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君は永遠にそいつらより若い の商品レビュー

3.8

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

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2024/09/01

文学だなあという文体。ちょっとクセのある大学生たちの交友関係の中で自分のあり方を見つめ直していく話。主人公は自分では陰気で何の取り柄もないというようなことを言っているが、交友関係が広くてすごいなと思った。

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2023/01/18

心に刺さる作品だった。一歩引いた目線の一人称が好き。日本のどこかにホリガイとイノギさんが確かに存在しているように感じる。ホリガイの芯にある、生き辛さと不可分な優しさを尊敬する。

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2022/11/20

主人公はいわゆる陰キャなのかと思いきや、すごく行動力があって、相手のことに真剣で、、こんな人、ほんとうにいたら、友達になりたい。 導入部がなんとなく厨二病的というか、個性派ぶっているような感じがしてしまって、むず痒さを感じながら読み進めたが、話がどんどん思った方に進まなくて、S...

主人公はいわゆる陰キャなのかと思いきや、すごく行動力があって、相手のことに真剣で、、こんな人、ほんとうにいたら、友達になりたい。 導入部がなんとなく厨二病的というか、個性派ぶっているような感じがしてしまって、むず痒さを感じながら読み進めたが、話がどんどん思った方に進まなくて、SFでもない日本の日常の話なのに、ハラハラした。 主人公のキャラクターと同じで、全部が予想外。 また、就活中の大学生のなんとも言えない空気感がうまい気がする。自身のを思い出して少し切なくなった。

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2021/09/19

『もう頬づえはつかない』を読んで大学生とはこういうものかと思い、『なんとなく、クリスタル』を読んで全く違った学生生活に驚き、『ノルウェイの森』にはなぜかリアリティを感じた。本作はそうした大学生の生活ぶりを描いた作品に連なるのかと思ったらやや趣が違った。学生生活を描いてはいるけど、...

『もう頬づえはつかない』を読んで大学生とはこういうものかと思い、『なんとなく、クリスタル』を読んで全く違った学生生活に驚き、『ノルウェイの森』にはなぜかリアリティを感じた。本作はそうした大学生の生活ぶりを描いた作品に連なるのかと思ったらやや趣が違った。学生生活を描いてはいるけど、前半部分にちりばめられた様々な友人とそのエピソード、本人の就職志望動機と就職希望先が後半ミステリのように意味を持ってつながってくる流れに驚き、タイトルと装丁の意味が分かった時には脱帽(タイトルは出版時改題されているが絶対に今のタイトルの方がよい。装丁も文庫版より単行本の方がよい)。これがデビュー作らしく文章がやや硬いが、最近読んで引かれた文章の面白さの片鱗がそこかしこに。一番気に入ったのは「ユニセフに怒られてもいいから、どうにかできんもんかな。原付で軽く轢くとか」(p.109)。こんな表現ちょっと思いつかない。 映画化されたようだが、私の中でホリガイは(年齢を無視して)江口のりこだった。

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2021/05/11

地元での児童福祉職に内定が決まっているホリガイは、男性経験がなく、それは自分がとんでもなく不器用な生き方しかできないからだと呪いつつも、粛々と生活を送っていた。 児童福祉の道を選んだ理由はきっと他人には話しても理解のされないものだろうが、そこにある信念のようなものが彼女を付き動か...

地元での児童福祉職に内定が決まっているホリガイは、男性経験がなく、それは自分がとんでもなく不器用な生き方しかできないからだと呪いつつも、粛々と生活を送っていた。 児童福祉の道を選んだ理由はきっと他人には話しても理解のされないものだろうが、そこにある信念のようなものが彼女を付き動かしていく。 ふわふわと進んでいく物語。どこを切り取っても日常にありえないシーンではなくて、読み進めながら自分の大学時代を思い出していた。 奇しくもわたしも京都の大学に通って、児童福祉ではないけれど誰かを助けることができればと心理学を学んでいた。それなりに事件もあった日々だったと思う。 似ても似つかない人生なのに、なぜか自分とリンクしながら読んだ。 誰かがどこかで待っていてくれるということは幸せなことだな。

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2021/03/10

「君は永遠にそいつらより若い」というタイトルに惹かれた。 これは本当に秀逸なタイトルだと思う。 これが津村さんのデビュー作か。すごい。 小説の内容や構成は、「読みづらい」のギリギリを攻めている感じ。 でも、主人公ホリガイの、言葉にできない感じに、すごく共感というか、 「あぁ、そ...

