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カフカ短篇集 の商品レビュー

4

114件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2014/01/19

カフカの短編集。カフカは初めて読みました。10Pそこらの掌編が15編、20〜50Pくらいの短編が5つ。 短いものは、シュールな着想が簡潔に表れていて、楽しく読めました。 ある程度長さのあるものは、唐突に終わったり一貫性がなかったり、散漫な印象が否めませんでしたが、視点や考えの揺れ...

カフカの短編集。カフカは初めて読みました。10Pそこらの掌編が15編、20〜50Pくらいの短編が5つ。 短いものは、シュールな着想が簡潔に表れていて、楽しく読めました。 ある程度長さのあるものは、唐突に終わったり一貫性がなかったり、散漫な印象が否めませんでしたが、視点や考えの揺れや、脈絡無く挿入される静物画的な描写が、どこか落ち着かない、疑念を生じるような効果をあげていて、作者の個性を感じられる内容だったと思います。 2,3Pの話も多いので、他の本の合間に読むにもおすすめです。

Posted byブクログ

2014/01/10

 先日平野啓一郎氏の「本の読み方」を読んだ。それに紹介されていたカフカの「橋」という作品を読み、他の短編も読んでみたいと思った。カフカと言えば「変身」「断食芸人」「城」などがあまりにも有名だ。だからこれまで私は他の作品に目が向かなかったようだ。「変身」や「断食芸人」は既に読んだの...

 先日平野啓一郎氏の「本の読み方」を読んだ。それに紹介されていたカフカの「橋」という作品を読み、他の短編も読んでみたいと思った。カフカと言えば「変身」「断食芸人」「城」などがあまりにも有名だ。だからこれまで私は他の作品に目が向かなかったようだ。「変身」や「断食芸人」は既に読んだので「城」はKindle版をダウンロードして読むことにする。  この短編集には「橋」の他「判決」「流刑地にて」なども収録されている。これらもカフカの作品の中では注目されているようで、今回読むことができて幸いだった。  全く短編集で、最短では1ページしかない。読み易いと言えなくもないが、主題が何なのかわからないものも多い。「橋」では平野氏の本にも出てきたし、訳者の池内紀氏の解説もあったので理解の手助けになった。橋が擬人化されているところが「変身」で目が覚めたら虫になっていたという筋と似ていて、カフカはこういう話が得意なんだと思った。  またカフカ家の解説の途中に出てくる話に、アイス家の姓を決めるとき何という姓にするかと問われ、その人は Ich weiß nicht. (わかりません) と応えた、というあたりが何とも庶民的で好きだ。  また最後に掲載されている「万里の長城」はある意味で面白かった。この大工場を進めるのに工区分割方式が採用され、全労働者が20名ほどの班を組み、500メートルの城壁を担当する。隣は別の班が担当している。完成したらすぐ隣の工区にかかるのではなく、ずっと離れた地域に移動するという。そうすれば移動中に他の班の仕事ぶりを見ることになり、次の自分たちの仕事の志気が高まったというのだ。これは本当かどうかは知らないが、これまで読んだ長城の建設に関する文献ではあまり議論されていなかったように思う。カフカはどうしてこんなところに目を付けたのだろうか。  それが物語後半に語られていることには、自分たちの住むヨーロッパに当てはめてみたかったようだ。君主制というものを語りたかったらしい。洋の東西を問わずこのようなものだと。万里の長城はその話題のきっかけに過ぎないのに、私は長城への思い入れが強過ぎたために変に食い付いてしまったのかもしれない。

Posted byブクログ

2013/09/30

一度読んだだけでは解釈できない作品ばかりだった。以前、断食芸人を読んだときにもそうだったが、一度読み終えただけでは、後味の悪いようなそうでもないような、よくわからない感思想を抱く。 しかし、何度も読み返せば読み返すほどに様々な解釈が広がるのが面白い。

Posted byブクログ

2013/09/07

めちゃ難しい。というかなにがどうなのか判らなかった。大昔、中学生の頃「変身」を読んだが・・・。 ひょっとしたらこの作者の作品は長い方が読みやすいかも???? 理解せず、★2ななのでこの評価、信頼性ゼロと思われます。

