白い巨塔(第3巻) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結果を知っていても、この一審の判決は心が痛い。 重要なのは真実や正義ではなく、真実らしさと法に抵触するかどうか。法治国家って一体? 正編がここまでだったということは、山崎豊子さんの中ではこの判決がこの物語の結論ということなのか。 財前先生が勝ち、里見先生が大学を追われるという、このラストが。 なんて救いがないんだろう。 続編を書いてくださっていて、本当によかった。 それにしても、佐々木庸平の死を海外まで伝えようと電報を打つ里見先生と、その電報に怒りを覚える財前先生…あの対比は見事。 あの差がこの物語のすべてだなぁ。
Posted by
裁判の判決が出ると同時に、やるせない思いがじわじわと溢れてきた。白い巨塔とは、こういう意味だったのか。
Posted by
2017/04/13 固唾を飲んで見守った裁判、結果は個人的には受け入れたくないが、まあそうなるよなぁ… アウシュビッツで感じた憤りを、財前教授が佐々木さんの死に対しても少しでも感じることができたなら、こんな裁判は行われなかったのでは、と思う。里見先生の生き方も財前教授の生き方も...
2017/04/13 固唾を飲んで見守った裁判、結果は個人的には受け入れたくないが、まあそうなるよなぁ… アウシュビッツで感じた憤りを、財前教授が佐々木さんの死に対しても少しでも感じることができたなら、こんな裁判は行われなかったのでは、と思う。里見先生の生き方も財前教授の生き方も両極端で、現実に生きる私たちはこの中庸をさまよっているように感じる。正しいと思うことをしたいけれど、虚栄心やちょっとした奢りから、時に財前教授のような行動もしかねない。そんな危うさを意識して生きることで、少しは里見先生の生き方に近づけるのかな。
Posted by
良心と虚栄心の戦い。 医師になるときに政治力って本当に必要なのかもと思ってしまう。 里見先生、がんばって!
Posted by
3巻目は裁判ですね。裁判ものは、現実を読ませて置いた後にそれをトレースする展開なのでそれぞれの立場による思いや、嘘や真実がないまぜになる展開に興味がでるが、それよりも知った内容の再現が筋なので判決に興味が集中してしまい中だるみを感じる。そして判決は自分としては少し意外な結果に。要...
3巻目は裁判ですね。裁判ものは、現実を読ませて置いた後にそれをトレースする展開なのでそれぞれの立場による思いや、嘘や真実がないまぜになる展開に興味がでるが、それよりも知った内容の再現が筋なので判決に興味が集中してしまい中だるみを感じる。そして判決は自分としては少し意外な結果に。要は患者の家族が精神的なケアをされなかった点が原告の訴えのポイントであり、そうであれば判決は妥当ともいえる。 それにしても里見助教授は浮かばれないですね、この時点では散々です。もちろん、自分が患者やその家族だった場合は里見先生にお願いしたいですね。 話の筋とは違うので無理やり感はあるが、ドイツのアウシュビッツ収容所での描写は作者が特に書きたかったのでしょうね。それとも、その後のストーリーに少しは絡むのでしょうか。
Posted by
裁判編。ハードな内容、専門用語などを感じさせない著者の平易でドラマチックな筆使いで一気に読ませる。しかし黒い医師たちの行動原理にへきえきし、読んでて気が晴れない(作品の良し悪しと関係ないんだけど…)。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分の心の中に育まれた里見への思慕が、不意に堰切るようにこみ上げて来た 医者の孤独に耐え、患者の生命の尊厳を犯すものと最後まで闘い得ることが、医者の使命であり、倫理であります。人間関係、倫理が存在していなかったならば、それは、財前教授の人間性にかかわる問題で、厳しく反省されなければならない これが現代の白い巨塔なんだ、外見は学究的で進歩的に見えながら、その厚い強固な壁の内側は、封建的な人間関係と特殊な組織によって築かれ、里見一人が、どう真実を訴えようと、微動だにしない非情な世界が生きている
Posted by
誤診をめぐる裁判。濃密な裁判を一冊にまとめるその技量は圧巻。正義とはなんなのか、大学の名前を守るという大義名分のもと、とてつもない圧力。ただただ汚いだけの大学病院の実態を、第三者の視点でたんたんと書いていく力がすごい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
裁判シーンはあっという間に読み進めてしまいました。医療過誤の有無なんて、今でも難しい問題ですね。とにかく柳原のジレンマが不憫で見ていられなかった。本当に辛い立場なのは、里見よりもむしろ彼ではないかと思います。今後の展開が更に気になります。ドラマ見ちゃったので薄っすらと記憶はありますが…。
Posted by