回転木馬のデッド・ヒート の商品レビュー
読み終わったあと、 なぜか高校の時の友達にこの本をプレゼントしたい衝動を 抑えきれなくなり、無理にプレゼントしました。 だいぶ迷惑だったと思います。 突然行動したくなるヒントがこの短編集にはつまっているはずです。 内容まったく覚えてませんが。
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本読みたい月間みたいなときまとめ買いしたうちの一つなので、そんな読み込んでない。 ゆえの新鮮さがいい、短編集。
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2011.9.27読了。 どの短編にも不快な違和感を抱かないのは、自らもまた平凡な人生をおくりながら、心の何処かに「おり」をためているからなのかもしれない。
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人から聞いた話を事実を曲げずに読み物にしてしまうのは、やはり小説家の腕だろう。八つの話のそれぞれに、ちょっと不思議な感覚が。 色んな人生のスケッチブック。
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作者いわく、小説ではないらしい。かといって、ノンフィクションでもないらしい。 事実を元にはしているけれど、いろいろ脚色等もあるらしい。 短編集8つからなる一冊ですが、「海辺のカフカ」などの村上作品とは異なり、盛り上がりはありません。 ただひっそりと、穏やかに、語られるべき物語...
作者いわく、小説ではないらしい。かといって、ノンフィクションでもないらしい。 事実を元にはしているけれど、いろいろ脚色等もあるらしい。 短編集8つからなる一冊ですが、「海辺のカフカ」などの村上作品とは異なり、盛り上がりはありません。 ただひっそりと、穏やかに、語られるべき物語が語られるときを迎えたために村上春樹の手によって表に出てきたという感じでしょうか。 私が好きなのは、「嘔吐1979」と「レーダーホーゼン」と「今は亡き王女のための」です。 非日常があまりに非日常すぎて混乱している彼らは、きっと、日常は日常として普通に暮らしているんだと思います。 その混乱にいかに乗っていくか……私もちょっと吐いてこようかな!
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”はじめに・回転木馬のデッド・ヒート”の中にあった「我々はどこにも行けない」という言葉が非常に面白いな、と思いました。 そしてだからこそ小説というものは面白いのかなと。 ちなみに著者いわくこの本は小説ではなく、「スケッチ」なんだそうです。
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村上氏は人の話を聞く事がお好きなのだということがなんだか一番印象に残った。 さまざまな人が著者に話したお話を文章にされたもの。特にレーダーボーゼンが後を引く感じがした。きっと一番わかりやすく自分の中に取り込めたのだと思う。半ズボンの魅力。 結局読み終わって彼が何を言わんと...
村上氏は人の話を聞く事がお好きなのだということがなんだか一番印象に残った。 さまざまな人が著者に話したお話を文章にされたもの。特にレーダーボーゼンが後を引く感じがした。きっと一番わかりやすく自分の中に取り込めたのだと思う。半ズボンの魅力。 結局読み終わって彼が何を言わんとしているのかわからず混乱する。ただ不思議な余韻が残る。実に不思議だ。
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所々好きな表現や比喩が出てきた。 情景の描写が細かくて自分の想像力の域を遥かに超えていて、イメージするようにして読まないとリアリティを伴わない。ここらへんが村上春樹のすごさの片鱗なのかな、と推測しながら読んだ。相変わらず洒落臭い。思いやりが内在されている文章だと感じる。 とりあえず自分という入れ物に通しておきたいコトバを綴る。 「自己表現が精神の解放に寄与するという考えは迷信であり、好意的に言うとしても神話である。少なくとも文章による自己表現は誰の精神をも解放しない。もしそのような目的のために自己表現を志している方がおられるとしたら、それはやめた方がいい。自己表現は精神を細分化するだけであり、それはどこにも到達しない。もし何かに到達したような気分に成ったとすれば、それは 錯覚である。人は書かずにいられないから書くのだ。」 ちゃん。
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様々な人生のスケッチ。 ○他人の話を聞けば聞くほど、そしてその話をとおして人々の生をかいま見れば見るほど、我々はある種の無力感に捉われていくことになる。おりとはその無力感のことである。我々はどこにも行けないというのがこの無力感の本質だ。(15頁) ○彼は凡庸という名のタクシー...
様々な人生のスケッチ。 ○他人の話を聞けば聞くほど、そしてその話をとおして人々の生をかいま見れば見るほど、我々はある種の無力感に捉われていくことになる。おりとはその無力感のことである。我々はどこにも行けないというのがこの無力感の本質だ。(15頁) ○彼は凡庸という名のタクシーの中に閉じこめられていました。彼はそこから抜け出すことができませんでした。永遠にです。本当の永遠です。凡庸さが彼をそこに生じせしめ、そして凡庸な背景の檻の中に埋め込んだのです。哀しいことだとお思いになりませんか?(53頁) ・老いの自覚
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日本人離れした比喩が特徴だと思う。 独特の言い回しに好みがわかれるかもしれないけれども、言いすぎず、言わなさ過ぎず、絶妙に事実を述べていくさまは読んでいてとても心地よいリズムを創りだしてくれる。 個人的に、どの話にも、「わかりますか?」という、他者への問い掛けをする主人公がいることが際立って面白かったところ。 「わかりますか?」の、問いかけが必要な、言葉にしきれない体験。 それを、無理するわけでもなく冷静に一字ずつ文をすすめる筆者の力量は純粋に感嘆すべきものであると思う。
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