アメリカの鱒釣り の商品レビュー
”百年の誤読”から。好きかといわれたら、それほどでもないんだけど、結局よく分からんままの『アメリカの鱒釣り』っていう造形は凄いんだろうなって思う。タイトルからしていまひとつ意味が分からんのだけど、読んでみて、言葉自体は散々繰り返される割に、結局何を表すのかはいまひとつハッキリしな...
”百年の誤読”から。好きかといわれたら、それほどでもないんだけど、結局よく分からんままの『アメリカの鱒釣り』っていう造形は凄いんだろうなって思う。タイトルからしていまひとつ意味が分からんのだけど、読んでみて、言葉自体は散々繰り返される割に、結局何を表すのかはいまひとつハッキリしないまま。全体としては、主人公をほぼ一とする短編集の体が取られていて、中には分かりやすくて楽しめるものもあったけど、半分以上は意味不明度の方が高い。こういうものはこういうものとして理解すれば良いんですね、きっと。という訳で。
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2008年11月21日~23日。 言葉から喚起されるイメージ。言葉そのもののイメージ。ユニークな構成。小説? 小説!
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「アメリカの鱒釣り」(人物、場所などさまざま)に関する短編集。途中から(「せむし鱒」あたりから)面白くなってくる。レオナルド・ダヴィンチが釣り具会社で働くやつが印象的。
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リチャード・ブローディガンを知り、まずはこの本だ、ということで読んでみた。 が、解釈がとても難しい、いや、解釈しようとしてはだめなのかもしれない。 まったく意味がわからない章も多々あり、「アメリカの鱒釣り」とは一体何なんだ?人なのか、何かの象徴なのか、ただの言葉遊びなのか?何なん...
リチャード・ブローディガンを知り、まずはこの本だ、ということで読んでみた。 が、解釈がとても難しい、いや、解釈しようとしてはだめなのかもしれない。 まったく意味がわからない章も多々あり、「アメリカの鱒釣り」とは一体何なんだ?人なのか、何かの象徴なのか、ただの言葉遊びなのか?何なんでしょうか? 訳者によるあとがきを読んで少し理解できたような気もするが、それでも、「アメリカの鱒釣りちんちくりん」とは何かはわからなかった。 原文で読んでみたいとも思ったが、原文の方がもっとよくわからないのだろうなと思いやめた。 ブローディガンの他の作品を読んでみようと思う。
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アメリカの鱒釣りには、ひとつの何かではなく、様々なものがそれに込められているように受け取られた。トリップしたような独特な文体と相まって、60~70年代風のサイケデリックアートのような、のどかでいながら切実さを帯びた、古びてしまったPOPさを感じた。う~ん。言葉にするのが難しい感覚...
アメリカの鱒釣りには、ひとつの何かではなく、様々なものがそれに込められているように受け取られた。トリップしたような独特な文体と相まって、60~70年代風のサイケデリックアートのような、のどかでいながら切実さを帯びた、古びてしまったPOPさを感じた。う~ん。言葉にするのが難しい感覚だなぁ。
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ごく一般的な、ひとまとまりの物語を記述している小説ばかり読んでいる私のような本読みには、冒頭から当惑する事しきりです。 「アメリカの鱒釣りの表紙?」 「鱒からとれる鋼鉄?」 「ヴァーモントでお婆さんを鱒のいる小川と見間違えたって、どゆこと?」 少し読み進めると、唐突に「りんごの砂...
ごく一般的な、ひとまとまりの物語を記述している小説ばかり読んでいる私のような本読みには、冒頭から当惑する事しきりです。 「アメリカの鱒釣りの表紙?」 「鱒からとれる鋼鉄?」 「ヴァーモントでお婆さんを鱒のいる小川と見間違えたって、どゆこと?」 少し読み進めると、唐突に「りんごの砂糖煮」やら「すばらしきパイの皮」やら「匙いっぱいのプディング」やら「いっぷう変った胡桃ケチャップ」のレシピが出てきて、思わず本に顔を近付けてしまいました。 いくつもの「?」を頭の上に浮かべたまま、小説らしくないこの小説を読んでいくうちに、どうしたことでしょう、その小説世界にどっぷり浸かり込んでいました。 本当に不思議な小説です。 アメリカの鱒釣りに関する短いお話が、文庫本で平均2~3ページでつづられます。 それぞれのお話の間には、とりたてて筋道立ったものはなく、断片的かつ幻想的です。 ただ、読了すると、「アメリカの鱒釣り」というひとつの大きな物語として奥行きを持って立体的に立ち上がって来るのです。 まあ、でも、そんな小難しいことは考えずに、1つ1つのお話を堪能すればいい。 少なくとも、私は途中からそのようにして読みました。 読み進めていくうちに、古き良き時代のアメリカの匂いが行間から立ち上って来ました。 私は何憚ることなく、その匂いを胸いっぱいに吸い込みながらページを繰りました。 