デッドエンドの思い出 の商品レビュー
儚くて、切ない物語なはずなのに、確かに心救われて温かい気持ちになってる自分がいた ハッピーエンドだけが全てじゃない
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吉本ばななの著作はこれが2作目(それまでは「哀しい予感」しか読んだことなかった)なので熱心な著者のファンではない。5作の短編はすべて女性が主人公で、女性の目線で描かれている。いずれの女性も華やかさや煌びやかさやとは縁遠いむしろ地味でクラスでも目立たないグループのひとりだったような...
吉本ばななの著作はこれが2作目(それまでは「哀しい予感」しか読んだことなかった)なので熱心な著者のファンではない。5作の短編はすべて女性が主人公で、女性の目線で描かれている。いずれの女性も華やかさや煌びやかさやとは縁遠いむしろ地味でクラスでも目立たないグループのひとりだったようなイメージだが、いささか頼りないながらもそれでも自分の立ち位置をよくわきまえしっかり前を見据えている感じがして好感が持てた。そんな女性たちが織り成す5編のストーリーはどれもふわっとした雰囲気に包まれてやわらかく面白い。 傑作はタイトル作ではなく、「あったかくなんかない」だと思う。ふわっとした雰囲気の中に鋭いテーマがナイフの刃のように光っていた。
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心の中にぽっかりあいた穴がありながら それでも日常を生きていく。 時に思い出して苦しくて涙が出たり、 時にキラキラとした経験がそれを埋めてくれたりする。 それも、ずっと続くものかも限らない。 だから、宝物のように閉まって、ときどき思い出す。 エピソードのひとつひとつから、そんな人...
心の中にぽっかりあいた穴がありながら それでも日常を生きていく。 時に思い出して苦しくて涙が出たり、 時にキラキラとした経験がそれを埋めてくれたりする。 それも、ずっと続くものかも限らない。 だから、宝物のように閉まって、ときどき思い出す。 エピソードのひとつひとつから、そんな人の心の動きをなぞっては、コーヒーを飲みながらいっしょに過ごした朝の時間を思い出す。 もう戻ってこないけど、大切だったなあと思う。
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切なくも温かい思い出に浸れる作品でした。 運命とか大袈裟なものでは無いけれど なるべくしてなるというか、偶然の奇跡というか。 後になってから、あの時のことは…と振り返ってみる。そんな感じです。
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それぞれの短編集ですが長編的に思われる感じになりました。 人を思う切なさ、いつか忘れられてしまうだらう…諦めが肝心と言った描写に引き込まれてスラスラ読了。よしもとばななさん初読み、文章の読みやすさに興味を湧いた著者になりました。
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好きな話と、そうでもない話がまざっていた。 おもしろくてスーッと読めたけど、もう一度読むことはないかもしれない。
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『あったかくなんかない』のみ好きなお話やったなぁ。灯りはその人たちから溢れ出てる温かさ…とっても染み入った。 他の話は私には合わないな。。
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再読。 つらく切ないラブストーリーばかり。 4つの短編集。 高梨くんひどい。 ひどすぎる。 辛い。 でも西山君がいて良かった。 西山君と付き合うことになるのかと思ったが、そうならなくて良かったのかも。 よしもとばななさんの誠実さが出ている。
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デッドエンドなんてタイトルだからどれだね辛い話だろうと思って読み始めました。 登場人物の経験は確かに辛いものが多いけど、そこに生じる感情と、真摯に自分と向き合っていく姿が描かれています。 自分にとって辛い経験は大小関わらず誰しもがあるからこそ、その経験からの感情の揺れにも共感でき...
デッドエンドなんてタイトルだからどれだね辛い話だろうと思って読み始めました。 登場人物の経験は確かに辛いものが多いけど、そこに生じる感情と、真摯に自分と向き合っていく姿が描かれています。 自分にとって辛い経験は大小関わらず誰しもがあるからこそ、その経験からの感情の揺れにも共感できるし、人間によって傷つけられたけど人間に救われる、そういう温かさも感じる話が多いです。 「デッドエンドの思い出」 「おかぁさーん」 の話が好きでした。
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甘くて切ない恋愛の物語が収められています。誰かと別れるときは悲しかったりつらかったりするものですが、よしもとばななさんの小説では切ないけれどもなんだか心がすっきりような描かれかたをされています。1ページあたりの文字数が少なく、読みやすいので、時間があまりない方にもオススメです。
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