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君は永遠にそいつらより若い の商品レビュー

3.8

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

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2015/03/15

きっと誰からも望まれていなかっとしても自分のきっかけを作って会いたい人に逢いにゆく。メールで連絡をとりたい人、電話で話したい人、会いたい人というように手段別に分けるようにし続けたいとなぜかおもった。会いたい人をメールとかそういう混同はせずにいたい

Posted byブクログ

2015/03/08

特に問題序盤ですごく何か自分につながった物を感じた。多分それなりに色々考えてはいるものの、風変わりで飄々してしまうところに。

Posted byブクログ

2018/12/27

冒頭─── 煙たい味のする雨が下唇に落ちて、わたしは舌打ちをした。傘を持っていないし雨合羽も着ていない。湿気と寒さを我慢して、自分はいつまで掘ってられるんだろうと算段して周囲を見回し、手に余る敷地の広さに辟易しつつ、できるのかできないのかについては考えるのをやめることにした。 そ...

冒頭─── 煙たい味のする雨が下唇に落ちて、わたしは舌打ちをした。傘を持っていないし雨合羽も着ていない。湿気と寒さを我慢して、自分はいつまで掘ってられるんだろうと算段して周囲を見回し、手に余る敷地の広さに辟易しつつ、できるのかできないのかについては考えるのをやめることにした。 そもそもここが彼女の言っていた場所なのかどうかかすらあやしい。駅からタクシーに乗って、南に向かって海岸沿いを流してもらい、最初に見つけた廃車置き場がここだったから、衝動的に降りたのだ。 不確かな啓示に従ってここに辿り着き、正解でなくてもいいと諦めながらもわたしは、キオスクで買ったボールペン一本で、執拗に浅い穴をいくつも掘り返している。 ────── 津村記久子のデビュー作にして太宰治賞受賞作。 彼女の才能の片鱗を感じさせる作品だ。 最近の完成度の高い作品に比べると、独特の文章の面白さは味あわせてくれるものの、少し肩に力が入り過ぎて、ちょっと重たすぎるような文章である。 もともと、どちらかといえば暗いトーンの作品が多い彼女だが、このデビュー作ではそれが長く続く。 それでも、自分の性器が大きすぎて彼女ができないと悩むヤスオカという大学生キャラの設定などは面白すぎる。 大きすぎて痛がられるって、どれだけなんだよ! と笑いながら突っ込みたくなるほどだ。 いつも思うのだが、大学生の女子で、清掃員や工場のラインのバイトをする子なんているのかなあ?清掃員やラインのパートの女子というのは、私のイメージではおばさんしか思い浮かばないのだが。 ま、それはともかく、工場のラインのバイトをやっている主人公ホリガイとその大学仲間や、仕事仲間との色々な事件が綴られるお話。 主人公ホリガイは、まだ女童貞。 いつでもどうぞ、とは思っているものの、なかなかその機会に恵まれない。 そして、なんと初めての相手は───。 驚きの展開でしたな。 おおお。そう来るかあ、と唸ってしまった。 普通の女の子なのに、どこかちょっと考え方が変わっている、自虐的で、物事を深く考えすぎて、というような女子がメインのお話が多い津村さんだが、このホリガイも、そんな女子だ。 実際には、幼児虐待、自殺、少女への性的暴行など、重い話が絡んでくる物語なのだが、最後には明るい光が射し込んでくるような読後感だ。 津村記久子のその後の成長を知る意味でも貴重なデビュー作だと思う。

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2014/10/23

主人公が処女ってだけでもう好感。 頭が良くて(たぶん)音楽の趣味とかも良くて(たぶん)言葉の端々に鋭さを感じるのに処女。彼女は童貞と言い張るけれども。だからこそ処女なのやもしれぬ。 ただわたしの実体験と重ねてこのホリガイが結構リア充じゃね!?と鬱々としてしまった。 この中に、レイ...

