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アメリカの鱒釣り の商品レビュー

3.9

67件のお客様レビュー

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    23

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2015/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まだ半分以上は理解できない。比喩?暗喩?スラスラと読めるようになったいつの日かに、また考えることが出来たらうれしい。

Posted byブクログ

2015/03/01

調性を無視し転調を繰り返すかの様な特異な文体と構成。それは入り組んだ迷路の様に見えるかもしれないが、行き止りは存在せずあらゆる出口が開かれている。ブローティガンの想像力は乾いた日常の景色やひび割れた現実をさらさらと洗い流し、淡く優しい土地へと創りかえてしまう。そんな鱒釣りワールド...

調性を無視し転調を繰り返すかの様な特異な文体と構成。それは入り組んだ迷路の様に見えるかもしれないが、行き止りは存在せずあらゆる出口が開かれている。ブローティガンの想像力は乾いた日常の景色やひび割れた現実をさらさらと洗い流し、淡く優しい土地へと創りかえてしまう。そんな鱒釣りワールドに溶け込んだ訳文が破格なまでに素晴らしい。「アメリカの鱒釣りちんちくりん」なんて何度でも声に出して読んでしまう。時代に対して声を荒げたりドロップアウトするのではなく、しなやかにその心を広げようとすること。それはとても気高い行為だ。

Posted byブクログ

2014/06/24

西瓜糖の日々の方が全体にストーリーと描写が好みで個人的に好きだったけど、文の軽快な感じというか、個性的な感じはこっちの方があるのかも。

Posted byブクログ

2014/05/14

 NHK のラジオ講座「英語で読む村上春樹」の解説に登場するアメリカの作家の一人で、今回初めて名前を知った。世界の文学の中でも、アメリカ文学は若干肌が違うと私は感じる。フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を読んでそれを感じた。それは一般論として他のアメリカ人作家にも言える...

 NHK のラジオ講座「英語で読む村上春樹」の解説に登場するアメリカの作家の一人で、今回初めて名前を知った。世界の文学の中でも、アメリカ文学は若干肌が違うと私は感じる。フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を読んでそれを感じた。それは一般論として他のアメリカ人作家にも言えることなのか確認するために、数人のアメリカ文学を読んでみることにした。まずはこのブローティガンからだ。  そしてこの次に狙ってのはサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」だ。本はずいぶん前に用意しておいたが、なかなか取りかかれなかった。ちょうど今がそのチャンスだ。  この作品「アメリカの鱒釣り」を読み始めた時には、何だこれ?何でこんなのが売れてるの?と思ってしまった。これまで読んだ文学作品とはかなり違うからだ。題材もそうだし、言葉遣いがずいぶん異なるし、下ネタなどいわゆる性描写とは違った、汚さとでも言うかそういうものが、何となく肌が合わないように感じられた。  しかし巻末の柴田元幸氏の解説を読んで考えが変わった。この翻訳が出るまでのアメリカ小説は「人生の意味」なり「作者の教え」なりを読み取らねばならないという脅迫観念があったという。しかしこれが出てからは文章の奇想ぶりや語り口の面白さ、背後にある憂鬱などに耽溺するよう誘っているように思え、ものすごい開放感を感じたという。  私はまだまだそんな開放感を得られるほどに読めないが、そういう視点で読むとまた別の捉え方、認識ができるのかもしれない。ぜひそんな読み方が出来る大人になりたいものだ。

Posted byブクログ

2013/11/23

この小説は一貫したプロットがあるような、ないような一風変わったスタイルだ。基本的には、主として西海岸のあちこちで鱒を釣る話なのだが。能天気といえば、まあそうだ。ただ、この小説の書かれた1961,2年頃、アメリカは大きな転換期にさしかかっていた。J・F・ケネディが華々しく大統領に就...

