デッドエンドの思い出 の商品レビュー
静かに染みてきます。
タイトル通り、あまり幸せとは言えない境遇にいる主人公たちの、5つの物語。やさしいもの、哀しいもの、暖かなもの、硬いもの……「人の気持ち」が詰まっている一冊。静かに染みてきます。
zxc
-「いい環境にいることを、恥じることはないよ。武器にしたほうがいいんだよ。もう持っているものなんだから。君は、帰って、またいつか誰かを好きになって、いい結婚をして、お父さんとお母さんと交流を絶やさず、妹とも仲いいままで、その場所で大きな輪を作っていけばいいんだ。君にはそういう力が...
-「いい環境にいることを、恥じることはないよ。武器にしたほうがいいんだよ。もう持っているものなんだから。君は、帰って、またいつか誰かを好きになって、いい結婚をして、お父さんとお母さんと交流を絶やさず、妹とも仲いいままで、その場所で大きな輪を作っていけばいいんだ。君にはそういう力があるし、それが君の人生なんだから、誰に恥じることもないよ。相手が君の人生からはじき出されたと思えばいい。」 (p.202) ラブストーリーの短編集。 ラブストーリーといっても、男女の性愛だけでなく、家族の愛、幼なじみの温かい愛、自分がいる環境への愛…さまざまな愛が描かれている。 よしもとばななさんの小説を読むのはこれが初めてだったかもしれない。堅実さと柔らかさを併せ持つ雰囲気のお話だなと感じた。登場する人々は、何かに悩みながらも確実に日々を過ごしていて温かい気分にもなれた。
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吉本ばななの作品は、こんな柔らかい文体でずっと死とセックスについての話をしていて、自分たちの生活の中ですごく当たり前に存在しているものだと話しかけてくれる感じがする。 デッドエンドのミミと、吹上奇譚のミミは、別の人だけどつながってるのかな。
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p.83を読んで 家族のことで傷ついたことがない人なんて、この世には一人もいないということを、もうさすがに分かってきた 自分は全然特別ではなくて みんなそれにうまく対処したり、できなかったりの差があるだけで、家族の中で育まれ、反面家族というものに規定されてしまうのが、人間なんだ
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読んだのはけっこう前だけど、江國香織さん的な気品を感じたと思う。 おもしろかった。と、お金持ちだなぁーとちょっと距離置いちゃうような感覚があったような。 けど読み返したいくらい素敵だった記憶。
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作者いわく辛く切ないラブストーリー短編集らしい 確かにどれも不穏 はじめてだけど読みやすいなよしもとばなな
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恋愛関係における史上最悪の出来事。そんなことが実際自分の身に起きたら立ち直れるかは置いておいて、出会うべく人には出会うタイミングに意味があるんじゃないかなと思わせてくれ、終始心穏やかに過ごすことの出来る短編だった。情景描写の表現にはより一層の磨きがかかったように思え、表題作『デッ...
恋愛関係における史上最悪の出来事。そんなことが実際自分の身に起きたら立ち直れるかは置いておいて、出会うべく人には出会うタイミングに意味があるんじゃないかなと思わせてくれ、終始心穏やかに過ごすことの出来る短編だった。情景描写の表現にはより一層の磨きがかかったように思え、表題作『デッドエンドの思い出』が一番印象深い。
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切ない物語が詰まった短編集。どれもそこそこ面白く個人的にはハッピーエンドな「幽霊の家」とアンハッピーエンド?な「あったかくなんかない」が好きです。 読み始めるとすぐに物語に引き込まれ、話につながりは無いので短編ごとにスラスラと読めました。 ツグミ以来のよしもとばなな作品でしたが、...
切ない物語が詰まった短編集。どれもそこそこ面白く個人的にはハッピーエンドな「幽霊の家」とアンハッピーエンド?な「あったかくなんかない」が好きです。 読み始めるとすぐに物語に引き込まれ、話につながりは無いので短編ごとにスラスラと読めました。 ツグミ以来のよしもとばなな作品でしたが、やっぱりいいですね
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切ない中に温かさと希望を感じられる、恋の思い出短編集。すごく良かったです。 全編どこか不思議な感じがする。個人的におかあさーん、デッドエンドの思い出がすごく好きで、主人公の心の叫びと浄化、人との関わり方など変に暑苦しくなく、人と人との出会いやタイミングなど運命に対する独特の解釈も...
切ない中に温かさと希望を感じられる、恋の思い出短編集。すごく良かったです。 全編どこか不思議な感じがする。個人的におかあさーん、デッドエンドの思い出がすごく好きで、主人公の心の叫びと浄化、人との関わり方など変に暑苦しくなく、人と人との出会いやタイミングなど運命に対する独特の解釈も読んでいて素直に受け取れました。素敵な本です。
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むかし、本当に昔。10代とかその辺だった。よしもとばななさんの本を読んだけど、ありふれた日常という感じで何もピンとこなかった。しかし、それから20年の歳月を経てもう一度読んだ。 こころの片隅にあるトゲや、見ないふりしてきた汚れをこうやってお話にしてくれている。普段言葉にできない...
むかし、本当に昔。10代とかその辺だった。よしもとばななさんの本を読んだけど、ありふれた日常という感じで何もピンとこなかった。しかし、それから20年の歳月を経てもう一度読んだ。 こころの片隅にあるトゲや、見ないふりしてきた汚れをこうやってお話にしてくれている。普段言葉にできないモヤモヤを小説で代わりに語ってくれているようだった。 男の子と女の子のお話がメインの短編集だった。 のび太とドラえもんのような関係は本当に羨ましいと思う。ちゃんとぶつかって、仲直りして、一緒にいると安心して、、、。 男女(※ごめんね、これは男-男や女-女の恋愛でもなく男-女なの)が一緒にいるうえで、大事なことをそっと教えてくれた気がした。そして、これから私が下す決断にも影響するのだろう。
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