昭和史 の商品レビュー
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元出版社編集長&歴史作家による昭和初年~20年までの講演録。30万部以上売れているらしい。 学者とは違い、ジャーナリストらしく当事者への取材を通じた生の下地があり、御年80歳ながらも語り口も軽妙で読みやすい。満州事変から敗戦まで、明治・大正と坂の上を駆け上がった後でいかに転落していったかを描くが、近年続々と発表されている当事者の語録や当事者への取材、英米露で戦後明らかになった記録など、事実関係のみに着目すればよく整理されていて参考にはなる。 ただ、なにぶん終戦後に青春期を迎えた反動世代ゆえに、当時の指導層に対して必要以上に辛らつで自虐的であり、伝統文化的には深みはないと言わざるをえず、「戦後歴史観」の見本として割り切って読む必要がありそう。 これから歴史を学ぶ学生や子どもにはまったく持ってオススメできず、最も売れている通史ゆえにかなり心配ではある。ある程度物のわかった大人が苦笑しながら読むには良いのかもしれない。
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生まれる前の事を何も知らず過ごすのは怖い!と思い、手に取った本。 文章も硬く、2~3度読み返さねばならないかなと覚悟をしていたが、非常に読み易い。 文章の軟らかさは何だろう?と思えば、本当に講義をして、その口調を文章に叩き起こしたからだったのか! 非常に勉強になりました。 怒涛...
生まれる前の事を何も知らず過ごすのは怖い!と思い、手に取った本。 文章も硬く、2~3度読み返さねばならないかなと覚悟をしていたが、非常に読み易い。 文章の軟らかさは何だろう?と思えば、本当に講義をして、その口調を文章に叩き起こしたからだったのか! 非常に勉強になりました。 怒涛の昭和と云う時代への取っ掛かりに最適かと思う。 図書館で借りて読んだが、これは是非手元に欲しい一冊。
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語り口は講義調で、非常に読みやすい。その点はおどろきました。 著者の歴史観、人物評が表れている点が気になるなら複数の書物で読み比べてみるべき。 膨大な登場人物の数の中に、既知の人がいたり、再登場する人がいたりで、同一人物が重大な場面に遭遇する因果を感じます。 戦争は二度と繰り返さ...
語り口は講義調で、非常に読みやすい。その点はおどろきました。 著者の歴史観、人物評が表れている点が気になるなら複数の書物で読み比べてみるべき。 膨大な登場人物の数の中に、既知の人がいたり、再登場する人がいたりで、同一人物が重大な場面に遭遇する因果を感じます。 戦争は二度と繰り返さない、あやまちは、という前に、なぜこのような歴史を歩んでしまったのだろうかという点を学ぶ、その学びの端緒になる本だと思います。 戦記物で、戦端が開かれてからの出来事は知っていましたが、開戦に至る政治的、外交、国際情勢について、また、日露戦争後、中国大陸で持っていた権益など、当時の空気が読める。 開戦に至るまで世論を動かし、日本社会の空気を戦争に持って行ったのは、朝日、毎日、といった大新聞だったと強調されている。 現代は受動的な報道だけでなく、取捨選択して情報を取り込むことができる時代だ。日本以外のマスコミの報じるニュースも読むことができる。どんな時代でも国民一人一人が意識をもって国や指導者の言動を監視し、自由に批判できなければ、危険な道が待っている。 批判を嫌い、言論の自由を封じたことが、対英米戦争に突入し、必然的に国を焦土と化した原因と思われた。 謀略で戦端が開かれたり、自分の思い通りに事を運ぼうとする軍事エリートの考えは危ういものだと感じた。 「310万人の死者が語りかけてくれるものは?」 一人一人の人生を犠牲にして、その後がある。 読みやすい本なので、手もとに置いておきたくなりました。
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壮大なノンフィクション。 平成生まれの僕は半ば小説を読んでいる気分でした。 本当にそんな事があったのかと、腹にストンと収まらないのです。 リアリティはこれ以上無い程伝わってきます。 もちろん実際に戦争を体験した人達との感じ方には、 決して超えることの出来ない壁はあるかもしれませ...
壮大なノンフィクション。 平成生まれの僕は半ば小説を読んでいる気分でした。 本当にそんな事があったのかと、腹にストンと収まらないのです。 リアリティはこれ以上無い程伝わってきます。 もちろん実際に戦争を体験した人達との感じ方には、 決して超えることの出来ない壁はあるかもしれません。 ですから、尚の事「本当に遭った事」だと感じたい。 そう感じれば、戦争に至った原因と過ちについて深く考える事が出来るのだと思うのです。
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第一次世界大戦終了後から太平洋戦争集結までを談話形式でまとめた一冊。高校時代に日本史選択だったのですんなり読めた(そうじゃなくても読めると思うが)。 2.26事件がなぜ昭和史において重要な意味を持っていたかなど、受験時代には単語の羅列だった単語の「その当時にとっての意味」が非常によく分かる。 何より衝撃的だったのは、太平洋戦争に至る過程で幾多の失政、外交/軍事上のミスがあったこと。今においてもひとつぐらいの失敗はリカバーできるのであれば、今の政治においてもミスを責めるのではなくリカバー策を考えて欲しいなぁ。 誰にでもオススメですが、受験生には特にオススメ。暗記が捗りそう。
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なぜ歴史の授業は、いつも江戸時代までは時間をかけるのに、自分たちの現在に繋がりが強く、重要な明治以後は「各自、読んでおいて」なのだろう?と引っかかって生きてきた人も多いはず。 そんな方はぜひ読みましょう。
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日本は太平洋戦争に負けて、「日清戦争前の日本に戻った、つまり五十年間の営々辛苦は無に帰した」のである。 そして、三百万人以上の日本人がこの戦争で亡くなったという事実はしっかりと記憶に留めておきたい。どういう状況になっても、二度と戦争をしては駄目なのである。暴力からは何も生まれない...
日本は太平洋戦争に負けて、「日清戦争前の日本に戻った、つまり五十年間の営々辛苦は無に帰した」のである。 そして、三百万人以上の日本人がこの戦争で亡くなったという事実はしっかりと記憶に留めておきたい。どういう状況になっても、二度と戦争をしては駄目なのである。暴力からは何も生まれない、憎しみが残るだけである。
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講義調で読みやすい。歴史を単なる事実ではなく、ストーリーとして書いているので理解しやすい。繰り返し読みたくなる本。
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日本は、なぜ世界と戦争したのか。 なぜ、約三百万人の兵隊、市民が死ななければならなかったのか。 原爆が二発も落ちなければ戦争は終結しなかったのか。 日本人は、本当に戦争に勝てると思っていたのだろうか。 などなど、戦争の20年と言ってもよい1926年〜1945年を分かりやすく、詳し...
日本は、なぜ世界と戦争したのか。 なぜ、約三百万人の兵隊、市民が死ななければならなかったのか。 原爆が二発も落ちなければ戦争は終結しなかったのか。 日本人は、本当に戦争に勝てると思っていたのだろうか。 などなど、戦争の20年と言ってもよい1926年〜1945年を分かりやすく、詳しくまとめた1冊です。
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改めて、歴史はつながっているんだなと感じる。そのつながりを、左右どちらに振れることなく、中立の立場でわかりやすく語りかけてくれる。最高の歴史教科書。 なんといっても著者の言葉に説得力があるのは、実際に戦争を体験しているから何だろうな。
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