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あなたの人生の物語 の商品レビュー

4

266件のお客様レビュー

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    87

  2. 4つ

    74

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    8

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2022/02/13

調べたところ、著者は、寡作かつ作品全てが傑作、と言われている。 この作品集のなかで、「あなたの人生の物語」が一番好き。映画「メッセージ 」の原作でもある。映画を観た後に原作を知った。映画も 良かったが、小説も良かった。 ある日突然、宇宙人から地球に「メッセージ」が送ら...

調べたところ、著者は、寡作かつ作品全てが傑作、と言われている。 この作品集のなかで、「あなたの人生の物語」が一番好き。映画「メッセージ 」の原作でもある。映画を観た後に原作を知った。映画も 良かったが、小説も良かった。 ある日突然、宇宙人から地球に「メッセージ」が送られてきた。地球のいろんな場所に。宇宙人の目的とは? 「メッセージ」を解読するために、多言語分析家が登場する。多言語分析家は、宇宙人と対話する方法を探っていく… しっとりとした描写のSF小説という印象。世界観がいいなぁ。

Posted byブクログ

2022/01/29

SFは苦手で、10年前に読んだ「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が最後。そんな私ですが、読書会で推薦された本書は、とても楽しめました。 本書は8編の短編小説集。表題作は「メッセージ」(2015年/監督 D・ヴィルヌーヴ)の原作。映画は地球外生命体と言語学者の交流を描きますが...

SFは苦手で、10年前に読んだ「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が最後。そんな私ですが、読書会で推薦された本書は、とても楽しめました。 本書は8編の短編小説集。表題作は「メッセージ」(2015年/監督 D・ヴィルヌーヴ)の原作。映画は地球外生命体と言語学者の交流を描きますが、時折、言語学者の娘との思い出がフラッシュバックされ、異色の娯楽映画として楽しめました。ただ、設定が馴染みにくく、鑑賞後は複雑な印象も受けました。今回、本書を手に取ったのは、原作を読んでこのもやもやを払拭したかったのも理由です。 映画は概ね原作をなぞっていると思います。小説は地球外生命体ヘプタポッドの言語体系を詳細に記述しています。発話言語であるヘプタポッドA、書法体系であるヘプタポッドBとふたつの言語体系から構成され、AとBは全く異なり、二次元的構造の言語です。本書で再確認できたのは、ヘプタポッドBで筆記を行う際、書き手は書きはじめた段階で文章の結末を知っていなくてはならないということ。「あなたの人生」はヘプタポッドBの書式で書かれているということですね。もう一度、「メッセージ」を見たくなりました。 映画を見ていたので、娘との思い出が未来形で書かれていることには素直に入れたと思います。娯楽性の高い小説ですが、ヘプタポッドと物理学者とのコンタクト成功がフェルマーの定理をきっかけとすることなど、ある程度集中しないと本書は楽しめないかもしれません。ただ、集中する価値は十分にあります。また、私のような文系でも理解できます。 8編の短編小説のうち気に入ったのは「バビロンの塔」と「地獄とは神の不在なり」。特に後者はショートショートを短編の文学作品に昇華させてような印象で読み応えがありました。 お勧めのSF短編小説集。前に書いた通り、集中できる環境でお読みください。なお、「理解」と「ゼロで割る」は私にはハードルが高すぎました。

Posted byブクログ

2022/01/22

8作のSF短編集。全てが本格的で、難しい用語も多く、読むのにめっちゃ時間がかかる。けどおもしろい。 映画「メッセージ」がどんなふうに表現されているのか観てみたくなった。 1番好きだったのは「顔の美醜について」かな。友人や恋人を顔で選んでいるつもりは無いけど、結局人は見た目が大...

8作のSF短編集。全てが本格的で、難しい用語も多く、読むのにめっちゃ時間がかかる。けどおもしろい。 映画「メッセージ」がどんなふうに表現されているのか観てみたくなった。 1番好きだったのは「顔の美醜について」かな。友人や恋人を顔で選んでいるつもりは無いけど、結局人は見た目が大部分と思っているので、顔の美醜が分からなくなったら関わる人が変わるのかなぁ、、と気になった。

Posted byブクログ

2021/11/30

また読了まで長くかかってしまった。骨太で疲れながらの日々にはあまり向かない内容だった。長期休暇とか時間のあるときに読みたかったね。 SFだが全体に漂う濃厚な神学・哲学のにおい。好きです。いくつかの短編は「悟り」をSF的に描いていると理解したのだけど。「七十二文字」は仮想近代という...

また読了まで長くかかってしまった。骨太で疲れながらの日々にはあまり向かない内容だった。長期休暇とか時間のあるときに読みたかったね。 SFだが全体に漂う濃厚な神学・哲学のにおい。好きです。いくつかの短編は「悟り」をSF的に描いていると理解したのだけど。「七十二文字」は仮想近代というかいわゆるスチームパンクものにあたると思うのだけど、あまり素養がなくニヤリとできなかったのが無念である。素養がないというと「0で割る」もそうだった。この辺りのお作法を納めればもう少し人生が楽しくなりそうだという発見は覚えておこう。 どうも表題作は映画化をしているらしい。ちょぴっとしらべて何年か前にポスターがばかうけに似ていると話題になっていたのはちらりと覚えていたのだけど、あれはソラリスが原作となぜか勘違いをしており記憶の曖昧さに首をひねったのは別の話しとして機会があったら見てみよう。

Posted byブクログ

2021/09/05

SFは苦手であんまり読まないのだけど、何かのきっかけで買ったまま積読していたものを今回手に取った。 面白い部分もあったものの、やはり苦手なイメージは変わらず。読みづらく感じるのはSFというジャンルゆえか、それとも翻訳物だからか。恐らく両方なのだろう。 あと途中で軽く調べたら、この...

