1,800円以上の注文で送料無料

「いき」の構造 他二篇 の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/01/21

およそ「いき」の現象の把握に関して方法論的考察をする場合に,…(中略)…「いき」を単に種概念として取扱って,それを包括する類概念の抽象的普遍を向観する「本質直感」を索(もと)めてはならない。意味体験としての「いき」の理解は,具体的な,事実的な,特殊な「存在会得」でなくてはならない...

およそ「いき」の現象の把握に関して方法論的考察をする場合に,…(中略)…「いき」を単に種概念として取扱って,それを包括する類概念の抽象的普遍を向観する「本質直感」を索(もと)めてはならない。意味体験としての「いき」の理解は,具体的な,事実的な,特殊な「存在会得」でなくてはならない。 (『「いき」の構造』九鬼周造) ******************* 18ページ目でいきなり刺激的だぜ,九鬼せんせー。 つか,あのドイツ人が言ってたことと似てる気が・・ (本棚ガサガサ) ******************* …本書において分析し且つ歴史的に究明すべき対象をあらかじめ確定しておくべきであるとするならば,その場合問題となりうることは,概念的な定義ではなくて,さしあたりここで資本主義の「精神」とよんでいるものに対する最小限度の暫定的な例示に止まらねばならない。 (『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』M.ウェーバー) ******************** ビンゴ!! 会ったこともないはずのふたりが,ここまで正確に全く同一のことを言うという奇跡が起こるのはなぜか。それは,(語義矛盾を許してもらえるなら)それが奇跡ではないからです。 時代的にも空間的にも断絶した場所に生きた九鬼とウェーバーの言葉に,口裏あわせしたとしか思えない符号が可能になるという事態を必然にするのは,「愚かさのあり様は無数にあるが,賢さのあり方はひとつかない」という命題だ。 それ以前に論じられたことのない概念,もしくは論じられたことがあっても議論が錯綜している概念(「いき」@九鬼だったり「資本主義の精神」@ウェーバーだったり,「超人」@ニーチェ)を扱う場合, その概念の定義を,立論に先立って事前に確立し,それを現象にあてがっていくというスキームをとることはできない。(だって,概念がなんであるか,まだ誰も分かってないんだから) 世界史的に頭がいいと言われるためには,そのような取り扱い注意の概念を扱う際に,軽率に定義を確立するという誘惑に禁欲を貫くタフさを備えていなければならない。 「おおまか」なアウトラインを使って,現象の例示をもって,ひとつづつアプライし,事後的に定義に跳ね返ってくるという方法論。具体と抽象を浮遊する肺活量。 要は,「○○がなんであるか分からないけど,○○について論じる」というとてつもない知的な負荷に耐えられる人だけが,賢者の系譜につらなることを許されるのだ。 因みに,『「いき」の構造』が提供してくれる読書の妙は,最終的に「いき」が何であるか余計分からなくなる点です。

Posted byブクログ

2011/01/07

凄い本です。 始め少し?いやかなり..読み難さを感じました時間をかけてじっくり取り組むと、 言葉にし難い 「いき」 そして「詫び 寂び」そえから喜怒哀楽をの感情の細やかな分類... なんと表現したら良いのか... 上手く書けないが「凄い本だ」という事だけは間違いない様だ。 ...

凄い本です。 始め少し?いやかなり..読み難さを感じました時間をかけてじっくり取り組むと、 言葉にし難い 「いき」 そして「詫び 寂び」そえから喜怒哀楽をの感情の細やかな分類... なんと表現したら良いのか... 上手く書けないが「凄い本だ」という事だけは間違いない様だ。 以前読んだ「茶の本」いま少し読み始めている「菊と刀」に何処か通じているような... (日本人とか外国人とかそう言う物を超えた何かがあると思うということ) 書く事に溺れないで、淡々と理知的に日本人が敢えて言葉に出さなくても分かる感情や感覚を「こういう物です」とか「こういう事」と解説しているような本。凄いと思う。 「いき」の部分ではデザインそのものの大きなヒントになるなぁーと感動してしまった。 著者の九鬼周造という人にも興味が湧いて来た。

Posted byブクログ

2010/11/10

日本の民族的特殊性と「いき」について、時代を超えて訴えかけてくる。 昭和五年に書かれたものだが、現代においても本質的に変わりはない。

Posted byブクログ

2010/09/06

私の読書力ではなかなか深く読みこなせない内容。 パリ在住時に書き始めたようだが、確かに「いき」は日本特有のものであることは間違いない。 最近では「かわいい」が様々なところで取り上げられているが、 この「かわいい」について九鬼先生がどのように考えられるか? そのあたりが見えるともう...

私の読書力ではなかなか深く読みこなせない内容。 パリ在住時に書き始めたようだが、確かに「いき」は日本特有のものであることは間違いない。 最近では「かわいい」が様々なところで取り上げられているが、 この「かわいい」について九鬼先生がどのように考えられるか? そのあたりが見えるともう少し理解が進むのかも知れない。

Posted byブクログ

2010/06/27

やや二元論的すぎる論調なことは否めないが、言葉にしがたい感覚を言語化するためには、二元論は効果的な手法だということか。しかし、何回読んでも新しい発見がある作品。

Posted byブクログ

2010/05/11

いき-『小太郎の左腕』『「いき」の構造』 http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100511/1273526554

Posted byブクログ

2010/05/09

http://lily-book.seesaa.net/article/147133453.html これは自分の本棚にある本。マイベストブック。

Posted byブクログ

2010/05/07

かつての日本人の独特の価値観であった「いき」を西洋哲学的アプローチを持って語りだした作品。面白です。他に「風流に関する一考察」「情緒の系図」が収録されています。「情緒…」のほうはぱっとしません。俳句や和歌の世界観に私が興味がないからかもしれませんが…

Posted byブクログ

2009/12/26

垢抜けして張りのある色っぽさ。すこし崩した姿勢や髪型、薄化粧。 あと、やせたいなーって思った。 細長い形は肉の衰えとともに霊の力を語る。って。 細くてお綺麗になりたい。

Posted byブクログ

2009/10/27

難解だ。 「いき」という概念を、クッキリした言葉で表現しようという労作。江戸期の洒落本や川柳などを主に引用し、そこから「いき」の本質をつかみ出そうとする。やはりこの手の文章は、どうしても身に入ってきにくいので、分量はさほどではないが、読むのに時間がかかってしまった。 自分としては...

難解だ。 「いき」という概念を、クッキリした言葉で表現しようという労作。江戸期の洒落本や川柳などを主に引用し、そこから「いき」の本質をつかみ出そうとする。やはりこの手の文章は、どうしても身に入ってきにくいので、分量はさほどではないが、読むのに時間がかかってしまった。 自分としては、もう一度腰を据えてじっくりと取り組みたい、というところ。 「いき」の他にも、身の回りにはボンヤリした、はっきりしない概念がたくさんある。そういうことを考えるのも楽しそうだ。

Posted byブクログ