ばれる主人公、万歩計を「二重空間移動装置」と名付けて売ろうとする帽子屋、背の高い売れない女優、読書好きでイルクーツクに行きたいフルーツ屋の店主……。 一癖ありそうな登場人物は、みんな孤独だけれど、決してさみしくはない。夜ごと、「鯖の塩焼き」を「サヴァのグリル、シシリアンソルト風味」と呼ぶ風変わりな食堂で食事をとりつつ、ささやかながら心を通い合わせている。 その様は、まるで昭和30年代を見るかのような懐かしさだ(もちろん舞台は全然違うけれど)。 この作品の魅力は、なかなか説明しづらいのだが、それをわかりやすく感じさせてくれる一節があるので、書いておこう。 主人公に縁のある喫茶店の店主が、自分の父親にこんなことを言われた、と主人公に語る場面でのセリフなのだが、 「……もし、電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるなと。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるからって」。 何となく、ほっとするでしょ?  そう、そんな風に「ほっと」させてくれる、心優しいお話です。

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2009/12/18

「傷は、そこに人が生きていた証しですから」 「人は上るときにだけ階段の数を数える。おりるときに数えるという人に会ったことがない」 「大人が全力で走るのは、何か怖いことが起きたときなのだ。でなければ、走っているその人が怖い。」 「もし、太陽が死滅してしまったら、それきり昼間は...

「傷は、そこに人が生きていた証しですから」 「人は上るときにだけ階段の数を数える。おりるときに数えるという人に会ったことがない」 「大人が全力で走るのは、何か怖いことが起きたときなのだ。でなければ、走っているその人が怖い。」 「もし、太陽が死滅してしまったら、それきり昼間は消えてしまうのだろうが、夜は宇宙が存在する限りそこにあり続ける。夜とは、すなわち宇宙のことなのである。」 「妄想は想像であり、想像は創造に転ずる」 「いざ、食堂に。 考えるばかりでは埒があかない。といって、食べるばかりでは考えが進まない。が、食べながら誰かと言葉を交わすうち、難しいことが簡単に思えてくることがある。食堂とはそういうところだった。」 もし、すぐ手を伸ばしたところに板チョコがあったとしたら私の中でこの物語は完結してしまっていたのかもなぁ。なんて。 ワニは涙を流さないらしい。

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2011/09/04

すすすーっと読める話なのに、すすすーっと読むのはもったいない。ここには、確かに”空気”があってそこに浸かって居続けたくなる。なんてことない話なんだけど、なんだろう…この感じ。不思議な触感(食感)の小説。

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2009/11/29

なんともこころやさしく、ゆったりとした気分にしてくれる小説でした。その気分を味わいながら素直に読み進めるも良し、一言一言をかみしめながら著者の言葉のセンスを楽しむのも良し、さりげない一節に込められた意味を深く考え哲学するも良し、読まずに本棚に飾っておくのも良し。(だってこの題名、...

なんともこころやさしく、ゆったりとした気分にしてくれる小説でした。その気分を味わいながら素直に読み進めるも良し、一言一言をかみしめながら著者の言葉のセンスを楽しむのも良し、さりげない一節に込められた意味を深く考え哲学するも良し、読まずに本棚に飾っておくのも良し。(だってこの題名、素敵ですよね)

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2009/11/29

 クラフト・エヴィング商會のお一人、吉田篤弘氏の著書。2009年11月21日から、全国ロードショー。  暖かく、心地よい人との距離。ありそうでなさそうな、白熱灯で照らされたような世界を描く。大人むけのファンタジー。  映画見たい!

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2010/10/14

「あっちこっちから風が吹いてきて、それがくるりとひとつのつむじ風になるでしょう?それが、ここってやつじゃないですか?」 すっごく、帯で大絶賛されていたから、これはっ!!と思って手を出したのだけれど、ちょっと違ってたかなぁ。。 もっと、感動的なものとか、そういうものを期待してしま...

「あっちこっちから風が吹いてきて、それがくるりとひとつのつむじ風になるでしょう?それが、ここってやつじゃないですか?」 すっごく、帯で大絶賛されていたから、これはっ!!と思って手を出したのだけれど、ちょっと違ってたかなぁ。。 もっと、感動的なものとか、そういうものを期待してしまったので、想像とは違っていてその点が合わない理由なのだと思う。 もっと、心が穏やかで、急いてなくって、しーんとした夜に読むといいかもしれない。 何はともあれ、この作家さん、もう少し追ってみようか。 【11/23読了・初読・個人蔵書】

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2009/11/24

「月舟町」の十字路にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。そこに集まる人々が織りなす物語。 ****************** 一章一章のの長さが絶妙。 何が起こるわけじゃないけど、この寒い時期にゆったりと読むととても安らぐ。月舟町の、どこにでもありそうな、でも全体が作り上げら...

「月舟町」の十字路にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。そこに集まる人々が織りなす物語。 ****************** 一章一章のの長さが絶妙。 何が起こるわけじゃないけど、この寒い時期にゆったりと読むととても安らぐ。月舟町の、どこにでもありそうな、でも全体が作り上げられた舞台のような世界と、その中にちりばめられた星のような細々としたエピソード、語られる思考が美しい。

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2009/11/18

「つむじ風だった」 何かが起こるわけではないんです 「起」「承」ときて「転」を飛び越して「結」って感じですが 登場人物のちょっと変わった人柄が話を盛り上げてるなと感じます しかし「食堂」と対等に出ているにも関わらず 食事シーンはほぼないように感じます みんな人生と自分の存在の事...

「つむじ風だった」 何かが起こるわけではないんです 「起」「承」ときて「転」を飛び越して「結」って感じですが 登場人物のちょっと変わった人柄が話を盛り上げてるなと感じます しかし「食堂」と対等に出ているにも関わらず 食事シーンはほぼないように感じます みんな人生と自分の存在の事ばかり考えているようです 暗い夜を通り過ぎていく電車の中で 一風変わった人たちの話を 耳をそばだてて盗み聞きしている感覚です

Posted byブクログ