SFは苦手であんまり読まないのだけど、何かのきっかけで買ったまま積読していたものを今回手に取った。 面白い部分もあったものの、やはり苦手なイメージは変わらず。読みづらく感じるのはSFというジャンルゆえか、それとも翻訳物だからか。恐らく両方なのだろう。 あと途中で軽く調べたら、この本は結構誤訳もあるようで、そこも気になった。 一番好きだったのは表題作のあなたの人生の物語。 短編ごとに異なった表現手法が試みられていて、引き出しの多さがすごいなと思った。 以下それぞれの感想。 # バビロンの塔 馴染みのないワードが多くて(元々遅いのに)読み進めるのが苦痛で時間がかかった。内容については特に感想を持たなかった。後で調べたらSFの賞を取っているようで、これを面白く感じないのなら残念だがやはりあんまりSFは向いてないんだろう…。 ただ読みながら構築した脳内の視覚的なイメージについては今後頭の中に長く残りそうに思う。(たまにそういう小説に出会う)。天に向かって伸びる塔、塔を登る螺旋状の道、荷車を引いてそれを登る男たち、天の壁に穴を掘る男たち。 # 理解 デスノートのなんかもっと精緻なやつみたいなイメージ。あとアルジャーノンに花束をを連想した。難しくて多くの部分が理解できなかったけど、頭が大幅に良くなると肉体のコントロールの精度も上がって常人ができないことをできるようになる、というのは面白い。 # ゼロで割る なんか色々とかかっていて、分かる人には分かる感じの話なんだろうなという感じ。特に印象なし。 # あなたの人生の物語 面白かった。この本の中で強いて挙げるとするならば一番、という感じではなく普通に好き。 言語で思考が規定されるというのは多かれ少なかれ間違いのないところだと思うが、そこまで行くかという驚きがあった。並行で進む話も最初意味がわからないが、徐々に明らかになってきて面白い。 お互いに言語が通じない者同士が対峙したときに相手の言語を理解していく言語学的なプロセスも興味深かった。 # 七十二文字 プログラミングみたいなものの話。ちょっと面白いが、そこまでハマらず。 # 人類科学の進化 全然理解できず印象なし # 地獄とは神の不在なり 世界観に入れなかった。天使こわい。こんな地獄なら悪くないなと思った。信仰心ってすごい。 # 顔の美醜について 面白かった。割とありそうな話だと感じた。カリーがあったら自分が受けるかというと、たぶん受けない。でもみんなが受けないべきということを合理的に説明できる気はしない。 仮に全員が受けると、人の属性の一つが均質化されるわけで、それで損している人は救われるし得している人はアドバンテージがなくなる。どちらが幸せの総量を最大化するかは難しいけど、均質化された方がフェアな気はする。 これはカリーというテクノロジーが美醜という属性を均質化(無効化)する例だけど、テクノロジーというのはそもそもそういう面があるのかもしれない。例えばコンピュータの登場で計算能力や記憶力は無効化されたし、AIによって今後もっと多くの能力が無効化されるのだろう。そうなると最後に人間に残される属性とはなんなのだろうか…。

Posted byブクログ

2021/08/01

映画『メッセージ』で著者の存在を知りこの本を手に取ったので、映画よりこちらを先に読んでいたら感想が違ったのだろうかと考えてしまう。映画にはあった描写がなかったから肩透かしをくらったのかも。 特に気に入った短編は『地獄とは神の不在なり』。天使を自然災害にみたてる作品なんて初めてで...

映画『メッセージ』で著者の存在を知りこの本を手に取ったので、映画よりこちらを先に読んでいたら感想が違ったのだろうかと考えてしまう。映画にはあった描写がなかったから肩透かしをくらったのかも。 特に気に入った短編は『地獄とは神の不在なり』。天使を自然災害にみたてる作品なんて初めてでワクワクし、そして結末に驚いた。信仰について考えさせられる。

Posted byブクログ

2021/08/01

数学、物理学、言語学、神学、脳科学… それらの知識があれば面白いと思えたのかもしれないけど、作品の中で書かれている学問的な内容が本当なのかどこまでフィクションなのかも理解できず、途中文字を目で追うだけになった箇所もしばしば。 なので、純粋にSFとしてもあまり楽しめませんでした。

Posted byブクログ

2021/07/12

作者の圧倒的な知性と学識の豊かさに感服。現実の事象や論理を極限化して見せられるのがフィクションの醍醐味だと実感した。

Posted byブクログ

2021/07/11

「バビロンの塔」が面白くていいと思ったのですが、その後は難解な描写の続くSFらしい作品が続いたので読むのが大変でした。

Posted byブクログ

2021/07/10

映画メッセージが面白かったので原作を手に取りましたが、正直私には映画のほうが良かったかな…という感じ。「バビロンの塔」はわくわくしながら読めたけど、次の「理解」中盤からああもう無理だわ、と。 本当にSFが向いてないんだなと思いました。

Posted byブクログ