主人公が処女ってだけでもう好感。 頭が良くて(たぶん)音楽の趣味とかも良くて(たぶん)言葉の端々に鋭さを感じるのに処女。彼女は童貞と言い張るけれども。だからこそ処女なのやもしれぬ。 ただわたしの実体験と重ねてこのホリガイが結構リア充じゃね!?と鬱々としてしまった。 この中に、レイプ描写が子細に描かれていて、そこのところは胸が苦しくなりながら読んだ。 主人公の彼女が就職を決める理由がなんだかいいなあと思ってしまった。 面白かったです。 ただ段落がつらつら続くところが読みづらかった。人名もカタカナ表記で誰が誰かわからなくなりかけました。 他の方のレビューを読んで知ったのですが、これがデビュー作とは! 息もつかせず読まされました。

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2014/04/22

独特の文体。読み進めにくく行きつ戻りつ。 でも嫌いではない。 ピカチュウ歩数計を持っていてどこかに落としたことを思い出した。

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2013/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

百合作品との前評判を聞いてから読んだことに原因があるのでしょうが、前半のホリガイの日常が冗長で退屈に感じられ、思った以上に時間がかかりました。 読むのを途中で放り出さなかったのは、ひとえにイノギさんの個性に惹かれたからです。 ――髪が黒くて長くて、いつも男物の服をだらしなく着てポケットに手を突っ込み、無精な様子で首を傾けながら、優雅なほどゆっくり歩いている女の子。―― 後半からのイノギさんとの関係性を描くための下地として、ホリガイの無責任さやポチョムキンの理由を描くことが必要だったのかもしれませんが、もう少し短くてもよかったかなと。 君は永遠にそいつらより若い、という題名がすごく魅力的で気に入っているので、作中にも出てくるのかも気にしつつ読んだのですが・・・個人的にはあまりしっくりきませんでした。 本編に直接的な関わりをもたない描写の中でとってつけたように入れたようなのが・・・。 ただ、イノギさんはとても魅力的な人物なので、それだけでも読んだ価値はあったかなと。 疲れたときに背中を撫でてくれる女の子がいてくれたら、というホリガイの想いも。 構成等が個人的な好みとは少し違っていたので、やや厳しめの感想になりました。

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2013/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごく感動したわけじゃないけど、なぜか心に残る作品。 津村さんの作品では「カソウスキの行方」と「とにかくうちに帰ります」を読んだことがあるが、今回のこのデビュー作は雰囲気がちょっと違う。 自虐ネタみたいのはあって笑えるところもあるんだけど、他2作よりは深刻な感じ。 わたしは「ポチョムキン」ではないが、かつて「ポチョムキン」だったころに感じていた焦燥やなげやりな感じに、「そうそう!」とすごく共感した。 この物語の中には色んなやり方で痛めつけられた経験のある人が出てくるけど、そしてその描写は辛いんだけど、全体として悲愴な雰囲気にはなっていない。それって主人公のホリガイの想像力や優しさ、行動力のせいかなと思う。 ホリガイ、いい女です。

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2013/05/26

柔らかな表紙と、賞を取ったということに惹かれて読み始めましたが、うーん・・・。友達が自殺した話や襲われた話はいやだったけど、バイト先の後輩の話なんかはおもしろかったし、登場人物の気持ちに共感するシーンもあり、終わり方も悪くはなかったかな。 ただ、話が前後したり、主人公の追想に入...

柔らかな表紙と、賞を取ったということに惹かれて読み始めましたが、うーん・・・。友達が自殺した話や襲われた話はいやだったけど、バイト先の後輩の話なんかはおもしろかったし、登場人物の気持ちに共感するシーンもあり、終わり方も悪くはなかったかな。 ただ、話が前後したり、主人公の追想に入り込んだりで前後するので、通勤電車でちょこちょこ読む身としては、あれ、これ誰だっけ?となることが多く、結局ナナメ読み直しをするはめになりました・・・。

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2013/01/31

津村さんのデビュー作。 主人公のホリガイは大学四年生。 地道にコツコツと準備して地方公務員の試験に受かった彼女ですが、他人から見た自分に価値観を見いだせず、かと言って自分を変える気持ちもなく・・・。 津村さん、デビュー作で太宰治賞をとっちゃったんだね。(驚) 私は遅れてきた...