「君は永遠にそいつらより若い」というタイトルに惹かれた。 これは本当に秀逸なタイトルだと思う。 これが津村さんのデビュー作か。すごい。 小説の内容や構成は、「読みづらい」のギリギリを攻めている感じ。 でも、主人公ホリガイの、言葉にできない感じに、すごく共感というか、 「あぁ、そうだよね、わかるよ」と思うところがあった。 大学4年生のホリガイが、就職先(公務員)も決まって、 卒論も出来つつあって、バイトをしながら大学で友達と話したり。 大学時代って、そう、いろんな人と出会うんだよね、と思い出した。 友達の友達が一緒に過ごしたりするのって、社会人になったら、もう無いもんな。 オーディエンス(ホリガイ)に恋人の自殺未遂を自慢する知人がいる一方、 誰にも何も言わず、ひっそりと自死した知人がいた。 行方不明になった子ども、ネグレクトされて閉じ込められてやせ細った少年、性暴力を受けた女子中学生。 ホリガイがネグレクト被害の少年を助けた行動力は、1年ほどの間にホリガイが出会った人たちが、ホリガイの心の奥底に漠然とあった「正義感」のようなものを、形にしてくれたのだと思う。 ホリガイは子どもに対して思う、悪い人たちにつかまるなよ、もしそいつらに踏みにじられてしまっても、「君は永遠にそいつらより若い」、と。 時間というのは誰に対しても平等で、その分、たくさんの時間を持っている君たちは、圧倒的に強いんだ、と。 他人事、きれいごとっぽく聞こえるかもしれないけど、私は、ホリガイの小さき者に対する圧倒的な優しさを感じた。

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2020/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

公務員の仕事に就職が内定しているイソガイさんのこと。 22歳で処女である自分を女の童貞だと思って欲しいこと。 起業すると言って大学を辞めた意識高い系の河北に、 唯一食事に誘われるけれど 単にイソガイさんが意見してくることがないから 都合のいい話し相手と認識されていること。 性格のいい吉崎くんは自分の彼女を河北にちょっかいを出されて少し疎んでいること。 バイト先の後輩で従順だけど少しめんどくさくて幼稚なヤスオカ。 酔い潰れてイソガイさんの家に連れて帰ることになった 河北の彼女のアスミちゃんと彼らの異常な愛の証明の仕方。 河北に頼まれたアスミちゃんの授業のノートのコピーを もらうのをきっかけに知り合ったイノギさんの孤独の正体。 飲み会で知り合った結婚してもいいと思っていた 穂峰くんが実は自死だったと吉崎くんから知り 彼の住んでいたアパートを思い出として訪ね、 穂峰くんが生前気にしていた下の階の虐待疑惑の子供を イソガイさんが大胆にも不法侵入して救ったこと。 イノギさんの過去のつらい出来事をキーワードを探して イソガイさんが休学したイノギさんを訪ねにいくまで。 卒業間際の何となく気だるい毎日での出来事。 長くなった。。。 自分の中にいる、会ったこともない ニュースでしか知らない、男の子のことを思って。 津村さんの話は結構友達の友達繋がりが多くて イソガイさんのなかなか、交友関係広いなー。

Posted byブクログ

2020/04/23

とても良かった。人に薦めたい小説であるのに、その言葉が思い付かない。自分の言語化力と語彙力の足りなさにほとほと落胆すると同時に、この言葉に出来ない感慨がこの本の魅力なんだろうと思ったりもする。

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2020/01/27

先日何気なくジャケ買いして読んだ『とにかくうちに帰ります』が良い感じだったので、若い頃の作品も読んでみた。『とにかく』とは違った面が出た作品だと思うけど、これも気に入った。前情報なしで読んだのに、自分のことかと思うような描写があって心が痛かった。読み返すのは時間が経ってからになり...

先日何気なくジャケ買いして読んだ『とにかくうちに帰ります』が良い感じだったので、若い頃の作品も読んでみた。『とにかく』とは違った面が出た作品だと思うけど、これも気に入った。前情報なしで読んだのに、自分のことかと思うような描写があって心が痛かった。読み返すのは時間が経ってからになりそう。

Posted byブクログ

2018/10/08

31:いつものお仕事小説(もとい、学生小説)かと思いきや、ラストのイノギさん関連のエピソードにぐらぐら揺さぶられました。 モラトリアム。小さな正義が成し遂げられたこと。やっと先に進めるのか。 ちょっと鳥肌。

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