あなたの人生の物語 の商品レビュー
中国系アメリカ人の作家「テッド・チャン」の短中篇SF作品集『あなたの人生の物語(原題:Stories of Your Life and Other)』を読みました。 ここのところSF作品が続いていますね。 -----story------------- 〔ヒューゴー賞・ネビュ...
中国系アメリカ人の作家「テッド・チャン」の短中篇SF作品集『あなたの人生の物語(原題:Stories of Your Life and Other)』を読みました。 ここのところSF作品が続いていますね。 -----story------------- 〔ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞受賞〕 地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者「ルイーズ」は、まったく異なる言語を理解するにつれて、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作(映画化名『メッセージ(原題:Arrival)』)はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作『地獄とは神の不在なり』、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞受賞のデビュー作『バビロンの塔』など、八篇収録する傑作集 解説/山岸真 ----------------------- 2002年(平成14年)に刊行された作品集、、、 1990年(平成2年)から2002年(平成14年)に発表された8作品が収録されており、デビュー作の『バビロンの塔』等、3作品がアメリカのSF・ファンタジー作品に与えられるネビュラ賞を受賞(うち1作品はヒューゴー賞も受賞)… 評価の高い作品が数多く収録されている作品集です。 ■バビロンの塔 (原題:Tower of Babylon )1990 浅倉久志 訳 - 1991年ネビュラ賞受賞 ■理解 (原題:Understand) 1991 公手成幸 訳 - 1992年アシモフ読者賞受賞 ■ゼロで割る (原題:Division by Zero) 1991 浅倉久志 訳 ■あなたの人生の物語 (原題:Story of Your life) 1998 公手成幸 訳 - 1999年シオドア・スタージョン記念賞、2000年ネビュラ賞受賞 ■七十二文字 (原題:Seventy-Two Letters)2000 嶋田洋一 訳 - 2001年サイドワイズ賞受賞 ■人類科学の進化 (原題:The Evolution of Human Science) 2000 古沢嘉通 訳 ■地獄とは神の不在なり (原題:Hell is the Absence of God) 2001 古沢嘉通 訳 - 2002年ヒューゴー賞、ローカス賞、ネビュラ賞受賞 ■顔の美醜について──ドキュメンタリー (原題:Liking What You See: A Documentary) 2002 浅倉久志 訳 ■作品覚え書き ■謝辞 ■解説 山岸真 豊かな発想を真面目なSF作品に織り込んだ… という印象の作品群でしたね、、、 科学的な部分がいい加減ではない分、やや難しく読みづらい感じ… 好みは分かれるところでしょうが、個人的にはもっと娯楽性が高い方が好みですねー そんな中で印象に残ったのは、 聖書のバビロンの塔をモチーフに、上へ上へと建築され、月も太陽も超える高さとなったバビロンの塔が行き着いた先は… 舞台設定の着眼が素晴らしい『バビロンの塔』、 事故の治療(ホルモン療法)によって知覚力が高まり、超知性を得た主人公の運命を描き、『アルジャーノンに花束を』を彷彿させる『理解』、 人間の論理的認識とは違う形で世界を認識するエイリアンとのコンタクトを果たした科学者の物語を描く『あなたの人生の物語』、 人間の顔の見た目(美醜)を平均化する仕組みカリー(カリーアグノシア:美醜失認処置)を導入するか否かという話をドキュメンタリータッチで描いた『顔の美醜について──ドキュメンタリー』、 の4作品でした。 発想は素晴らしい作品ばかりなので、もう少しわかりやすく、読みやすいエンターテイメント性の高い作品を描いてくれることを期待したいですね。
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不親切かつ難解。書いてあることの半分くらいしか理解できなかった。 でも頭が良いと思われたいので、これからひとにおすすめする本にはテッドチャン混ぜておこう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
顔の美醜についてが1番面白かった!! 他人の美醜がわからなくなるカリーを受けるかどうかについての話だが、現代のルッキズムにはまる話だなーと。 パラ言語的暗示を成功させるソフトウェアが開発され、CMを見た人の心に訴えかけることができるようになった。近い将来起こりうる可能性があるなーと。
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SF短編集。「あなたの人生の物語」は映画になっているそうなので、そちらも見てみたい。運命論というか決定論というか。
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どこかで言ったと思うが、大学の講義を受けているような、私の知らない世界を満遍なく見せてくれて有難うの気持ち。 新しくて、美しい。 全ての物語を100%理解できたとは思わない。 でも私は好きだった。 表題作は映画と一緒に大事にしたい。 面白かった。
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機械的で無機質な美しさの中に、人間の感情や精神といったものが散りばめられているようで、大好きな本です。 個人の感想ではありますが、テッド・チャンさんの作品は救済と絶望、優しさと残酷さなど、相反するものが同時に感じられる気がして、そこがすごく魅力的だと思っています。
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数学も理科もわからないマンだけど、ほんとうにおもしろかった…! (もっと公式とか定理とか知ってればたのしめたのか、それとも無知故にストレスなく読めたのかはわからないが) 人生やそれぞれのきもちのことをSFで書くやつ、好きだな~ 理解っていうタイトルの話で、主人公がめっちゃめち...
