知的生産の技術 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「読書においてだいじなのは、著者の思想を正確に理解するとともに、それによって自分の思想を開発し、育成することなのだ。わたしは、読書というものは、電流の感応現象のようなものだとおもっている。ひとつのコイルに電流をながすと、もうひとつのほうのコイルに、感応電流という、まったくべつの電流が発生する。両者は、直接にはどこもつながっていないのである。たいせつなのは、はじめにながす電流ではなくて、あとの感応電流のほうなのだ。これをうまくとりだすことによって、モーターははじめて回転しはじめるのである。」(P114) わたしのやりかたでいけば、本は何かを「いうためによむ」のではなくて、むしろ「いわないためによむ」のである。つまり、どこかの本にかいてあることなら、それはすでに、だれかがかんがえておいてくれたことであるから、わたしがまたおなじことをくりかえす必要はない、というわけだ。自分のかんがえがあたらしいものかどうかをたしかめるために本をよんでいるようなものだから、よんだ本の引用がすくなくなるのはあたりまえなのである。」(P116)
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忘れるために書く、書きとめる みためはともかく、必要なものが必要なときに取り出せるようになっている 読むことと、見ること 本好きの読みべた
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パソコンがこれだけ普及し、コピー機にしたってFAXにしたってあらゆる情報が電子機器で扱えるようになった現在に、いまさらこの本もないだろう、とおもいながらも古本屋でみつけてよみだした。当時(1960年台)の状況がわかるということと同時に、とにかく梅棹先生の先見性のすごさをかんじずに...
パソコンがこれだけ普及し、コピー機にしたってFAXにしたってあらゆる情報が電子機器で扱えるようになった現在に、いまさらこの本もないだろう、とおもいながらも古本屋でみつけてよみだした。当時(1960年台)の状況がわかるということと同時に、とにかく梅棹先生の先見性のすごさをかんじずにはいられない。さらにいまでも十分に通用するもののかんがえかたが多々登場する。おどろいたのは梅棹先生自身が文章をかくのがにがてだということ。これだけおおくの文章をかかれているにもかかわらず。それにしても先生の本はよみやすい。わかりやすくかくのが当然というふうにしてかかれている。このようなわかりやすい文章がかけるようになるきっかけはどうもタイプライターにあるらしい。日本語の文章をローマ字でかかれていた。同音異義語などもおおく、ローマ字やカタカナばかりで日本語の文章をかくのはむずかしい。それを、はなしことばを意識しながらわかりやすくかいていかれた。日本語ワープロが登場したときはどんなおもいでいらっしゃったことだろう。コピー機が登場したときはどうだったろう。そのときどきの梅棹先生のことばをききたい。きっとどこかにかいていらっしゃるのだろうけれど。奥付の著書紹介をみるとまだまだよんでいない本がたくさんある。最初から著作集をかえばよかった。しかし、いまとなっては古本屋でがんばってさがしてよんでいくことにしよう。(それとも図書館で著作集を購入してもらおうか。)梅棹先生のご冥福をおいのりします。
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「ハウツー本ではない」とはいえ、カードシステムによる文書管理、ローマ字表記の普及などの具体的な方法論を、現代に持ってきてそのまま活用するのは難しいので、本書の価値は時間とともに漸減していると思う。 頭脳労働もある程度を機械に代行させる事も増えつつあり、技術は恐ろしい速さで変わっ...
「ハウツー本ではない」とはいえ、カードシステムによる文書管理、ローマ字表記の普及などの具体的な方法論を、現代に持ってきてそのまま活用するのは難しいので、本書の価値は時間とともに漸減していると思う。 頭脳労働もある程度を機械に代行させる事も増えつつあり、技術は恐ろしい速さで変わっていくので、皮相の技術論は永遠に定本化できないテーマだろう。 当然、ディバイスが変わっても使う側はそれほど変わっていないので、根っこの考え方やエッセンスは勉強になると思うが、ちょっとタイトル負けしている感は否めないかなぁ…
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なにかと話題に上る本書を読んでみた。 まだ日本語ワープロもなかった時代か。 いまなら私にはポメラがある! 読書メモを打って、レバレッジメモで活用しやすい時代だ。 基本的な知的生産の技術は変わっていない。 使う道具が変わっているということだ。 これからも知的生産のためにレバレッジメ...
