1,800円以上の注文で送料無料

「いき」の構造 他二篇 の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

分かったような分からないような感じの本ではありましたが、明治以来の輸入文化の波の中で失いつつあった古き良き日本文化を後世に残したという意味では価値のある本であったと思います☆

Posted byブクログ

2020/05/17

『「いき」の構造』は、実証性の薄い考察で、容易に肯からぬところがある。しかし、残りの2篇は、実に示唆に富む内容であり、こちらだけでも目を通すことを薦めたい。 九鬼は実存主義研究者であるが、その考え方は構造主義的ではないかと思う。

Posted byブクログ

2020/05/05

平野啓一郎の「かっこいいとは何か」に触発されて読みました。「いき」とは何か、上品、派手、渋味など、似た言葉と比較して、論証していくプロセスが面白く、引き込まれました。難解な語句が多く、読みにくいところもありましたが、筆者の、多くの文献を基に論理的に主張を組み立てていく姿勢に、誠実...

平野啓一郎の「かっこいいとは何か」に触発されて読みました。「いき」とは何か、上品、派手、渋味など、似た言葉と比較して、論証していくプロセスが面白く、引き込まれました。難解な語句が多く、読みにくいところもありましたが、筆者の、多くの文献を基に論理的に主張を組み立てていく姿勢に、誠実さを感じました。筆者が哲学者であることも初めて知りましたが、ジャンルに関係なく、多くの人に読んで欲しい一冊です。

Posted byブクログ

2019/10/12

序説は面白かった。言葉の持つニュアンスと比較から、言葉と民族性をつなげる。 海外の事例が「いきではない」というのはなんとなくわかるが、結局「何がいきなのなか」は、当時の感覚とは違うし、そもそも今「いきだね」とはほとんど言わないから、その場面を想像するしかない。だから、構造もなんと...

序説は面白かった。言葉の持つニュアンスと比較から、言葉と民族性をつなげる。 海外の事例が「いきではない」というのはなんとなくわかるが、結局「何がいきなのなか」は、当時の感覚とは違うし、そもそも今「いきだね」とはほとんど言わないから、その場面を想像するしかない。だから、構造もなんとなく合ってそうだけどよくんからん、となる。

Posted byブクログ

2018/07/07

「いき」、風流、そして情緒の構造・系譜を解きほぐそうと試みた一冊。 文体も古く難解だが、「情緒の系譜」は比較的わかりやすい。 情緒の系譜にたどりつきなるほどと一定の理解をし、あらためて「いき」の構造に対峙するのがよいかもしれない。

Posted byブクログ

2017/12/28

吉田真生 「甲は甲である」という必然性よりも「甲は乙で有る」という偶然性に引かれたのが九鬼だった。 日経新聞夕刊 プロムナード 2017年12月28日

Posted byブクログ

2017/08/01

こーーーーれは凄い(笑) 細い外見は、肉の衰えを示すと共に精神自体を表現している 野暮は揉まれて粋となる 粋な声についたらされて、嘘と知りてもほんまに受けて 自分には英文でも読んでるかのように難解だけど、めちゃくちゃ深いです

Posted byブクログ

2017/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出来ることならカッコよく生きたいものです。しかしながら、そうもいかないのが人の世の常。実際のところ、みっともない行いをしながらでも、生きていかなくてはならないというのが、殆どの人生ではないでしょうか? ただ、しかしながらカッコよさや美しさに憧れて、そのような振る舞いを雑多な世の中から探しだしたり、自らもほんの少しでも、そのような振る舞いが出来たとしたらこれは幸いでしょうね。 で、もしも生きるにあたって、そう望むのであれば必要な事は何がカッコよくて、どうあれば美しいのか?それをできるだけ明確にしておく事はに必要かと思います。 本書「いきの構造」は日本独特と思われる「いき」という美意識について、西洋の哲学の思考法をもって分析した本であります。 自らの美意識を決定または、探るにあたって参考になる一冊かもしれません。 筆者によれば「いき」というものは、武士道的な意気地と仏教的な諦めがあわさったものであるという事です。 こう書くと、抽象的すぎて意味不明かもしれませんが、この本ではとても具体的な例として、着物の柄である「縦縞」は大変「いき」であるとしています。 なぜなら交わりそうで永遠に交わる事のない、なおかつそれでも、離れることのない二本の線の様子が、まるで粋な男女のごとし、だという事です。 そう言われてみると縦縞は「いなせ」に思えてきますね(笑) そして二本の線というイメージから池澤夏樹さんのスティルライフの冒頭を思いだしました。池澤さんが好きだという方もここには何人かいらっしゃいますし、以前ひっつじーさんが引用してくれた事のある文章ですね。 大変、粋な文章です。 ↓ 「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。 世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。 きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。   でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。 大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。 たとえば、星を見るとかして。」 【スティルライフ 池澤夏樹】より https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B01BBXCBAQ/ref=tmm_kin_title_0?ie=UTF8&qid=&sr= ↑ なんだろう?なんか、似てますよね。九鬼さんの縦縞粋論は男女の関係を例にしてますが、池澤さんは世界と自分の関係で書いてるわけですが、両者とも、自分がすくっとしっかり個として立ち、その上で誰かであり、世界を求める、そんなところは同じかなあ、と感じますね。 という事で、カッコ良く生きようと願うのならまずは自分がしっかりと自らの足で立つという事でもあるんだろうなあ、とこの本を読んで感じました。 2017/04/22 22:27

Posted byブクログ

2017/04/13

哲学の本を読んでいたので、前よりは読みやすい。 粋な人になりたいなぁと思って手に取った。 いきとは垢抜けて(諦)、張りのある(意気地)、色っぽさ(媚態)だという。 古今東西様々な文学作品に現れるいきの例に楽しませられながら読めた。

Posted byブクログ

2016/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いき、とは何かについてが知れるとともにその研究姿勢に関しての学びも多い本。 二元的態度、という決して交わらない平行線のような緊張感を保つ媚態と、理想主義に基づく意気地、そして最後に非現実性をふまえた諦めを経ていきという美的感覚が、浮かび上がる。 それを絶妙な、筆者の言葉を借りると、「意識現象のもとに存在する」いきの描写とともに概念の解釈がなされていく。 筆者の研究態度としての真髄が「意味体験を概念自覚に導くところに知的存在者の全意義が懸っている」という一説に表されているだろう。

Posted byブクログ