恐るべき子供たち の商品レビュー
西洋文学において、こういった少年愛(それが必ずしも主題ではないが、)を扱った作品に時折遭遇する。それらは妖しくはあるが、崇高な匂いを醸す。現代の日本でそれをやるとすぐさまボーイズラブ系と位置付けされるという罠。
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もう、何から言葉にすればいいのか判らないんですが、フランス文学特有の退廃的な雰囲気がたまりません。もう滅茶苦茶です、ここまでただれた快楽の、悦楽の日々を送っていいんでしょうか。そしてさらに言えば、何でも手に入る世界って凄い。毒薬だって手に入る。 多分、好き嫌いがはっきり別れる作品...
もう、何から言葉にすればいいのか判らないんですが、フランス文学特有の退廃的な雰囲気がたまりません。もう滅茶苦茶です、ここまでただれた快楽の、悦楽の日々を送っていいんでしょうか。そしてさらに言えば、何でも手に入る世界って凄い。毒薬だって手に入る。 多分、好き嫌いがはっきり別れる作品だと思うんですが、私はこの世界にがつんとやられました。コクトーの才能を、ぐいぐいと押しつけられて、それなのに陶酔してしまう自分。 ちなみに、映画は衝撃のラストがあっさりとまとめられていて、「うわああああ、なにこれひどい」という原作のどうしようにもない感が全くなかったので、お勧め出来ません(そんなのばっかりだな)。原作のラスト数ページのエリザベートの美しさ、強さ、そういうものが映画では再現されてません。 とりあえず、短い小説なのですが、読みにくいと最初の数ページで思った人には、お勧めしません。でも、フランス文学、本当に何でもありだな。そこが好きなんだけどね。
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欲望が果てしない。。 ●●したい~××したい~■■たい! 気がつくと。 欲望 を持ちたい 欲望 を持つ自分自身に目を瞠った。 そうか。 そこに それは 無かったんだ。
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図書館から借りました ジャンルは・・・恋愛もの? 家族愛? 悲劇? 舞台は「オランダ」かな。アムステルダムの近くらしいから。 ページ数は140に満たない。 が、文字が小さいのでけっこうな量になる。 雪玉がぶつかったぐらいで、学校に行けなくなるような虚弱なポール。 ポールを愛するジェラール。(ポールはだが、雪玉を投げつけてきたダルジュロスを愛している。三人とも少年である・・・冒頭から壊れ気味な開始) ポールにはエリザベートという気むずかしい美人の姉がいる。 母はぶっ壊れていて(寝たきり)、父は放蕩したあと突然死亡。 大人の干渉を受けない二人は混沌の汚部屋に住まう。(部屋ではなく、もはや巣だろうな。 ジェラールはその後、エリザベートに惚れ、ポールは姉の友達のアガート(女の子)に惚れるので、やっと安心と思ったら。 弟を奪われたくないエリザベートは奸計をめぐらせ、ジェラールとアガートを結婚させてしまう。 失意のポールは毒を飲んで自殺。 エリザベートもそれと同時に自殺。 なにこの、救いようなさ。 完結した、閉じた空間の中、登場するこの4人はみんな孤児で、大人達の干渉がないゆえに自由だったが、だれも止める者をもてなかった。 ジェラールだけは大人になっていったがなんともはや。一人ではこの悲劇のブレーキになり得ない。 一番恐ろしいのは、エリザベートただ一人な気がする。 日本では1957年初版。 この束縛、気まぐれ、引き込もりっぽい怠惰さ。 現代に通じすぎるのが、すさまじい。。これを麻薬中毒治療中のコクトーが17日で書き上げたらしい。コクトーになにか降りていたんだろうか。
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美しい世界での自堕落な子供たち。 いくつになっても子供たちのままで生きている様がなんともいえずよかった。 神話的だ。
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正直それほどおもしろくもないかな。詩的な文章で美しくはあるけど、例え話が入ると唐突な気がして馴染めない。急に関係ないことを言われた気がしてしまう。
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詩人コクトーを代表する小説。全体的に退廃的、そして耽美的な雰囲気が漂う作品です。さすがに詩人の書いた作品だけに、表現が抽象的だったり、イメージでの表現が多々あり、全体を把握するのに苦労するかもしれません。しかし、子供たちが、純粋であるがゆえにどんどん狂っていく様は圧巻です。この悪...