なにかと話題に上る本書を読んでみた。 まだ日本語ワープロもなかった時代か。 いまなら私にはポメラがある! 読書メモを打って、レバレッジメモで活用しやすい時代だ。 基本的な知的生産の技術は変わっていない。 使う道具が変わっているということだ。 これからも知的生産のためにレバレッジメモは続けよう。 超メモ術と同様に重要なインスピレーションはその場でメモしなければならないナマモノだということ。 メモをいつも持ち歩き何でも書いておくことが知的生産には大事。
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・紙を節約しようとしない →ノートを大きく使う。 罫線の間隔が広いものを使ってみようと思う。 ・本を版型によって並べるな、内容で並べ替えろ ・つむな ・元の位置にもどす →これが一番重要 アウトプットの部分はあんまり読まなかったのでまたいつか読み直したい。
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書かれたのが40年ほど昔なので、まだPCも個人では持っていない時代だが、資料の整理や管理の方法など、情報の扱いについて深く考えて研究された内容。PCがない当時は本当にこういった資料だったり考えをまとめたものの管理や、すぐに引き出す方法など大変だったことがよくわかる。この本読んでる...
書かれたのが40年ほど昔なので、まだPCも個人では持っていない時代だが、資料の整理や管理の方法など、情報の扱いについて深く考えて研究された内容。PCがない当時は本当にこういった資料だったり考えをまとめたものの管理や、すぐに引き出す方法など大変だったことがよくわかる。この本読んでると現代ってなんて便利なんだろうと思う反面、保存の仕方は変われど本質的なところは変わっていないことがよくわかる。 この著者はけど、情報という概念をこのときすでに将来学問として成り立つほど重要なことだと認識していたのはすごいと思う。(現代の情報ってプログラムとかそういう感じだけど。) また、メモするときもちゃんとした文章でメモするとか、メモの内容も調べたことでもいいし、ラーメン屋の名前でもなんでもいいから色々メモをして、記録を蓄積していくというのは本当に大事だと思う。人間の記憶は全くあてにならないので、記録をするというのは確かに。 自分ももっと好奇心と知識欲をもって色々なことをメモしていきたいと思う。そしてこの著者は本を読むときに大事なところは鉛筆で線を引くみたいなことが書かれていて、自分もこれから本を読むときに、気になった文はガンガンマーカーで色をつけていこうかと思った。そして新聞もまた昔のように読んでみようかと思った。(見出しだけでも)
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産業社会全盛の1960年代において、いち早く情報化社会の到来を予測し、情報の管理・活用についての新しい方法を提案した古典的著作。 個々の記述はさすがに時代を感じさせる部分もあるが、取り扱われているテーマは、例えばアイデアのデータベース化や情報の一元化の方法であったり、身の回りの...
産業社会全盛の1960年代において、いち早く情報化社会の到来を予測し、情報の管理・活用についての新しい方法を提案した古典的著作。 個々の記述はさすがに時代を感じさせる部分もあるが、取り扱われているテーマは、例えばアイデアのデータベース化や情報の一元化の方法であったり、身の回りの整理術であったり、要するにわれわれにとっての永遠の課題とも言うべきものであって、全く古臭さを感じさせない。 それどころか、数年前に『情報は一冊のノートにまとめなさい』という本が流行ったが、本書ではノートに情報を一元化することの問題点についても的確な指摘がされており、ある意味では今の時代を二歩も三歩も先取っているとも言える。いや、そもそも本書は「知的生産の技術(自己の中に眠る創造力を開花させるための技術論)」なのであって、後発の単なるハウツー本と比べるのは失礼に当たるだろう。一方には明確な「目的」があるのに対し、他方には「自己目的」しかないのだから。 半世紀近く前の本であるし、本書で推奨されている京大式カードはさすがにもう売っていないだろうと思っていたが、Amazonを見るとなんとまだまだ絶賛発売中であった(値は張るが)。梅棹流の実践者がいることの証左であろう。私も一度試してみようと思う。
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専門家だけでなく一般の人々も文章を書くようになりはじめた頃書かれた本。1969年。ノートの書き方、カードへの進化のさせ方、整理の仕方などから始まり、読書を生産的にする方法、手紙と日記そして文章の書き方などが続く。印象的だったのは、日記でも手紙でも、文章は文学的であるべきという幻想...
専門家だけでなく一般の人々も文章を書くようになりはじめた頃書かれた本。1969年。ノートの書き方、カードへの進化のさせ方、整理の仕方などから始まり、読書を生産的にする方法、手紙と日記そして文章の書き方などが続く。印象的だったのは、日記でも手紙でも、文章は文学的であるべきという幻想から解放されるべき、という主張。それは国語の授業は国文学の授業と混同されているためだと述べられてる。自分のことを振り返ると、1985年生まれだけどその時点では相変わらず国語教育は変わってなかったと思う。
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「学び方の技術」をまとめた本という試み自体がすごい。ただ、内容が具体的(タイプライターの使い方とか)であるだけに古いのが惜しい。
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