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ユージニア の商品レビュー

3.8

239件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    92

  3. 3つ

    69

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    4

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2020/04/17

何度、読み返したことだろうか。大好きな大切なミステリー小説です。 いろいろな視点からじわじわと真相に迫る感じ。 恐らく犯人はこの人だろうと分かっている。 でも、もしかしてあの人?とも思う。間接的な意味で。 ハッキリとした結論がないだけに、想像力を掻き立てられるのです。

Posted byブクログ

2019/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

K県の風情ある街並みの残る街で、代々医者をしている家の主の誕生日を祝う日、その家には毒の入った酒とジュースが届けられた。家族はじめ近所の子供や祝いに来ていた客人たちに振舞われたそれは、華やかな祝宴を一瞬で地獄絵図へと塗り替えた。 幼いころ、この事件に関わった少女は、大学生になりこの事件の関係者に話をしてもらってまわり、一冊の本を出すことになる。本は話題となりまたあの事件に光があたった。犯人の自殺という終わりを迎えたこの事件はいくつかの謎を残し、そしてたった一人の生き残りである少女の目が見えなかったために、彼女はまるで悲劇のヒロインのように街の人間の中に残った。 本が発売され、話題となってからまた時間が過ぎ、作者の女性、彼女とともにあの家の異常を発見した兄、下の兄、毒を飲みながらも飲み込んだ量の関係で生き残った使用人の女性の娘、事件を追っていた刑事、犯人の男と面識のあった少年。インタビューの形をとり、またはその人の思い出として語られる事件のあらまし。この聞き手は誰なのか、なんのためにまたこの事件を掘り起こそうとしているのか。そしてみんなが神のように語る生き残りの盲目の少女緋沙子はいったい何を“視て”いたのか。 生き残ったもう一人の使用人をしていた女性が、刑事からの折り鶴を受け取って泣き崩れた時に「違うんです」といった真相は、緋紗子とその母親との関係を知っていたからなのか。どうして本の作者である満希子の幼いころの章でだけ緋紗子は久代と書かれているんだろう。こうだったのかも、ああだったのかもと、読み終わってしばらく舞台となった町を歩きながら考えを巡らせているような気分で考え続けていた。 気になって気になって、ネットで何人かの考察を読んで納得。三章(久代)は【忘れられた祝祭】の一部抜粋だったのか。なるほど。そういう仕掛けがすごく好き。そう思って読むと、意味深な章だなぁ。

Posted byブクログ

2019/06/13

それぞれの語り形式で語られる事件の概要。 出てくる登場人物がそれぞれその大量殺人の概要を語っていって事件の全てがだんだんわかってくる、っていうゲームのような本なんだけど。 事件が起きた家族の友達。とか、捜査した刑事とか、お手伝いさんの娘とか、周りから徐々に徐々に確信に迫ってい...

それぞれの語り形式で語られる事件の概要。 出てくる登場人物がそれぞれその大量殺人の概要を語っていって事件の全てがだんだんわかってくる、っていうゲームのような本なんだけど。 事件が起きた家族の友達。とか、捜査した刑事とか、お手伝いさんの娘とか、周りから徐々に徐々に確信に迫っていって、はて?このインタビュアーは誰なのか?さて、犯人はこの中にいるのか!? っていうドキドキで読み進め、進め、進め、ラストのとうとう!核心へ!動機が!と、思ったら、なんと最後の最後で、ファーー〜と、終わり出した。 え! 犯人は!?え!?なんで!?なんだったの!?え!? いやちゃんと読んでたらわかるの!?これ!?え!? 誰かの証言組み合わせたらわかった!?ラストのファーー〜で!わかるの!?これで!あーー!!ってなるの!? え!?ダメ、わかんない!?なんで?なんなの!? っていうオチ。 面白かったのになぁ。結局わからなかった。笑笑

Posted byブクログ

2019/03/21

25年前 K市でおきた、素封家一族 大量毒殺事件 たったひとり生き残ったのは、盲目の美少女 犯人死亡のまま終わった謎多きこの事件 本当の真相は・・・ 多くの人間の語りによって少しずつわかってくる事実 そして薄紙1枚謎の残ったままの結末 もやもやするけど、美しい1冊

Posted byブクログ

2019/03/20

モヤっと感が残る作品。 後味は村上春樹の読後と同じ。 この作品で何を言いたかったのか、読者何を考えさせたかったのか曖昧。 もっとスッキリする小説が読みたくなった。

Posted byブクログ

2017/08/18

地元の医師宅である日起きた大規模毒殺事件。子供の頃その事件に関わった彼女は、ある目的のためにその事件のことを小説として書くのだが…。 もやっとした終わり方に消化不良。 折り鶴の刑事さんにほっこりしたのが救いのような感じ。緋紗子の母の事件との関わりは?毒はどこで入手?私は実行犯=ユ...