この小説は一貫したプロットがあるような、ないような一風変わったスタイルだ。基本的には、主として西海岸のあちこちで鱒を釣る話なのだが。能天気といえば、まあそうだ。ただ、この小説の書かれた1961,2年頃、アメリカは大きな転換期にさしかかっていた。J・F・ケネディが華々しく大統領に就任したのが1961年。すなわち、ヴェトナムに本格的に軍事介入していく年でもあった。ヒッピーやボブ・ディランの登場も間もなくだ。ブローディガンは反戦、反米を叫ぶことはないが、隠者的に世に背を向けつつ「アメリカの」鱒釣りを書いたのだ。

Posted byブクログ

2013/11/04

なんとも猥雑な感じが、なぜか懐かしい。懐かしいという表現が妥当なのかどうか。 エルロイだったか、サリンジャーだったか。 サリンジャーのナインストーリーズの時は、日本語訳がなじめなくて、原書で読んでみた。生意気だったが、そのほうが意味が理解できるような気がしたし、実際、読んでみたこ...

なんとも猥雑な感じが、なぜか懐かしい。懐かしいという表現が妥当なのかどうか。 エルロイだったか、サリンジャーだったか。 サリンジャーのナインストーリーズの時は、日本語訳がなじめなくて、原書で読んでみた。生意気だったが、そのほうが意味が理解できるような気がしたし、実際、読んでみたことには納得した。 この本も、原書で読んでみるほうがいいのかもしれない。 そして、改めて訳者のセンスに共感できるのかも。

Posted byブクログ

2013/01/06

アメリカンドリームを見られない人々の物語。釣りと言えばヘミングウェイが浮かぶが、彼とは対照的に男らしさの欠片も無い。 訳者、藤本和子の語調が現代日本文学与えた影響は大きいようで、柴田元幸のあとがきや雑誌Coyote2008年7月号に詳しい。

Posted byブクログ

2012/12/11

村上春樹が好きな人は、好きそうだなと思いました。 でも、村上春樹が好きじゃない人も、楽しめると思います。 文体は近しいところがあるんですけど、 アメリカの農村部をテーマにすると味わいがまた違います。 村上春樹の文体があまり好きじゃなかった自分にも、 広くて、自然豊かで、ユーモ...

村上春樹が好きな人は、好きそうだなと思いました。 でも、村上春樹が好きじゃない人も、楽しめると思います。 文体は近しいところがあるんですけど、 アメリカの農村部をテーマにすると味わいがまた違います。 村上春樹の文体があまり好きじゃなかった自分にも、 広くて、自然豊かで、ユーモラスで、自由なアメリカには、 ばっちし合う文章に思えました。 まぁ、奇天烈さと表現を楽しむタイプの本なので、 合う合わないはあるかもしれませんね。

Posted byブクログ

2012/06/10

一行一行じんわりと溢れ出す幻想的な比喩を含む文章の泡立ちに酔いしれながら、〈アメリカの鱒釣り〉のことをなんとなく追いかけていく物語。物語が後から先から少しずつつながるところも、この読書の愉しさだ(でもそんなこと気にしなくていい、読むだけで愉しさに気づけるから)。

Posted byブクログ

2012/05/25

"Stop making sense!"「いちいち意味づけるのはやめようぜ!」(訳・柴田元幸) これは、アメリカのロックバンドであるトーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンの言葉だ。一方的な価値判断の否定。カッコいい言葉ではないか! 本書『アメリカの鱒釣り』も...

"Stop making sense!"「いちいち意味づけるのはやめようぜ!」(訳・柴田元幸) これは、アメリカのロックバンドであるトーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンの言葉だ。一方的な価値判断の否定。カッコいい言葉ではないか! 本書『アメリカの鱒釣り』も、"Stop making sense!"が似つかわしい作品だ。というよりも、価値判断しようがないんじゃないだろうか。ただ、カッコいいなあ、って気ままに感じるだけで、いいんじゃないだろうか。自分はそれでいいと思います。

Posted byブクログ