詩人コクトーを代表する小説。全体的に退廃的、そして耽美的な雰囲気が漂う作品です。さすがに詩人の書いた作品だけに、表現が抽象的だったり、イメージでの表現が多々あり、全体を把握するのに苦労するかもしれません。しかし、子供たちが、純粋であるがゆえにどんどん狂っていく様は圧巻です。この悪夢…タイトルに偽りなしです。
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支離滅裂、はちゃめちゃ、狂気、そんな言葉が似合うような小説。この狂気は子供だからこそできる。おとなだったら意味がない。読んでいるとそんな風に思わせるのだが、わたしはそういう子供のある意味での純粋さや単純さとそれに裏打ちされる残酷さを全面に押し出したような作品はもうそろそろ必要ない...
支離滅裂、はちゃめちゃ、狂気、そんな言葉が似合うような小説。この狂気は子供だからこそできる。おとなだったら意味がない。読んでいるとそんな風に思わせるのだが、わたしはそういう子供のある意味での純粋さや単純さとそれに裏打ちされる残酷さを全面に押し出したような作品はもうそろそろ必要ない年齢になってきたのかもしれない。
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詩人コクトー(1889‐1963)の手にかかると、子供の世界も、ギリシア悲劇を思わせる格調の高さをもって、妖しく輝きだす。白い雪の玉で傷ついた少年ポールが、黒い丸薬で自殺するという幻想的な雰囲気のなかに登場する少年少女は、愛し、憎み、夢のように美しく、しかも悲痛な宿命をになって死...
詩人コクトー(1889‐1963)の手にかかると、子供の世界も、ギリシア悲劇を思わせる格調の高さをもって、妖しく輝きだす。白い雪の玉で傷ついた少年ポールが、黒い丸薬で自殺するという幻想的な雰囲気のなかに登場する少年少女は、愛し、憎み、夢のように美しく、しかも悲痛な宿命をになって死んでゆく。
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初めて読んだはずだが、なんか、内容知ってた気がするので、 実はこれ、二回目ですね(笑) まず、文句を。 えーと、描写があんまり丁寧じゃないので、 ところどころついていけない。 いきなり、フィアンセが死んだりだとか、 この兄弟はどうしてこうもいがみ合ってるのだとか、 特に心理描写...
初めて読んだはずだが、なんか、内容知ってた気がするので、 実はこれ、二回目ですね(笑) まず、文句を。 えーと、描写があんまり丁寧じゃないので、 ところどころついていけない。 いきなり、フィアンセが死んだりだとか、 この兄弟はどうしてこうもいがみ合ってるのだとか、 特に心理描写をもう少し詳細にかいてくれればなぁとも思う。 心理描写を省くというのもまた小説のひとつなのだろうけれど、 心理描写がないとなんというか、 登場人物への魅力がなにかと欠けるのですよね・・・。 とはいえ、活き活きとはしてるのかな、振り返ると。 メインのポール(弟)とエリザベート(姉)に関して言えば。 ただ、ほんとフィアンセだとか母だとかが唐突に死ぬし、 そいつらに対しての描写もないものだから、うーん? って感じかなぁ。 特に今と時代がちがうものだから、なおさら、欲しかったわけです。 なにしろ、エリザベートはどうしてこうも、 ひたすらいらいらしてわけわからんくらい当り散らしているのかも、 ポールは病弱なのかそうじゃないのか死にかけてるのかそうじゃないのか、 やらがまるでわからない。 ポールがダルジェロについて抱いている想いも、よくわからん。 まあ、好きと憎しみはかなり似た感情であるというか、容易に、 裏返り安定しないってことなんだろうけれど。 とはいえ、ストーリー自体はすごいんじゃないかな。 子供たちの怖ろしさ、というところも。 弟とアガートが相思相愛で、ジェラールは自分に惚れているという、 状況で、エリザベートは嘘を重ねて、ジェラールとアガートを結びつけさせ、 その結果、弟が衰弱し服毒自殺を試み、そうして、 最後に自分の罪がばれて糾弾され、 銃にて自殺、そうして、ポールも毒にて死ぬ、 というなんともになんともな結末。 途中で子供たちは盗みを働いたりして、学校にも行かず、 ひたすら好き放題してすごす・・・。 金がある孤児なので、子供たちだけでひたすら好き放題できる、 故の暴走・・・。 最終的に、姉と弟は深い結びつきを覚える、 すなわち、近親相姦よりなおもうひとつ上の領域へと達する、 って感じだったかなぁ。 魂の結びつき的なのは>身体の結びつきだろうから。 なんというか、現代版に書き直してほしいと感じた。 それくらい題材やテーマ、ストーリーは魅力的。
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