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あなたの人生の物語 の商品レビュー

4

265件のお客様レビュー

  1. 5つ

    87

  2. 4つ

    76

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    3

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2021/06/07

同じ行を2、3回読まないと理解できないことが多々あった。普段如何にななめ読みしていたのか… 舞台設定が理解できればあとは多少難解な言い回しがでてきてもなんとかなる! 久しぶりに知能を使って読書しました。内容は面白かったです。 個人的には「地獄とは神の不在なり」が好み。

Posted byブクログ

2021/06/02

とんでもない状況を設定して、その中で登場人物たちが、人間たちがどう考え、行動するかを詳細に描写する。とんでもない状況のアイデアが、うーんと唸らされるのが、テッド・チャンの短編集なのだ。描写もとんでもなくリアルである。壮大な思考実験だ。物語が面白くて夢中になって読むのもあるし、正直...

とんでもない状況を設定して、その中で登場人物たちが、人間たちがどう考え、行動するかを詳細に描写する。とんでもない状況のアイデアが、うーんと唸らされるのが、テッド・チャンの短編集なのだ。描写もとんでもなくリアルである。壮大な思考実験だ。物語が面白くて夢中になって読むのもあるし、正直言って退屈なのもあった。傑作だと言われる「あなたの人生の物語」はそうなんだよなあ。「バビロンの塔」「理解」「七十二文字」「地獄とは神の不在なり」は、設定がぶっ飛んでいて驚く。バベルの塔、超人類、ゴーレム・ホムンクルス、ヨブ記それぞれの超別解なのだ。「顔の美醜について」は人間の生まれつきの資質について鋭い問いかけをしている。

Posted byブクログ

2021/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1990〜2002年のあいだに発表された8つの短篇を収録したSF作品集。 テッド・チャンを読むのは初めて。横目で見ていた2019年の『息吹』刊行時のフィーバーだったけど、今なら気持ちがよくわかる。以下、各作品について。 ◆「バビロンの塔」 宇宙観が明らかになる前の〈バベル工学〉的な部分がとても楽しい。鉱夫が天蓋を逆向きに掘りだしていくという絵面がちゃんと想像できることの面白さ。科学ではなく神学で解釈された世界をSFのハッタリでリアルに感じさせる書き方は、「七十二文字」とも共通する。 ◆「理解」 アメコミのヴィラン誕生譚みたい。ものすごい早回しで進むピカレスクロマンで、鏡像関係のライバルが現れて…。知能向上処置を受けた男の一人称語りは『アルジャーノンに花束を』のパロディでもあるような。一人称なので陰謀論者の暴走とも読めるのが面白いところ。 ◆「ゼロで割る」 超人的頭脳をもつ天才数学者の苦悩の物語であると同時に、精神を病んだ人と共に暮らすことの困難の物語でもある。かつて救われる側だった語り手が、自分は妻を救う側に成りえないと悟るまでの辛い道のりを、「ゼロで割る」数式に重ね合わせている。しんどい。 ◆「あなたの人生の物語」 完全言語をめぐるSF。「言語体系とそれを操る者の宇宙観は不可分であり、ことばを学ぶことは異なる宇宙観を取り込むこと」というテーマで、未知との遭遇譚ととある母娘の人生が並行して語られる。この人はこういうどっちがどっちの例え話かわかんなくなる語り口を生みだすのが上手なんだな。 ◆「七十二文字」 一番のお気に入り!カバラ+ゴーレム+前成説(ホムンクルス)という錬金術の世界観が現実になったパラレルワールドのヴィクトリア朝で、王立協会がこっそり優生学に基づく遺伝子研究をしているという変格スチームパンクみたいな設定、も〜〜〜たまらん。種村季弘読者に向けて書かれたみたい(笑)。素晴らしいオチまで含め、これも「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」のようなアメコミのヴィジュアルが浮かんでくる。 ◆「人類科学の進化」 皮肉の効いたショートショート。初出が科学雑誌の「ネイチャー」っていうのが面白い。 ◆「地獄とは神の不在なり」 最萌えの作品。キリスト教の死生観が物理的に現実化した世界。確実に地獄に堕ちる方法はあるが絶対に天国にいける手段はないなかで、神を呪う男が天国にいくために模索する、これが萌え。会話を排したルポ風の文体で世界観にリアリティを与えている。身体障害者と宗教というテーマが共通するキャサリン・ダン『異形の愛』も連想させる作品。 ◆「顔の美醜について」 意図的に容貌失認を起こす技術が開発されたら、人はルッキズムにとらわれなくなるのか、という問いがまずワクワク。ドキュメンタリー映画を模したインタビュー形式の語りもぐいぐい読ませる。ただ、作中で容姿に悩む男性がギャレットしかでてこず、当事者として語る人物のほとんどが女性。これはやはりどこまでもルッキズムは"女性の問題"として語られるだろう、ということを示す意図的なものだとは思うが、少し物足りなくも感じる。 物語として生理的に不快を感じるラインを決して超えない賢さに若干苛立つ部分もあるが、この完成度には平伏するしかない。全てがバラバラの、そして最上級の楽しさをもったエンタメ小説群だった。

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2021/05/22

1990〜2003の8短編集。バビロンの塔、理解、ゼロで割る、あなたの人生の物語、72文字、人類科学の進化、地獄とは神の不在なり、顔の美醜について。 微妙に物理法則や生物系が異なる世界の話だったり、新しいテクノロジーが出てきたり、難しい原理が書かれていたりしますが、それぞれの世...

