1,800円以上の注文で送料無料

ユージニア の商品レビュー

3.8

239件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    92

  3. 3つ

    69

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    4

レビューを投稿

2016/01/20

好き。 結局現実って、こんな風に核心は見えない。 色んな人が、いろんな角度から見たものが、モザイクみたいにボンヤリと真相を浮かび上がらせる…様な気がするだけ。 ホントのホントはどうだったかって、絶対に見えないものなんだもの。

Posted byブクログ

2015/02/24

石川県K市で発生した大量毒殺事件をめぐるミステリー。事件の核心部分をどう捉えるかは読み手によって分かれる。白黒を求める人は受け入れにくい作品だろう。より特徴的なのは、事件の全貌を関係者の証言によって語らせることにある。真犯人を知り尽くしたつもりの女。真相にたどり着けず苦悩する刑事...

石川県K市で発生した大量毒殺事件をめぐるミステリー。事件の核心部分をどう捉えるかは読み手によって分かれる。白黒を求める人は受け入れにくい作品だろう。より特徴的なのは、事件の全貌を関係者の証言によって語らせることにある。真犯人を知り尽くしたつもりの女。真相にたどり着けず苦悩する刑事。事件のショックで平穏でいられなくなった関係者。など、事件に振り回された「身近な人間」の内面がわかる描写が秀逸。 綺麗事でないのもリアリティの高さをうかがわせる。

Posted byブクログ

2014/12/10

ある町で大量毒殺事件が起きた。地元の名士だった医者一家の当主の還暦祝いの日、配達されたビールやジュースを飲んで医者一家、親戚縁者、祝いに来ていた近所の住人ら、合わせて十七人が死んだ。生き残ったのはたった二人、家政婦と、その家の盲目の娘だけだった。 事件に居合わせた近所の少女が卒...

ある町で大量毒殺事件が起きた。地元の名士だった医者一家の当主の還暦祝いの日、配達されたビールやジュースを飲んで医者一家、親戚縁者、祝いに来ていた近所の住人ら、合わせて十七人が死んだ。生き残ったのはたった二人、家政婦と、その家の盲目の娘だけだった。 事件に居合わせた近所の少女が卒論としてその事件を再調査し、本として出版した。そこからさらに数年経って、その少女を始めとした事件の関係者に話を聞いて真相にせまっていくミステリー。 久々の恩田陸。不穏な雰囲気が楽しい。いろんな人の話が繋がっていくのが気持ちいい。インタビュアーと同じく、彼女、に多大な期待を抱いていたので、ラストの方は正しくがっかりした。いやー面白かった。フォントも凝っててよかった。

Posted byブクログ

2014/08/27

後味悪い作品だと聴いてワクワクして読んでみた。しかしワクワクする前に本を閉じた。私には合わない文体だった。ハードカバーだった為、本のつくりが凝っていてよかった。星1つはそれ。

Posted byブクログ

2014/07/09

ある街の名家で起きた大量毒殺事件と、生き残った盲目の美少女をめぐる物語。 恩田陸さんの小説読むといつも思うけれど、とにかく不思議な感覚というか、従来のミステリ小説とは違って犯人もはっきりこの人って特定されないし、敷かれた伏線が回収されたのか謎が残る部分もけっこうあるし、いわゆ...

ある街の名家で起きた大量毒殺事件と、生き残った盲目の美少女をめぐる物語。 恩田陸さんの小説読むといつも思うけれど、とにかく不思議な感覚というか、従来のミステリ小説とは違って犯人もはっきりこの人って特定されないし、敷かれた伏線が回収されたのか謎が残る部分もけっこうあるし、いわゆる推理が主体ではない。 人間の深層心理だとか、人間模様だとか、おそらくそっちが主体。 だからすっきりと「犯人はこの人でどういう動機でトリックはこうで」というミステリ小説を求めてる人にはおすすめできないけれど、私はこういう想像力を掻きたてられるような小説好きです。 王道ではないかもしれないけれど、これが“本当のミステリ”なのかなって気もする。 実際現実で起こる殺人事件だって、真実を知るのは、当の本人である殺した人間だけ。 完全な俯瞰で物事を見る“天の目”みたいな存在は現実には絶対ありえないから、事件の真実なんて他人が知れるわけもないまま、いつしか時間と共に流れていってしまう。そういう意味で恩田陸さんのミステリってすごくリアルだと思う。 物語の内容もさることながら、ノスタルジックで美しい文章を楽しめるところもいい。読み手をその世界にぐいぐい引き込むような文章だと思う。 とても読み応えのある小説です。