数学も理科もわからないマンだけど、ほんとうにおもしろかった…! (もっと公式とか定理とか知ってればたのしめたのか、それとも無知故にストレスなく読めたのかはわからないが) 人生やそれぞれのきもちのことをSFで書くやつ、好きだな~ 理解っていうタイトルの話で、主人公がめっちゃめちゃに賢くなった先に自己への問をくりかえしていくところがまさに、ってかんじがする。
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で?っていう感じ。 こういうのが世界で絶賛されるんだ。ちょっと、読みたいものをSFという分野見つけるのは厳しいのかもしれない。 アイデアだけの短編は無理か。科学的ですらない。ま、魔法と見分けがつかないのかもしれないけど。 短編小説はブッチャーの試合で、長編小説はイノキの試合だ...
で?っていう感じ。 こういうのが世界で絶賛されるんだ。ちょっと、読みたいものをSFという分野見つけるのは厳しいのかもしれない。 アイデアだけの短編は無理か。科学的ですらない。ま、魔法と見分けがつかないのかもしれないけど。 短編小説はブッチャーの試合で、長編小説はイノキの試合だという名言を思い出した。
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表題作「あなたの人生の物語」他短編集で、すべてが珠玉の作品といってよい。 物理・数学・言語学・神学・心理学など雑多な学問のアラカルトで、物語でももちろん引きもまれるし、世界観の独創性が今まで読んだことのない衝撃。こんな世界がもしあったらというディーテルがある意味ぞっとする恐ろし...
表題作「あなたの人生の物語」他短編集で、すべてが珠玉の作品といってよい。 物理・数学・言語学・神学・心理学など雑多な学問のアラカルトで、物語でももちろん引きもまれるし、世界観の独創性が今まで読んだことのない衝撃。こんな世界がもしあったらというディーテルがある意味ぞっとする恐ろしさを誘発するし、SFの神髄ではないでしょうか。 すべてがお気に入りといえるが、あえて一つ絞るなら「顔の美醜について」かな。容姿の優劣でそこから生まれる社会的個性というのは逃れられないものという認識を、テクノロジーが打開するきっかけになったらという世界。近未来感があるし、もし現実になったら自分はもう乗り越えて受け入れている境地だけど、ティーンエイジャーやトラウマから抜け出せない人々にとっては悲願となるのか、社会的にどういった影響がありうるのか、思考実験がノリノリに刺激される。賛成・反対派の意見が角度を変えながら述べられて、そこから派生して異なる価値観も均一化、平等に強制的に統一することが善なのか、非常に考えさせられる作品です。 それぞれのテーマに一家言成したくなる、まずは読んで作品の魅力に浸ってからにしましょう。
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SF小説の形をとった、思考実験のような作品。 バビロンの塔の「夜とは、大地が空に投げかける影である」という一文に痺れた。
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