Posted byブクログ

2013/08/21

実存主義文学の先駆者と言われているけれど、私にはシュルレアリスムの世界だった。妙な不安定感が浮遊し続け、気持ちが悪くなるような、それでいて惹かれていく浮揚感。疲れた。。考えると分からなくなるので、考えない。

Posted byブクログ

2013/07/23

寓話集に続き短編集も読破。 「掟の門」、「流刑地にて」、「バケツの騎士」に 「中年のひとり者ブルームフェルト」がお気に入り。

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2013/03/10

個人的には、流刑地でのお話が一番印象に残った。 レビューを見るよりも、実際に自分の目で読んでみた方が作品の独特な雰囲気、全体にどことなく漂っている異様さを肌で感じることができる。

Posted byブクログ

2015/10/01

どうしてわれわれは故里をあとにしたのか これは、万里の長城建設に携わる技術者の独白である、短篇「万里の長城」の一部分です。 父と息子の関係を描き、結末がショッキングな「判決」、特にミステリアスな「田舎医者」、ある流刑地に、ヨーロッパから裁判制度の調査旅行に来た有名な学者が、残酷...

どうしてわれわれは故里をあとにしたのか これは、万里の長城建設に携わる技術者の独白である、短篇「万里の長城」の一部分です。 父と息子の関係を描き、結末がショッキングな「判決」、特にミステリアスな「田舎医者」、ある流刑地に、ヨーロッパから裁判制度の調査旅行に来た有名な学者が、残酷な死刑装置の説明を受けるところから始まる「流刑地にて」など、ものすごくわかりにくい話から、筋は結構わかりやすいものまで、翻訳した池内紀さんが選んだ短篇集。 「死」のイメージが強い話や、難解な話も多いが、わりと明るい読後感を残す「火夫」、「中年のひとり者ブルームフェルト」などもある。 「火夫」は、女中に誘惑され子供ができてしまい、ドイツ人の16歳の少年が、両親により家を追い出されアメリカへやってくる話。船がアメリカについたとき知り合った一人の火夫が、少年の運命を大きく変えていく。未完に終わった長編「アメリカ」の第一章であり、独立した短篇になっている。 「中年のひとり者ブルームフェルト」は、ある日、白いセルロイドの二つのボールと暮らすことになるサラリーマンのお話。 「バケツの騎士」は、石炭がなくなった「おれ」が、空のバケツにまたがって、宙を飛び、石炭を買いにいくのだが。。これなど、内容は決して明るいわけではないけれど、不思議にメルヘンである。 池内紀さんは、解説に、カフカの作品は、「とびきり楽しい『おはなし』」であり、「大人のためのメルヘン」であると書いている。また、宮沢賢治「やまなし」や内田百?と同じ種類のお話であるとも書いている。よくわからない部分も多かったけど、大好きな宮沢賢治や内田百?と同じように読んでもいいのだと思うと、うれしくなった。 でもやっぱり、 真理をおびて始まるものは、しょせんは不可解なものとして終わらなくてはならないのだ。 「プロメテウス」より

Posted byブクログ

2012/12/07

初カフカ。冒頭の短編から、すごい世界観を味わわせてくれました。世にも奇妙な世界観。きれいごと好きの自分からしたら決して好きではない世界ですが、余韻がずっと残っています。どの作品もイメージが浮かびやすいからでしょうか。ことばというより、そのイメージが頭に残るかんじ。

Posted byブクログ

2012/12/05

この系統の作品は確かに難解。 だけれども世界観が大好き。 ちょっと段落構成に難があるので 読み進めるのがちょっとつらくなってしまうのは難点ですが それでも読む価値は十分。 私が好きなのは「変身」のような ある日突然非日常さんこんにちは的な作品の 「中年のひとり者…」が好きです。...

この系統の作品は確かに難解。 だけれども世界観が大好き。 ちょっと段落構成に難があるので 読み進めるのがちょっとつらくなってしまうのは難点ですが それでも読む価値は十分。 私が好きなのは「変身」のような ある日突然非日常さんこんにちは的な作品の 「中年のひとり者…」が好きです。 絶対にありえない内容だけれども これらの体験をしてみたいものです。 後は壮絶な光景と 結末の落差が激しい「流刑地にて」も嫌いじゃないです。 あとは謎の生き物が出てくるあの作品。 何かは私も分かりません!!

Posted byブクログ