Posted byブクログ

2014/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恩田さんの作品は夜のピクニック以来二作目。もうほとんど細部を覚えていませんが、きれいな文体、きれいなお話、きれいな人物、だったような気がする。そんなきれいな作風のひとだと思っていたので、この小説の不安定さ、鬱々しさには意表を突かれてとても楽しめました。楽しむ、というお話ではないんですがね。うまく言えないけど。 でもやっぱり夜のピクニックの時にも感じたきれいな文体っていうのはそのまんま、彼女の文章ってほんと感覚的で美しいなあと思いました。青い部屋、白い花、色の描写がほんときれいで引き込まれます。緋紗子のミステリアスな雰囲気も、満喜子の掴みどころのなさも、描写が緻密でとても魅力的でした。風景も人物も、それそのものではなくて、むしろそれに纏う空気を描いているみたい。実体がないという意味ではなくて、実体まるごと空気と一緒に真空パックにいれて保存して、それひとパックで一事象として扱うというか。 こんなふうに物事を書けるひとって、普段どんなふうに物事を捉えているんでしょう。あたまのなかを覗いてみたいような、覗きたくないような。語り手が変わるところも、今の語り手でちょこっとだけ出てきた人が次の語り手になってまた新たな展開を開いていく、お話が二転三転、真相が少しずつ少しずつ明らかになっていく構成力もお見事でした。でも決して真相全部は見せてくれない、明らかにしない。うーん、すごい。お話がちゃんと一点に落ち着かないのも当初はおおう?!としましたが、これこそが狙いだったのかもと画策させてくれます。もう一度時期をおいて読み返したいなあ。装丁もすごくきれいでどきどきしました。表紙を裏返すと出てくる写真、これはどの場面のつもりなんだろう。書きおきを模した最初のプロローグも凝ってて素敵。でもやっぱりハードカバーは重いので、読み返すなら電子書籍買っちゃうだろうなあ。 まあなんだかんだいいつつ、お話そのものよりも、わたしはこの小説の雰囲気の描写そのものを楽しんでました。ストーリー自体はまあ、賛否両論、やっぱりわたしも少し腑に落ちないところあり。でもそんなことどうでもよくなるくらい、このひとの文章がわたし好みでとてもお腹いっぱいです。

Posted byブクログ

2014/05/26

恩田陸作品のはずなんだが、毒少なめの湊かなえ作品を読んでる気分に(笑) 恩田陸ってこんな作風だったっけ?(@_@;)

Posted byブクログ

2014/05/10

祖父江さんの装丁。 中身の文字まで、目ではわからないくらいに角度がつけられ、読みにくさ&不穏感を煽る。 サルスベリ

Posted byブクログ

2014/03/04

ある街のお医者さん一家が近所の人達を呼んでお祝いしている際、毒殺事件が起こり、ほとんどの人が命を落とした。目の見えない、その家の長女を残して…その事件を目撃してしまった近所に住む少女が、大学生の時に事件の事を調べ直し卒論を書いた。それが書籍になる。本人は犯人をその家の長女だと疑う...

ある街のお医者さん一家が近所の人達を呼んでお祝いしている際、毒殺事件が起こり、ほとんどの人が命を落とした。目の見えない、その家の長女を残して…その事件を目撃してしまった近所に住む少女が、大学生の時に事件の事を調べ直し卒論を書いた。それが書籍になる。本人は犯人をその家の長女だと疑う… 話手がコロコロ変わるので、ちょっと読みづらい気はしたが、この不思議な世界観に引き込まれ、読んでいて楽しかった。「夜のピクニック」とは全然違う世界観だったので、いい意味で同じ作者の作品とは思えなかった。

Posted byブクログ

2014/03/02

遠い夏、白い百日紅の記憶。死の使いは、静かに街を滅ぼした。知らなければならない。あの詩の意味を。あの夏のすべてを。(「BOOK」データベースより) 恩田さんらしいサスペンス。夏の暑さや街並みの描写はさすが。じわじわとした恐怖。

Posted byブクログ