地元の医師宅である日起きた大規模毒殺事件。子供の頃その事件に関わった彼女は、ある目的のためにその事件のことを小説として書くのだが…。 もやっとした終わり方に消化不良。 折り鶴の刑事さんにほっこりしたのが救いのような感じ。緋紗子の母の事件との関わりは?毒はどこで入手?私は実行犯=ユウジンさん、教唆=緋紗子、だと思っていたけど、どうなんだろう。そして、私だけが緋紗子の本当を知ってる!と憧れじみたものをずっと抱く満喜子が怖かった。毒を盛る心境がわかりたいからと言って、家族の食卓に毒を盛る?

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2017/06/23

とある事件について、いろいろな人の目を通して語られる物語。 直木賞に選ばれたからか、図書館で昔の本も書庫から出してコーナー作ってあり、普段は閉架になっている本なので、ちょうどいいと思い読みました。 昔に読んで、全然意味わからなかったのですが、ユージニアという言葉だけはなぜか記憶...

とある事件について、いろいろな人の目を通して語られる物語。 直木賞に選ばれたからか、図書館で昔の本も書庫から出してコーナー作ってあり、普段は閉架になっている本なので、ちょうどいいと思い読みました。 昔に読んで、全然意味わからなかったのですが、ユージニアという言葉だけはなぜか記憶に残っていました。恩田さんときくとユージニアを思い浮かべるくらいです。 内容についてはいつものごとく覚えてなく。 覚えていたのはユージニア、わたしのユージニアというフレーズと、夢の通い路という折鶴が出てくるということでした。

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2017/02/12

 作品解説:あの夏、青沢家で催された米寿を祝う席で、十七人が毒殺された。ある男の遺書によって、一応の解決をみたはずの事件。町の記憶の底に埋もれた大量殺人事件が、年月を経てさまざまな視点から再構成される。  過去に起きた大量虐殺事件を、各章毎に様々な人物の視点から検証する。一つの...

 作品解説:あの夏、青沢家で催された米寿を祝う席で、十七人が毒殺された。ある男の遺書によって、一応の解決をみたはずの事件。町の記憶の底に埋もれた大量殺人事件が、年月を経てさまざまな視点から再構成される。  過去に起きた大量虐殺事件を、各章毎に様々な人物の視点から検証する。一つの真実に対する万人の主観。目に見えるモノだけが全てではない。  なんとも言い難い不思議な作品です。内容の曖昧さを物語るかのように、表紙を裏返すとぼんやりとしていた町並みがくっきりと映る(緋紗子の心情を表現しているのだろうか?)。ある種「Q&A」の二番煎じと言う感も否めませんが、各所に散りばめられた、背筋のゾッとするような表現は見事。ファンタジーともホラーともとれる作品で、霞みがかったような「もわもわ」した作品が好きな方にはオススメ。

Posted byブクログ

2017/01/26

独特の世界観で話が進み、引き込まれていく。ただし、誰のこと、この彼女は誰を指す?、誰が話し手?、何で死ぬの?疑問は解決されないまま終わり。自分に理解力がないのか、と思わせる不思議な作品だ。

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2016/07/23

なんでこんなにざわざわした気持ちになるんだろう。じわじわと得体の知れない不安な気持ちになる。何かとてつもない衝撃が待ち受けているのではないかという不安。 これも,祖父江慎の本のデザインの話を読んで実物を見たくなったというのが,本を手にしたいちばんの理由だけれど,そのレイアウトの...

なんでこんなにざわざわした気持ちになるんだろう。じわじわと得体の知れない不安な気持ちになる。何かとてつもない衝撃が待ち受けているのではないかという不安。 これも,祖父江慎の本のデザインの話を読んで実物を見たくなったというのが,本を手にしたいちばんの理由だけれど,そのレイアウトの細かな工夫と同じく,ストーリーそのものにも引き込まれてどんどん読み進んでいった。 指摘されなければ,気がつかないくらいの(それはじぶんの観察力のなさを告白してしまっているようだけど)僅かな操作が,気にし出すとほんとうに気になってしょうがない違和感として設えてあるブックデザイン。それは,各章の話を注意深く読み進めることでやがていろんな点でつながっていくストーリーの面白さや不思議さとリンクして,この本が物質的にも内容的にもミステリアスなものになっていた。

Posted byブクログ