白い巨塔(第3巻) の商品レビュー
財前が時折見せる人間らしい感情と欲にまみれた姿が絶妙なバランスで描かれている。 社会人を20年もやっていると、財前側の気持ちも分かる。理想と現実のせめぎあい、何を正とするか。難しいね。答えは死ぬときに分かるのだろうか。
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1-3巻が元の"白い巨塔"、4-5巻が"続・白い巨塔"。 大学病院内での教授の座をめぐる権力争いとその渦中で起こる医療ミスをめぐる裁判を描く。教授選挙の決着と医療ミス第一審判決までが本編、学術会議会員選挙と控訴審判決までが続編。 昭和の金...
1-3巻が元の"白い巨塔"、4-5巻が"続・白い巨塔"。 大学病院内での教授の座をめぐる権力争いとその渦中で起こる医療ミスをめぐる裁判を描く。教授選挙の決着と医療ミス第一審判決までが本編、学術会議会員選挙と控訴審判決までが続編。 昭和の金と力の時代を描き切った作品。その意味では本編完結までが純粋な作品。 本編の医療ミス裁判の現実社会での反響が大きく、作成された続編では、裁判と主人公の身に起こる異変が並行して進む。結末は裁判と天命により主人公の人生にけりがつけられる一方、単なる悪役ではない誇り高き医療者の一面を示して終わる。
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不穏な様子を見せた2巻、次はどうなるの?とハラハラしながら3巻を読み始めると国際外科学会に招待された新教授の話で舞台はしばし日本を離れて西ドイツへ。新教授は国際学会での研究発表、ドイツでの手術の成功...と華々しい活躍。 そしてまた視点は日本へ戻る。ドイツへ発つ前に診た患者が急...
不穏な様子を見せた2巻、次はどうなるの?とハラハラしながら3巻を読み始めると国際外科学会に招待された新教授の話で舞台はしばし日本を離れて西ドイツへ。新教授は国際学会での研究発表、ドイツでの手術の成功...と華々しい活躍。 そしてまた視点は日本へ戻る。ドイツへ発つ前に診た患者が急変し、死亡する。胃癌の手術は成功したものの肺に転移していたのだ。それまでにも更なる検査を勧められたにも関わらず「私の診断に間違いはない」と一蹴していた新教授。これは驕りが生んだ犠牲者なのか...。 ドイツから意気揚々と帰ってきた新教授、日本へ着くなり遺族から訴えられたことを知り、話は裁判編へ突入する。 山崎さんの緩急の付け方うまいなーと感心しながら読みました。新教授の憎たらしさといったら...。新教授一派が裁判であの手この手を使う様子は人間の醜悪さを見せられているようで少々しんどかった。その中で正義の心を貫く者、学問に忠実である者、弱みを握られ真実を言えない者、出世のために進んで嘘を吐く者...などいて多種多様。裁判の成り行きもドキドキしながら読める。エンターテイメントとして消費するならば非常に面白い。遺族の立場に立つならば非常に心が重い。 4巻ではどのように展開するのか...
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法律が、明確な因果関係がなければ罰せないのはその通りだと思う。疑わしきは罰せず。 財前教授の判決が出た巻。 最後の、一体、何をしたというのだろうか、初診した患者の死の経緯について正しい証言をした者が大学を追われ、事実、患者の診療に誤りを犯した者が、大学に留まる。なんという不条...
法律が、明確な因果関係がなければ罰せないのはその通りだと思う。疑わしきは罰せず。 財前教授の判決が出た巻。 最後の、一体、何をしたというのだろうか、初診した患者の死の経緯について正しい証言をした者が大学を追われ、事実、患者の診療に誤りを犯した者が、大学に留まる。なんという不条理であろうか、という里見の言葉にただただ胸が詰まる。 正しいことをして報われないのが、この世の中だと示す言葉。 正しいことをしたければ偉くなれという踊る大捜査線の言葉然り。
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面白いなぁー 時代は少し前だけど今でも十分に理解しやすく読みやすい。 社会の仕組みはあんまり変わってないってことかな、、、 里見先生がカッコいい
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財前の無責任な診療態度に対し、患者家族が起訴。小説の中心は医療過誤を問う裁判となる。 大学病院の名誉や権威を守るという美名のもとに事実は覆い隠され、権力と真実の戦いは難航する。 「患者の生命に対して厳粛な良心と畏れを持ち、不純な誤りはいささかも許してはならない」 正義が勝つのは...
財前の無責任な診療態度に対し、患者家族が起訴。小説の中心は医療過誤を問う裁判となる。 大学病院の名誉や権威を守るという美名のもとに事実は覆い隠され、権力と真実の戦いは難航する。 「患者の生命に対して厳粛な良心と畏れを持ち、不純な誤りはいささかも許してはならない」 正義が勝つのは簡単なことではない。 法は残酷な側面も持つのだと感じる巻だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
財前のドイツ訪問のおける成果と佐々木庸平の病状の悪化が並行して記される。そして佐々木庸平がなくなり、遺族が裁判を起こしたところに財前が帰国。 財前の態度は医師としての倫理に悖るが、里見のような態度が取ることは難しい。 それにしても、教授選といい、裁判と言い、財前は能力があるとはいえ、自分のためになりふり構わない。潔いとも言える。
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すごい勢いでページが進みました。 正義よりも悪が勝ちました。 やっぱり原告のよし江さんに同情しながら読んでしまいました。 そして最後の里見先生が切ない。 とにかく早く続きが読みたいです。
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いよいよ財前の立ち位置が怪しくなっていく。 国立病院という場がいかに政治的で、私利私欲に満ちた医師ばかりが集まる場所かということがまざまざとわかる。 小説だから架空の話だけど、事実、組織が大きければ大きいほどこのような体質を持つようになるんだと思う。 ここからいよいよクライ...
いよいよ財前の立ち位置が怪しくなっていく。 国立病院という場がいかに政治的で、私利私欲に満ちた医師ばかりが集まる場所かということがまざまざとわかる。 小説だから架空の話だけど、事実、組織が大きければ大きいほどこのような体質を持つようになるんだと思う。 ここからいよいよクライマックスの序章が始まるので、今後が楽しみです。
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ものすごく簡単に言うと、絶対読んだ方が良い本です。 作者がものすごく病院の事について調べ上げたんだなと分かります。また、さまざま登場人物がおり主人公とその親友の性格が真反対であり、医師としての考え方が違います!そこで病院の黒い部分が鋭く描かれています! まさに作者が病院の闇に鋭い...
ものすごく簡単に言うと、絶対読んだ方が良い本です。 作者がものすごく病院の事について調べ上げたんだなと分かります。また、さまざま登場人物がおり主人公とその親友の性格が真反対であり、医師としての考え方が違います!そこで病院の黒い部分が鋭く描かれています! まさに作者が病院の闇に鋭いメスを入れていました! 読んだ後、すごく続きが気になる作品でした。 第4巻と第5巻は当時ものすごく社会的反響が大きかったので作者が続きを書こうということで書かれた作品だそうです!
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