その時の私の気分は、間違いなく「幸福」と呼べるものです。 古き良き時代のアメリカらしい、明るく、寛容で、ウィットに富んだユーモアが本書には横溢しています。 アレゴリーも卓抜で、それに触れるだけでも楽しい。 たとえば、 「秋は肉食動物のローラーコースターのように、ポルトワインと、その暗色の甘いワインを呑む人々を連れて行ってしまった」 「オフィスガールたちがペンギンのように、モントゴメリー通りから帰って来る」 「夕食に、そのせむし鱒を食べた。碾き割りとうもろこしをまぶしてバターで焼いたら、瘤はエズメラルダのくちづけのように甘かった」 「(肝臓に空いた穴を)そうさ。医者は、その中で旗が振れるほど大きい穴だといってたね」 などなど。 こんな表現は、日本人にはなかなか出来ませんね。 お話は全部で47ありますが、ぼくは「アメリカの鱒釣りテロリスト」が一番気に入りました。 6年生の子どもたちが、1年生の背中に「アメリカの鱒釣り」と書いて、校長から説教されるのですね。 そのやり取りが何ともおかしくて、クスクス笑いながら読みました。 ちなみにブローティガンは、村上春樹に影響を与えた米国人作家の一人です。 なるほど、春樹はずいぶんとブローティガンから吸収したのだな、と分かります。 興味のある方はどうぞ。
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アメリカの鱒釣りちんちくりんが最高。足がなく居場所もない酔っ払いのアル中がベンジャミン・フランクリン像の前で大イビキをかいて気絶するなんて最高にアメリカ的じゃないかと思った。現にアメリカの鱒釣りちんちくりんは白鯨のエイハブ船長にも喩えられてるが、船長(ちんちくりん)はアメリカの大...
アメリカの鱒釣りちんちくりんが最高。足がなく居場所もない酔っ払いのアル中がベンジャミン・フランクリン像の前で大イビキをかいて気絶するなんて最高にアメリカ的じゃないかと思った。現にアメリカの鱒釣りちんちくりんは白鯨のエイハブ船長にも喩えられてるが、船長(ちんちくりん)はアメリカの大量消費社会に分解されてしまった。あの猛々しい冒険者は今や精神病の不具者に成り下がるしかないのだ。これだけだと現代アメリカの悲劇に聞こえるが、アメリカの鱒釣りはそれを嘲笑うかのような語り口で喜劇に変えてしまっている。そんな語りもアメリカ的だ。
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ウィキペディアでは短編小説集となってますが、れっきとした長編小説です。村上春樹曰くオフビートな小説。 掌編というフラグメントを積み上げて成し遂げられたアメリカの古き良き時代に対する回顧と追憶がテーマとなっており、真の主人公は「アメリカの鱒釣り」という行為である。行為の擬人化という...
ウィキペディアでは短編小説集となってますが、れっきとした長編小説です。村上春樹曰くオフビートな小説。 掌編というフラグメントを積み上げて成し遂げられたアメリカの古き良き時代に対する回顧と追憶がテーマとなっており、真の主人公は「アメリカの鱒釣り」という行為である。行為の擬人化という驚異の小説。 ありきたりな小説しか読んだことのない人にはハードルが高いかもしれない。 昔の自分もそうだった。 だがブローティガンのこの小説は傑作である。 それだけは間違いがない。
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絵画などの有形の芸術と文芸が共通の性質をもっていることを強く認識するに至った一冊でありました。 表層にある、一目見た瞬間に鑑賞者が覚える鮮烈なイメージと、各部分のモチーフや色使い・筆使い・空白のもたせ方などが、後からじっくりと訴えかけてくる、濃いあるいは深い、または鋭い思念のよ...
絵画などの有形の芸術と文芸が共通の性質をもっていることを強く認識するに至った一冊でありました。 表層にある、一目見た瞬間に鑑賞者が覚える鮮烈なイメージと、各部分のモチーフや色使い・筆使い・空白のもたせ方などが、後からじっくりと訴えかけてくる、濃いあるいは深い、または鋭い思念のようなものが同居している一連の文章でした。 ストーリーはもとより、脈絡がまったくつかめない文章です。それをもって「意味がわからない」と一蹴するのは易しいですが、何かを読み取ろうとするか、分からないこと自体を楽しもうとするか、そのどちらかができれば、もっとこの作品を満喫できるものと思います。 解説ではアメリカ文学史上の位置づけなどにも触れられています。ブローティガンがそういった大きな潮流に必死で抗しようとしたのか、あるいは自由な気持ちで筆を進めたのかは分かりません。 ただ、読み手が混乱したり熱中したりすることを想像しながら、その執筆中は案外楽しんでいたのではないかと思いました。
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なんなのこれ なんでもアメリカの鱒釣りにむりやり結びつける徒然なる思いつきのあれこれ アメリカの鱒釣りちんちくりんとかわけわかんなくて面白い
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