カフカ短篇集 の商品レビュー
2016年13冊目。 フランツ・カフカの短編集。 「流刑地にて」を読みたくて手に取ってみた。 (忘れもしない、リブロ池袋本店の閉店最終日の夜に買った本) カフカの印象は「雪景色」と「もどかしさ」。 最初に触れたのが『城』だったからだと思うが、その印象がこの短編集でまた強まった。...
2016年13冊目。 フランツ・カフカの短編集。 「流刑地にて」を読みたくて手に取ってみた。 (忘れもしない、リブロ池袋本店の閉店最終日の夜に買った本) カフカの印象は「雪景色」と「もどかしさ」。 最初に触れたのが『城』だったからだと思うが、その印象がこの短編集でまた強まった。 多くの話が、理解はぼんやりなのに、印象がくっきり残ってしまう不思議。 もっとゆっくり読めばよかったという後悔が強いので、それは再読の時に。
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後味悪い作品が多い。 よくわからない作品も多い。 表紙には、難解とかかれているが、私はよく分からない作品は魅力があればよく分からないままでもいいと思っている。 「箱男」でその魅力を堪能し、この本の前に偶然読んだ「砂の女」。摩訶不思議ワールドなら、断然安部公房の創り出す世界の方が私...
後味悪い作品が多い。 よくわからない作品も多い。 表紙には、難解とかかれているが、私はよく分からない作品は魅力があればよく分からないままでもいいと思っている。 「箱男」でその魅力を堪能し、この本の前に偶然読んだ「砂の女」。摩訶不思議ワールドなら、断然安部公房の創り出す世界の方が私は好きだ。
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アメリカ版かなにかのカフカさんの本の表紙(https://shallicomparethee.files.wordpress.com/2012/08/dsc00692.jpg)が息子を喰らうサトゥルヌスで強烈だったので「判決」を読むべく読んでみた。全くもって、表紙の通りのお話で息...
アメリカ版かなにかのカフカさんの本の表紙(https://shallicomparethee.files.wordpress.com/2012/08/dsc00692.jpg)が息子を喰らうサトゥルヌスで強烈だったので「判決」を読むべく読んでみた。全くもって、表紙の通りのお話で息子って父親を超えれるかが、生き延びられるかどうかなんだなと思った。 他の作品もグイグイ来るものばかりだった。特に「火夫」における純粋が不純に直面して感じる寂しさや、「夢」が夢そのままを書き表してるさまが見事で好みだった。 Mahalo
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全部読んだのかそうでないのか忘れてしまたんだけど(ひでえ)、同じ岩波の寓話集よりは比較的長い作品が多かったような気がします。 あとまだ読んでてわかるような作品とか……やっぱり読んでもよくわからん作品が多いとか……あああ。
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よくわからなかった。寓意を求めるあまり読書の面白みが半減。「掟の門」「橋」は面白く読めたが、全体を通してあまり深く考えずに自分の感性に従って読んだほうがよかったかも。再読するときは作品そのものを見てみよう。
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通読するのにかなりの時間を費やした。 「掟の門」「判決」「橋」このあたりは面白かったし、今の時代でも教訓を感じられる。でも、基本的には難しく、当時の時代背景を理解しなければ小説の内容を理解するのも困難。
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カフカの長編だと何となく冗長な気がしてしまうので、電車に乗っている僅かな時間でスッと読めるのが良い。ほの暗いシュールさが後を引く。
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掟の門 判決 田舎医者 雑種 流刑地にて 父の気がかり 狩人グラフス 火夫 夢 バケツの騎士 夜に 中年のひとり者ブルームフェルト こま 橋 町の紋章 禿鷹 人魚の沈黙 プロメテウス 喩えについて 万里の長城
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カフカを読む時は心身の調子が悪ければ悪いほど楽しめる。余分な装飾がこそげ落とされた文体は疲れた頭にも容易に染み込み、その世界観は理解できなくとも生の不条理が刻み込まれたこの身体が反応する。時に一、二頁で終わるその作品達はどこか不穏な空気を纏っているものばかりなのに、それでも不思議...
カフカを読む時は心身の調子が悪ければ悪いほど楽しめる。余分な装飾がこそげ落とされた文体は疲れた頭にも容易に染み込み、その世界観は理解できなくとも生の不条理が刻み込まれたこの身体が反応する。時に一、二頁で終わるその作品達はどこか不穏な空気を纏っているものばかりなのに、それでも不思議と安心感を感じられるのだ。カフカの描く物語は現実的でないものばかりだが、現実の暗がりに潜む痛みをを鮮やかに切り取ってくれている。それは今にも砕けそうなガラスのコップを支え合う感覚にどこか似ていて、とても美しく思えるのだ。
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フランツ・カフカ著。20篇収録の短編集。 これまでカフカの小説は「変身」しか読んだことがなかったのだが、予想通りシュールな話ばかりだった。簡潔で不可解な設定、哲学や暗喩を感じさせる文章、様々な解釈を生む謎を残した結末。これが、いわゆる「カフカ的」ということだろう。 だがそう...
フランツ・カフカ著。20篇収録の短編集。 これまでカフカの小説は「変身」しか読んだことがなかったのだが、予想通りシュールな話ばかりだった。簡潔で不可解な設定、哲学や暗喩を感じさせる文章、様々な解釈を生む謎を残した結末。これが、いわゆる「カフカ的」ということだろう。 だがそういうこと以上に、私はカフカに深いシンパシーを覚えた。それはカフカの小説が、単に「カフカ的」であることのみならず、あくまで庶民・労働者目線で書いているからだ。そして物語の背後に確かに感じる、強い諦観。笑えるようで笑えない話が多いのは、それを創作のエネルギー源としていたからだろう。 こういった特徴はカフカの生活が影響しているのだろうが、そういう意味では私は、彼の本が売れまくって彼が会社を辞める、なんてことにならなくてよかったと思わざるを得ない。
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