津村さんのデビュー作。 主人公のホリガイは大学四年生。 地道にコツコツと準備して地方公務員の試験に受かった彼女ですが、他人から見た自分に価値観を見いだせず、かと言って自分を変える気持ちもなく・・・。 津村さん、デビュー作で太宰治賞をとっちゃったんだね。(驚) 私は遅れてきた読者だから、今、せっせとさかのぼって作品を読んでいるんだけど、最新作の「ウエストウイング」が一番面白くて、次がそのひとつ前の「とにかくうちに帰ります」である、ということに、なんていうか、ありがとうございます、と言いたいです。 だって、誰とは言わないけど(大汗)デビュー作が一番面白い人って結構いると思うんだよね。 長年、たくさんのお話を書いてきていて上手にもなっているんだろうけど、やっぱり最初の作品のキラメキは越えられない、と思ってしまう、たとえば よしもとばなな(彼女の場合は大学の卒論だった!)とか。・・って言ってしまったけど。 この「君は・・」もにももちろん津村さんの匂いが濃く漂っているのだけど、実年齢の若さ=素材のナマさ加減といった感じで、その痛さがちょっと辛い。 とはいえ、津村さんという人は最初から巧い作家さんだったのだ、ということも実感。 痛さが私の年齢ではちょっと辛いけれど、イソガイの自信のなさがたとえばただの引っ込み思案とかいう性格なのではなく、どこかに自分を投げ出してしまいたい、とゆるく願っている彼女が好きだなぁ、と思わされるあたりが、うん、津村さんはやはり只者ではないってことなんでしょうね。 自殺、リストカット、虐待、レイプとその後遺症、レズビアン、そして不思議な失踪(誘拐?)、など、社会の負の部分を一挙に集めてしまったようなお話なのに、イソガイとの距離感の面白さ、また話の中で無理のない展開だと思わされてしまうところは、凄いなぁ、と思います。 イソガイは、ちょっと危うくて前のめりで、というところが、たぶん、津村さんご本人を反映しているんでしょうね。これは一貫して津村さんの小説の登場人物のキャラだし。 でも、何作か書いたことによって、キリキリとした描写だけではなく、ふっと笑えるようなものを入れるようになった、と対談か何かで言われていたことが、うん、そうだね、だから、私、最近のものの方が好きなんだね、と。 痛いばかりでは読んでいる方も身動きができない。 だから、少し感じ方にものりしろがあったほうが好きです。 自殺を美化するわけでは全然ないのだけど、 自殺した男子大学生の遺書には引き込まれるものがあり、物語の先が気になるというのにそこで立ち止まって、三度ほども読み直してしまいました。 「理由は聞かないでください。僕にもわからないので。死んでから後悔するかもしれないとも思ったんですが、すぐに後悔も何もないから死なのだと気付きました。気がかりや、心残りはいくつかあるのですが、焦燥がそれに勝ってしまいました。友達と今まで付き合った女の子たちに。お世話になりました。本当にありがとう。下の階の翔吾君にもよろしく」 翔吾君とは親に虐待されている小さな男の子で、イソガイがその子のへ部屋に入り、救出する場面もとても印象に残っています。 話がどこに着地するのか、初読ではつかめなくて、また、登場人物たちの名前が無機質的に提示されるので、読んでいて誰のことだかわからなくなることがあり、そもそも、タイトルの意味も最終ページが近くなったあたりで明かされる、という、ある意味不親切な小説だったから、これはもう一度ゆっくり読むお楽しみがありますね。 イソガイ 身長175センチ、処女。 なかなかめんどくさいヤツだけど、私、あんたのことが好きだよ。

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2012/11/09

こういう類の本にどういう感想を抱けばいいかわからない。 誰にも感情移入できないからだろう。作者の捉える世界と僕の捉える世界とが乖離しすぎてしまっているのかな。 例えばホリガイさんは女版童貞だと自分を言うけれど、確かに変な人ではあるが、人から好かれないような、性格に決定的に難がある...

こういう類の本にどういう感想を抱けばいいかわからない。 誰にも感情移入できないからだろう。作者の捉える世界と僕の捉える世界とが乖離しすぎてしまっているのかな。 例えばホリガイさんは女版童貞だと自分を言うけれど、確かに変な人ではあるが、人から好かれないような、性格に決定的に難があるような人にも思えなかったりして、考えすぎとしか思えなかったりした。 描かれている大学生活もただのリア充的生活であるしね。 女性作者らしいという言い方はあれだけれど、女性作者らしいうまく人間を観察してるなあという部分があったりして、うまいなあと何回か思った。主観に溢れた文章が女性作者らしさを感じさせるのかもしれない。 “他人にふれまわるほどではないが自分なりに充足していて、けれどその充足は孤独と同居しているというような、そんな感じの人だった” この文章上手いなと思いました。 もっとじっくり、話を展開してくれたら名作だと思ったんだろうけど、ギャグ的な要素とテーマとのバランスが悪くて、終盤にあっさりと、かつ一気に畳み掛けるもんだからよくわからんまま終わってしまったというのが率直な感想。それはデビュー作だからかもしれない。 うーん、うまく感想を持てないな。自分の中で噛み砕いて読むことができなかった。

Posted byブクログ