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白い巨塔(第3巻) の商品レビュー

4.1

95件のお客様レビュー

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2020/08/31

財前のドイツ外遊、そして帰国後は一気に法廷闘争へ。展開が早い。 財前側ひいては大学病院側に不利になっても「無名でも患者の生命を大切にする医者」でありたいとの信念で真実の証言を行う里見。自らの助教授職の椅子が危うくなると医学部長から示唆されても、里見は信念を曲げなかった。こういうと...

財前のドイツ外遊、そして帰国後は一気に法廷闘争へ。展開が早い。 財前側ひいては大学病院側に不利になっても「無名でも患者の生命を大切にする医者」でありたいとの信念で真実の証言を行う里見。自らの助教授職の椅子が危うくなると医学部長から示唆されても、里見は信念を曲げなかった。こういうところはやはり格好いい。 一方の、名声のためなら患者の命を軽く扱っているように思える財前、この巻でも悪を貫く。嘘、はったり、脅迫等々、清々しいほどの悪さ。 裁判の結果は色々考えさせられた。先が気になって一気に読んでしまった。第四巻へ。

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2020/05/03

話のメインは一審。 権謀術数を巡らせる時の財前は冷酷非情そのものだが、時おり出てくる母親への想いには、冷酷とは対極の人間味を感じさせる。 そのギャップが面白い。

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2019/11/29

主人公の財前がどんだん醜く堕ちていく… 第4巻はどこが舞台となるのか楽しみ。 今後も大学病院はこの封建制のままなのだろうか。

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2019/11/26

派閥を経験したことがないので、内部に対してこれだけの力量を使う事が無駄に感じてしまうのが、率直な感想です。その分外部に使えば、どれだけ世の中に貢献できるのかと考えられるのは、今が恵まれた環境で働いているからかもしれませんが。 しかし、こういったドロドロ感満載のテーマを緻密な取材を...

派閥を経験したことがないので、内部に対してこれだけの力量を使う事が無駄に感じてしまうのが、率直な感想です。その分外部に使えば、どれだけ世の中に貢献できるのかと考えられるのは、今が恵まれた環境で働いているからかもしれませんが。 しかし、こういったドロドロ感満載のテーマを緻密な取材をされた上で筆を取られているのか、まったくもって飽きません。

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2021/04/15

患者遺族が財前教授を訴えた裁判の場面が多かった。概して、小説内の裁判の場面は面白くないが、この本の場面は、わりと面白かった。

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2019/04/28

社会派巨編の第一部にあたる一~三巻、完結です(四・五巻は当初『続白い巨塔』として刊行されていました)。作者の並々ならぬ熱量が伝わってきます。 財前五郎が手術をした胃噴門癌の患者・佐々木庸平は、財前の渡欧中に死亡。死因に疑問を抱き、手術後に一度も患者を診察しなかった財前の不誠実な...

社会派巨編の第一部にあたる一~三巻、完結です(四・五巻は当初『続白い巨塔』として刊行されていました)。作者の並々ならぬ熱量が伝わってきます。 財前五郎が手術をした胃噴門癌の患者・佐々木庸平は、財前の渡欧中に死亡。死因に疑問を抱き、手術後に一度も患者を診察しなかった財前の不誠実な態度に怒った遺族は、裁判に訴える。 そして、術前・術後に親身になって症状や死因の究明にあたってくれた第一内科助教授の里見脩二に原告側証人になってくれるよう依頼する。里見は、それを受けることで学内の立場が危うくなることも省みず、証人台に立つ…。 第三巻は財前の渡欧と患者の死亡、医事裁判の過程が綿密に描かれています。 原告(遺族側)の証人として厳正な姿勢で裁判に臨む里見の姿は凛としていて清々しいです。 一方、被告(財前側)は、癌の転移を発見できず、死の直前まで患者が癌性肋膜炎であったことを見抜けなかったにも関わらず、あの手この手で追及を逃れ、保身に奔ります。その執念深さに思わず身の毛がよだちます。読者の怒りをこれほどまでにかき立てる主人公というのも珍しいのではないでしょうか。 そして小説は『続白い巨塔』となる第四巻へつながっていきます。

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2019/04/16

1、2巻は教授選の事に多くのページが割かれていて少々退屈だったけど、本巻は裁判の様子が詳細に描かれ面白かった。 一方でテーマがはっきりしていて、それを声高に叫ぶ作風は、ちょっと疲れる。 自分の立場や地位を守るため、あざとく動く人間を収容した白い巨塔は、何も病院ばかりではない。人が...

1、2巻は教授選の事に多くのページが割かれていて少々退屈だったけど、本巻は裁判の様子が詳細に描かれ面白かった。 一方でテーマがはっきりしていて、それを声高に叫ぶ作風は、ちょっと疲れる。 自分の立場や地位を守るため、あざとく動く人間を収容した白い巨塔は、何も病院ばかりではない。人が集まる所すべてに存在する。 ムラ社会の流れに乗れない者は淘汰される―里見はいいとして柳原医師の今後が気になる。

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2019/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

54年前に書かれた本なのに、全くもってすごいの一言。もちろん医学は進歩しているわけだが、病院内部のドロドロした派閥争い、出世争いなどは、ほとんど今も変わらないのだろう。主人公はオペの腕も確かだが、病院内の政治力・バランス感覚にも秀でていたということなのだろう。

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2018/12/27

前半のドイツ訪問時のアウシュビッツ見学の際に、主人公が感じた凄惨さと、後半での受け持ち患者の死に至る経過の中での自身の感情が、同一人物かと思われるほどの差を見せます。利害関係が発生した時の自己防衛、自己を正当化し保身に走る心理は分からなくもありません。原告側の人々の心理と、真実を...

前半のドイツ訪問時のアウシュビッツ見学の際に、主人公が感じた凄惨さと、後半での受け持ち患者の死に至る経過の中での自身の感情が、同一人物かと思われるほどの差を見せます。利害関係が発生した時の自己防衛、自己を正当化し保身に走る心理は分からなくもありません。原告側の人々の心理と、真実を追究する姿勢の対比が素晴らしいと思いました。裁判での唐木教授の証言にも心打たれました。

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2018/04/18

これが白い巨塔なのか。 正しいものが去り、政治力のあるものが居座る。 このようなことがまかり通ることは、どの世界でも同じなのかもしれない。 正直者は馬鹿を見る。 まさにそれを描いている。 本当に悪いのは誰か。 読めば分かると思う。

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