関ヶ原(下) の商品レビュー
天下分け目の関ヶ原の壮絶な戦い。 秀吉への「義」をとおす石田三成率いる「西軍」とその後の天下統一を「策略」する徳川家康率いる「東軍」の駆け引きがとても面白い。 単なる戦物語ではなく、その陰に隠れた諜報活動。 どちらが勝つか分からない場面から急転超過のいきさつは生々しい。 「義」の...
天下分け目の関ヶ原の壮絶な戦い。 秀吉への「義」をとおす石田三成率いる「西軍」とその後の天下統一を「策略」する徳川家康率いる「東軍」の駆け引きがとても面白い。 単なる戦物語ではなく、その陰に隠れた諜報活動。 どちらが勝つか分からない場面から急転超過のいきさつは生々しい。 「義」の信念をとおした石田三成の人生が悔やまれる気がする。
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2017/11/01 面白かった! とてもわかりやすくて、読みやすい。 今も昔も政治の駆け引きは変わってないんだなぁ。
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関ケ原はまるで白黒以外に灰色も混じったオセロゲーム。その灰色の武将らに対し調略する家康と「白であるべきだ」という観念に囚われる三成はひどく対照的。今回『関ケ原』全編読んで特に痛感させられたのは、戦時は武将を欲し平時は文官を欲するように時代が要求する人材は残酷なほど変化するというこ...
関ケ原はまるで白黒以外に灰色も混じったオセロゲーム。その灰色の武将らに対し調略する家康と「白であるべきだ」という観念に囚われる三成はひどく対照的。今回『関ケ原』全編読んで特に痛感させられたのは、戦時は武将を欲し平時は文官を欲するように時代が要求する人材は残酷なほど変化するということ。それだけに文武両道な家康がいかに傑出した存在だったのかが伺える。そして黒田如水・長政親子のやりとりが楽しいだけに、ラストの演出が憎い。関ケ原の物語は毛利・島津が長州・薩摩となって受け継がれてゆく。
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こんな有名で面白い歴史小説を、今まで読んでいなかったのが勿体ない。 解説にもあるが、現代の選挙戦さながらのストーリー。 官僚出身の石田三成と、財界出身の徳川家康の一騎討ち。どちらが多くの支持者-票を集めるか?根回し、諜報、裏切り、義をめぐる人間模様。 天下を取るもの、人を動かすだ...
こんな有名で面白い歴史小説を、今まで読んでいなかったのが勿体ない。 解説にもあるが、現代の選挙戦さながらのストーリー。 官僚出身の石田三成と、財界出身の徳川家康の一騎討ち。どちらが多くの支持者-票を集めるか?根回し、諜報、裏切り、義をめぐる人間模様。 天下を取るもの、人を動かすだけの何かを持っているものですね。 滅びゆく三成に感情移入して、一気に読了しました。
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天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った10数万の戦国将兵たち…。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか?両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか?戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の...
天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った10数万の戦国将兵たち…。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか?両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか?戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の中に、決戦に臨む武将たちの人間像とその盛衰を描く、波瀾の完結編。
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家康と三成、どう見ても家康のほうが器が大きい。三成阿保やな…と思いながらも何故か気持ちは滅び行くほうに寄っていく。
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数多の歴史小説で何度同じ筋書きをなぞろうとも、義戦を尽くした治部少と、周りからじわじわと切り崩し天下を我が物にした家康の物語は、決して褪せる事はないのだなあと。 正しい事をしているはずなのにへいくわいものであるが故周りから理解されなかった治部少に寄り添ってあげたい… 治部が追い...
数多の歴史小説で何度同じ筋書きをなぞろうとも、義戦を尽くした治部少と、周りからじわじわと切り崩し天下を我が物にした家康の物語は、決して褪せる事はないのだなあと。 正しい事をしているはずなのにへいくわいものであるが故周りから理解されなかった治部少に寄り添ってあげたい… 治部が追い詰められていく過程はどの作品を読んでも本当に辛い。 上杉さえ動いてくれていたなら…そう思わざるを得ないが、上杉は上杉の家風に従い背後を追わないという「義」を貫いたのだろう。 映画が楽しみだ。
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結果が分かっていても引き込まれる歴史群像劇。合戦描写も緻密。最期の瞬間まで再起を期していた三成と、無謀と知りつつ勝つため奮闘した左近、吉継…三者三様の死に様が印象的。
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司馬遼太郎らしい歴史小説。関ヶ原についてはいろいろなドラマやスペシャル番組で何度も見ているが、やはり司馬遼太郎の小説で読むと歴史の背景にある人間感情というのが手に取るように分かり、歴史が合理性ではなく人間で動いていることがよくわかる。どこまでが本当にあったことでどこからが司馬の創...
司馬遼太郎らしい歴史小説。関ヶ原についてはいろいろなドラマやスペシャル番組で何度も見ているが、やはり司馬遼太郎の小説で読むと歴史の背景にある人間感情というのが手に取るように分かり、歴史が合理性ではなく人間で動いていることがよくわかる。どこまでが本当にあったことでどこからが司馬の創作かは分からないが、司馬が史実を調べた上で各武将の思考形式を完全に把握して創作したであろう会話は、もはや史実としか思えないほど武将の心情を見事に語っている。どこかの評論でこの小説は司馬の家康嫌いが非常によく出ていると書いてあったが、私の読む限りはそんなことはなかった。老獪で人間心理の掌握が非常にうまい家康と、理想主義で人間は合理的に動くと思っている三成の対決だが、人間は合理的に動かない以上、家康が勝利するのは見えていた。長年サラリーマンをやっていると理ではなく人間の情欲、すなわち政治が社会を動かしていることが身にしみて分かってくるが、司馬もそれをこの関ヶ原の人間描写に込めているように思える。義よりも利が社会を動かすというのは少々寂しいが、真実だと思う。しかしその義を幕府の開設にあたり、徳川三百年の礎として家康が社会道徳として推奨したというのはやはり家康の巧緻の極みなのだろう。もうほんの少しだけ三成が大人で、人を喜ばせる術をしっていれば歴史は大きく変わったのだろうが、結局は三成では天下を治められないことを考えると、家康が勝つのは必然だったのだろう。 とにかくサラリーマンは是非とも読んだほうが良い小説。
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今夏話題の"関ヶ原"。以前読んだ競作の"決戦!関ヶ原"後、かなり経つので是非読みたくなった。…いざ合戦、そして結末はひとときなれど…単なる戦記だけではない。最大の対比は時をかけ、隙を与えず盤石に練り込まれた政治的謀略と人心掌握の術。どっぷり...
今夏話題の"関ヶ原"。以前読んだ競作の"決戦!関ヶ原"後、かなり経つので是非読みたくなった。…いざ合戦、そして結末はひとときなれど…単なる戦記だけではない。最大の対比は時をかけ、隙を与えず盤石に練り込まれた政治的謀略と人心掌握の術。どっぷり濃厚な人物造形、多岐にわたる観点と深い心情描写、、。畏れ入りました
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