回転木馬のデッド・ヒート の商品レビュー
むかしむかしこの本を読んだ直後、村上春樹に手紙を書いた。 つまらない自分の日常もこの人に聞いてもらえたら、小説になる気がしたから。
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長さもちょうど良くて読みやすい 長すぎたらわけわからん方向に話が進んでしまうけん、村上春樹の短編は好かれれるのかなあ
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「吐く」とか「寝る」というものが多い、村上文学の特徴的な作品の一つと言える。 作者がゆかりのある人から聞いた話として、語られているのが面白い。 非常に興味深い話ばかりである。一読を薦める。
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他人の話って、嘘かほんとかわかんないけど、そこが面白いのかね。 この作品も、真偽はともかくとして、ある人々が体験した不可思議な出来事を拾い上げてまとめたもの。 現実の秩序や法則なんて脆いもの。説明できないことなんて、この世には山ほどあるみたいです。
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【Memo】 著者が今まで人から聴いた話の中で、どうにも気になるものを小説に収めた短編集。 村上春樹の本を読むのは実はこれが初めてだったのだけど、事実を述べているにしても状況描写が克明で生々しく、文の中に引き込まれてしまった。 この本には、人が抱えるモヤモヤ感やどうにも...
【Memo】 著者が今まで人から聴いた話の中で、どうにも気になるものを小説に収めた短編集。 村上春樹の本を読むのは実はこれが初めてだったのだけど、事実を述べているにしても状況描写が克明で生々しく、文の中に引き込まれてしまった。 この本には、人が抱えるモヤモヤ感やどうにも払拭できないような不明瞭な気持ちが描かれているが、そのような気持ちを経験したことがある人は自分も含め案外多いんじゃないかと思った。 それに対して村上さんが冒頭で述べていた文章がなかなか衝撃的だった。 『我々は我々自身をはめこむことのできる我々の人生という運行システムを所有しているが、そのシステムは同時にまた我々自身をも規定している。それはメリーゴーランドによく似ている。それは定まった場所を定まった速度で巡回しているだけのことなのだ。どこにも行かないし、降りることも乗り換えることもできない。誰も抜かないし、誰にも抜かれない。しかしそれでも我々はそんな回転木馬の上で仮想の敵に向けて熾烈なデッドヒートをくりひろげているように見える。』 『我々が意志と称するある種の内在的な力の圧倒的に多くの部分は、その発生と同時に失われてしまっているのに、我々はそれを認めることができず、その空白が我々の人生の様々な位相に奇妙で不自然な歪みをもたらすのだ。』
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ドイツの半ズボンの話しと 嘔吐の話しが好き。 これだけみたら、何のこっちゃかわからない小説ですよね(笑) くっきりハッキリしない、輪郭がボヤボヤしてる様な印象を受けたけど、私は楽しめた。
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プールサイドで知り合った彼は やりがいのある仕事と高い年収と幸せな家庭と 若い恋人と頑丈な体を持っており、 それ以上何を求めればいいのかわからなかった。 彼は自分が追いつつあることを自覚し、 35歳を人生の折り返し点と決めた。 村上さんが聞いた事実をスケッチとして残した8点。 ...
プールサイドで知り合った彼は やりがいのある仕事と高い年収と幸せな家庭と 若い恋人と頑丈な体を持っており、 それ以上何を求めればいいのかわからなかった。 彼は自分が追いつつあることを自覚し、 35歳を人生の折り返し点と決めた。 村上さんが聞いた事実をスケッチとして残した8点。 この話って全部本当にあったことなのかなぁ。 「タクシーに乗った男」や「嘔吐1979」は出来すぎている感じ。 でもどこからが事実でどこからが虚構かなんて つきつめていったらきりがないですよね。伝聞なんて特に。 絵になるのは「ハンティング・ナイフ」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
論理が通じていないようで、しっかりと話の筋が通っているストーリー。実話を前置きにしているせいなのかなんだかわからないが、おかしいだろというツッコミや笑うことなんだろうななんていう部分が読んでいる最中には出てこなくて、「ああこういう思考で話を進めていくんだ」と感心している方が多かった。 人の大して重大でない場面での倫理観とか無根拠の欲望をうまく引き出して書いてると思う、語り口がどんどん物語の話しが進むに連れて主観的な言葉になっていくのをどこまで追えているのかはわからないけれど、ここで出てきた事件とその前の段階で示されていた説明時の人物像がどの話でもすっきりと繋がってしまっていた・・・と思う。破天荒なストーリーがなくても著者本人が割とキツ目のシモネタや倫理観の話をしてから導入していくのでうまくかみ合わせも出来ている。
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なぜか岩倉で出会うまで見かけたことがなかったけど、読みやすさと描写がとってもすきです。ほんとに人にあってる気になる。それを俯瞰してるような。
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村上春樹を読むと、その文章のリズムを追ってるだけで気持ちがやすらぐ・・・とくに元気の無いときには。きっと、生きていくうちにはどうにもならないことがあり、肩の力がぬけてしまうような脱力感を味わうこともある。世の中にはそんなことはたくさんあって、それを冷静に皮肉をこめて眺めたら、けっ...
村上春樹を読むと、その文章のリズムを追ってるだけで気持ちがやすらぐ・・・とくに元気の無いときには。きっと、生きていくうちにはどうにもならないことがあり、肩の力がぬけてしまうような脱力感を味わうこともある。世の中にはそんなことはたくさんあって、それを冷静に皮肉をこめて眺めたら、けっこう笑える。村上春樹の短編集はそんなお話がつまっている。 中にはユーモアたっぷりすぎなお話もあるけれど、読んだらなんとなくスッキリ、私にとっては眠れない夜に欠かせない短編集のひとつ。
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