回転木馬のデッド・ヒート の商品レビュー
着眼点やテーマが独特でおもしろい。 なぜその話をしようと思ったのか。そして必ず疑問形で村上さんに語りかけてくる登場人物たち。 人と話そうと思ったって、そんなにすぐに出てこないような話を短編でまとめあげる能力がすごいなと。 村上さんの独特の言い回しにも落ち着きを感じるようになってき...
着眼点やテーマが独特でおもしろい。 なぜその話をしようと思ったのか。そして必ず疑問形で村上さんに語りかけてくる登場人物たち。 人と話そうと思ったって、そんなにすぐに出てこないような話を短編でまとめあげる能力がすごいなと。 村上さんの独特の言い回しにも落ち着きを感じるようになってきた。 これが村上ワールドか。 今年に入ってから本を40冊読む目標を立てたのだが、読み終わることが目的となって、目の前の本とちゃんと向きあえていない気がしていた。本は1冊ずつ読むのではなく少しずつ色んな本を同時に読めばいいのでは、と思い、この本は、1日に1編ずつ、少しずつ読んだ。余韻も楽しんだ。最後は駆け足になってしまったが、久しぶりに本を大事にできた気持ちになれた。 109/140
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『類は友を呼ぶ!?小説のような聞き語り短編集』 小説でもノン・フィクションでもない他人から聞いた話を春樹フィルターを通して書き記した8つのスケッチ集。回転木馬のデッド・ヒートのように、最後に残るのは無力感… でも、その過程には独自のドラマが刻まれている。
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嘔吐1979、野球場、タクシーに乗った男、今は亡き王女のための、レーダーホーゼン なにかこれという特徴が全面的にあるわけではないけど、独特で奇妙で魅力的な世界観
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《目次》 ・「はじめに・回転木馬のデッド・ヒート」 ・「レーダーホーゼン」 ・「タクシーに乗った男」 ・「プールサイド」 ・「今は亡き王女のための」 ・「嘔吐1979」 ・「雨やどり」 ・「野球場」 ・「ハンティング・ナイフ」
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面白かった 村上春樹の作品は小説?とはいえ考えるきっかけになるし、勉強になると思った。 「今は亡き王女のための」が好き
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著者自身が小説になる前のスケッチであると称する文章群であるが、ブラッシュアップの必要がない無垢な短編集であるとも言えよう。
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収められている短編はどれもはっきり言ってポイントがよくわからない。だがそれでもどうしても村上春樹に惹かれるのは、斯様にテーマが今ひとつ掴み難い作品の中に著者の文章に対する誠意を感じ取ることができるからだと思う。 著者の文章は恐ろしく丁寧だ。その丁寧さはすなわち読みやすさであり、読...
収められている短編はどれもはっきり言ってポイントがよくわからない。だがそれでもどうしても村上春樹に惹かれるのは、斯様にテーマが今ひとつ掴み難い作品の中に著者の文章に対する誠意を感じ取ることができるからだと思う。 著者の文章は恐ろしく丁寧だ。その丁寧さはすなわち読みやすさであり、読みやすさは読書にイメージの喚起をもたらす。イメージさえ喚起できればあとはもう著者の作り出す世界にひたすら没頭するだけである。何気ない日常の風景の描写に心地よい深みを感じることができるのは村上春樹の作品を除いて他にないと思う。
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再読。内容はほぼ覚えていなかった、おもしろかった。 最後の短編の舞台が、南国で読むのにちょうどよかった。 スポイルってここででてきたのね。
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著者が出会った人々の実話に基づく短編集。大筋は事実とのこと。己の価値観と相容れない部分は多いが、人間の感情や行動が理屈で割り切れないことは理解できる。好みでいえば、最後の「ハンティング・ナイフ」が読みやすかった。私には車椅子の青年がどことなく無彩色に感じられ、その彼とハンティング・ナイフのミスマッチが印象に残った。
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よくわからない話がよくわからない着地点で終わる、ザ村上春樹の短編という感じで安心感がある。サクッと読める。
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