1990〜2003の8短編集。バビロンの塔、理解、ゼロで割る、あなたの人生の物語、72文字、人類科学の進化、地獄とは神の不在なり、顔の美醜について。 微妙に物理法則や生物系が異なる世界の話だったり、新しいテクノロジーが出てきたり、難しい原理が書かれていたりしますが、それぞれの世界が賞をとるだけある、と思いました。

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2021/05/17

見たいと思っていた映画の原作というので読んでみた。(結局映画は未見) 8編の物語が収録されているが、理系の言葉は私には難しかった。SFは好きなジャンルだし、面白く読めた部分もあるのだが、咀嚼して呑み込むのに時間がかかった。やっと読めた~!というのが正直な感想。頭が堅くなったなぁと...

見たいと思っていた映画の原作というので読んでみた。(結局映画は未見) 8編の物語が収録されているが、理系の言葉は私には難しかった。SFは好きなジャンルだし、面白く読めた部分もあるのだが、咀嚼して呑み込むのに時間がかかった。やっと読めた~!というのが正直な感想。頭が堅くなったなぁとも感じてしまった(笑)

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2021/04/11

正直なところすべてが面白いとは思わない。表題作、「顔の美醜について」など、中には面白いものもあったが。「顔の美醜について」は、もしもこんな技術があったら、という思考実験とも呼べる内容がSFらしく楽しめた。表題作のフェルマーの原理についての考察も興味深い。

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2021/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集で8つの作品がまとまってる段階でお得感。 バビロンの塔の話と、エイリアンと会話を試みる話(題材である「あなたの人生の物語」)が面白かった。 1つ目のバビロンの話は、バビロンの塔を建設していく工程に携わる人の話。塔を上がっていく様子、随所随所に散りばめられてる中の様子が非常に興味深かった。 2つ目のあなたの人生の物語は、こちらも同じく、段々エイリアンとの会話手段を見つけていく展開が面白かった。最後まで解読する所は不可能であったが、後味が悪くなかったので◎

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2021/02/06

表題作、最初は時系が混沌として読みづらいと思ったけど、筋が見えてきてからが圧巻。 こういう観念で生きる生命体も本当にいるんじゃないかと思える。私もヘプタポッドBを体得したい。 「地獄とは」もよかった。神は時に残酷だが、その神への絶対的な愛とは何か。 ---- 映画版の「メッセージ...

表題作、最初は時系が混沌として読みづらいと思ったけど、筋が見えてきてからが圧巻。 こういう観念で生きる生命体も本当にいるんじゃないかと思える。私もヘプタポッドBを体得したい。 「地獄とは」もよかった。神は時に残酷だが、その神への絶対的な愛とは何か。 ---- 映画版の「メッセージ」を見て再読した。 映画と本とで差異はあるのだけど、お互い補完し合い、両方見た方が理解が深まる、素晴らしい映画化だった。

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2021/01/18

これは一気読みするよりも1日一編ずつ読んだ方が読み易いかも。と言うのも、面白いんだけど理系的な話しが割と出てきて(数式とか)だんだん論文読んでる感覚に陥る。笑 この中だったらバビロンの塔が1番好き。

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2021/01/03

ようやく読めた...! 好き嫌い/ハマり度合いは人によって分かれるだろうなぁああと思った笑。勧めてくれた友人の顔を思い浮かべると、あの人たちは好きだろうなあ...と納得して微笑み笑 特に好きだったのは、「地獄とは神の不在なり」。天使をこういう形で書いたもの系好きです... 「あ...

ようやく読めた...! 好き嫌い/ハマり度合いは人によって分かれるだろうなぁああと思った笑。勧めてくれた友人の顔を思い浮かべると、あの人たちは好きだろうなあ...と納得して微笑み笑 特に好きだったのは、「地獄とは神の不在なり」。天使をこういう形で書いたもの系好きです... 「あなたの人生の物語」は映画「メッセージ」を見ていたので、原作を先に読んでいたらオチにうわあああってなってただろうなと思う。「理解」は途中まで「アルジャーノン」?って思った笑 チャンの作品はなんというか、表面上は小さい円なんだけれど、その深さはすごく深いみたいな、なんというか地味だけどずーんとくる驚きがあって、こういう作家には会ったことがないと感慨深い。

Posted byブクログ